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人間機械
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目次

人間機械の作品紹介

人間機械のあらすじ

今日、著しい経済成長を遂げているインド。北西部グジャラート州にある巨大な繊維工場が本作の舞台である。工場内部に入っていくカメラが捉えるのは、劣悪な環境で働く労働者たちの姿。中には幼い子供もいる。あからさまな労働力の搾取。グローバル経済の下で歴然と進行する労使の不平等。出稼ぎ工場労働者が囚われる過酷な労働状況の告発を主題とする一方で、流麗なカメラワークによる画面はまるで宗教絵画のような「美しさ」を漂わせている。そして、画面を凌駕する圧倒的なまでの音響。作業機器から出る音の反復とその独特のうねりには、高揚感すら生まれるだろう。高精細・高解像度で記録され構築されたオーディオ・ヴィジュアルは、嗅覚や皮膚感覚まで刺激するかのように見る者の体感に訴える。1895年、リュミエール兄弟が『工場の出口』を発表して以来、映画は工場を捉えてきた。絶えず「労働」と「人間」を巡って来たともいえる映画の歴史に、本作はどのように位置づけられるのか?「記録」と「芸術」の境界を探求する、新鋭ラーフル・ジャイン監督による問題作。

人間機械の監督

ラーフル・ジェイン

原題
Machines
製作年
2016年
製作国
インドドイツフィンランド
上映時間
71分

『人間機械』に投稿された感想・評価

TS
3.7
【鳴り止まない機械音】79点
ーーーーーーーーーーーーーーーー
監督:ラーフル・ジェイン
製作国:インド/ドイツ/フィンランド
ジャンル:ドキュメンタリー
収録時間:71分
ーーーーーーーーーーーーーーーー
爆音上映もあったようでして、どうせ見るなら映画館で観たかった作品。ただただインドグジャラート州にある巨大繊維工場の様子を映した、『いのちの食べ方』や『人類遺産』のような記録映画。ただし、今作にはインタビュー映像もあるしそこまで静寂ではありません。むしろ工場の機械音が鳴り響くので、雰囲気は暗いですが喧しい作品でもあると思われます。

長回しのシーンの後にタイトルが出てきて、そこからなんてことない労働の風景を撮りながらところどころ労働者にインタビューをしていくという作りです。しかし、とにかく劣悪な環境。汚いし恐らく高温多湿で労働意欲も湧かない空間。そんな空間に12時間もいさされるから驚きだ。たしかに自分も朝7時半に学校に着き、19時以降に退勤するのなんてザラでありますが、こちらは授業をしたり生徒指導をしたりとうまいことストレスがたまりづらい状況が作れているからまだ良いのです。ところがこういう工場はどうだ。単純だが重労働であるものをひたすらやり続けなければならない。挙げ句の果てには、19時に退勤して飯を食べてからまた工場に戻り仕事など正気の沙汰ではない。しかも低賃金。これは強烈以外の何者でもない。そして驚くことに、児童も平気で長時間労働をさせられているのです。児童たちの苦労は中盤の一人の少年の長回しのシーンを見れば如実に伝わります。このシーンは今作で一番印象的でありました。

労働者達は常々文句をいっているが中々行動には移せない。その理由は聞けば納得せざる得ないものでして、結局はこういうことを平然とさせているインドの社会がいけないのだということがわかります。工場長も的を得ていることを言っていましたね。敢えて低賃金で雇うことにより、彼らを手放さないということ。つまり、変に給料をあげてしまえば金を私利私欲に使い、帰属意識が薄まるということなのだから恐ろしい。的を得ているとは言え労働者ももちろん人間。人権を尊重しつつ雇うべきでしょう。人権を無視したこの状況はまさしく人間機械。どうにかしないといけません。

そうやってできる繊維品は確かに素晴らしいものなのでしょうが、汚れたり破れたりしたらすぐ廃棄されてしまう。工場で働いた人の苦労は焼却炉とともに焼かれるのです。終わり方が皮肉めいていて映画としては秀逸であります。好き嫌いが分かれる作品かもしれませんが、こういう映画を見るのもまた大事なことだと思います。
3.9
インド北西部の繊維工場で働く人々の様子を映したドキュメンタリー映画。

重たそうなタイトルとパッケージなので身構えて見たけど、意外にもサラッと見れた。その理由としては撮り方がスタイリッシュで、それがかえって労働現場の過酷さを感じなくさせてた気がする。なんかポン・ジュノ監督っぽい撮り方だなとか思った。ただ、中盤からの労働者の声には胸を打たれる思いになった。

途中まで映像の綺麗な労働ドキュメンタリーだなとか思ってたけど、終盤で社長にインタビューしてるけどそもそも社長がこの撮影許可するか?とかカメラに集まって訴えを起こす労働者達の身なりが綺麗だな、とか作り物っぽいところが気になった。完全なドキュメンタリーではないんじゃないかな。とはいえ、工場での労働の一端が垣間見えるだけでも価値のある映画だと思います。同じようなテーマの映画だったら「女工哀歌」のが視聴者にリアルを突き付けていて好きだったな。
インドの染物工場を描いたドキュメンタリー。暗く汚くうるさい劣悪な環境三重奏の中で、作られていく鮮やかな生地たちが妙に美しい、、(^^;;

「人間機械」とはよく言ったもんだ(^^;; ここでは、人間が機械を操作しコントロールしているのではなく、人間が機械の一部として、部品として働いている。地方に仕事がないから、食べていくために故郷を離れ出稼ぎで働く。労働条件が悪くても、辞めるわけにはいかない。組合作ればリーダーは殺される?

「貧困とは何か?」
「弱い者イジメですよ」

チャップリンが「モダンタイムス」で描いていた問題。今もあまり変わらない構図。問題をいくら描いても解決されない現実があまりに重い、、(^^;;

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