スリー・ビルボードの作品情報・感想・評価(ネタバレなし)

スリー・ビルボード2017年製作の映画)

Three Billboards Outside Ebbing, Missouri

上映日:2018年02月01日

製作国:

上映時間:115分

ジャンル:

あらすじ

最愛の娘が殺されて既に数ヶ月が経過したにもかかわらず、犯人が逮捕される気配がないことに憤るミルドレッドは、無能な警察に抗議するために町はずれに3枚の巨大な広告板を設置する。それを不快に思う警察とミルドレッドの間の諍いが、事態を予想外の方向に向かわせる。

「スリー・ビルボード」に投稿された感想・評価

maiky

maikyの感想・評価

4.2
【スリービルボード】世界は球体だから、良い・悪いで片付けられないことがある
———-

東京コメディストア:Dメンバー、依田ちゃん絶賛の映画を観てきました。
「スリービルボード」
最近、「良い」「悪い」を頭で考えるより、自分の目の前にあることをやった方がいいなと思っています。
時間って有限だなと、つくづく感じているので。
そして、世界は・物事は球体だと思っているので、なんだって角度次第。
わたしにとっての正義はあなたにとっての悪。
あなたの好きなものはわたしの嫌いなもの。
それってもうどうしようもないから。
批判したり反発するよりも、その角度からみると世界はどうなんだろうと考えてみたり
こっちの角度からみるとこうなんだよって伝える表現の方法を磨くとか
真逆なら自分の方向をとにかく向いてみるとか、そういう方がいいなって。
だってそれにうだうだ言ったってどうにもならないじゃないですか。
考えて言葉を放つだけじゃ、どうしようもないじゃないですか。

そしてわたし、「どうしようもない」人とか、感情とか、物事って、めちゃくちゃ強いと思っています。
「どうしようもない」から、心が囚われるんだと思います。

辞典によると【どうしようもない】とは、
①そうなるよりほかに方法がない。他に方策のとりようもない。 「もうこうなったら-・い」
②救いがたい。 「 - ・いやつだ」

こういうことらしいんですけど。
もうそれって、結構最後の感覚じゃないですか。
打つ手なしだなって、少し観念しているところがある。
だからどう扱っていいかわからない。
極限までいっちゃってるから、頭でコントロールできることじゃないんですよね。
それって強いじゃないですか。

どうしようもなくあの人が好きだとか、
どうしようもなくこの風景を目に焼き付けたいだとか、
どうしようもなく絵が描きたいとか、
どうしようもなく餃子が食べたいとか。

この感覚って、自分でコントロールが出来たら世話ないし
それが出来るなら映画なんて生まれない。

この映画には、登場人物の「どうしようもない」が詰まっています。
みんながみんな、「どうしようもない」何かを持っています。
それをどこかで共感出来るから、こんなに惹きつけられるんだと思います。
その「どうしようもない」ことに対して必ずアクションを起こしていく登場人物たちだから、好きになってしまうんだと思います。

わたしはわたしの中の「どうしようもない」に何かアクションしたかな。
それがどんな形でも、なにかしたかな。
そんなことを思いました。
何かしないと、永遠にそこから動けない。
でも、何かしたって動けるとは限らない。
それでも何かしないより、ずっといい。
何かした先は、何かしたやつにしか見えない。

小学生の時、お昼寝をして夕方に目が覚めたらタオルケットがかかっていて
見回すと誰もいなくて、まるで世界にひとりぼっちになったような気持ちになったことが何度かあります。
大人になってからもね。
そういう、言葉ではうまく言えないけど、自分の中に深く残っている何かがある映画。
言葉よりも果てがない感覚がある映画。

あと、この映画に散りばめられたユーモアも好きです。
あのユーモアがあるからこそ、この内容で集中力が切れず、飽きず、好きだなぁと思って興奮を提げながら映画館を後に出来た。

「こうでなくちゃいけない」「こういうテイストはこう」というものに縛られていない、自由を感じる映画でした。

わたしは即興の芝居もしているので、こういう感覚を持ってシーンを作りたいなと思いました。

はぁ。ラストも良かったなぁ。
KOUTA

KOUTAの感想・評価

4.2
詳細はこちら。
http://ko-tachannel.hatenablog.com/entry/2018/02/06/180000
chgr.film

chgr.filmの感想・評価

3.7
妙にリアルな映画。誰もが、どこかのシーンを経験したり、聞いたことのあるような。。。そういった意味では、心地良い事件ではないし、田舎ならではの嫌な部分を垣間見るようだった。なんとも難しく。。。静かだが、感情的になる映画だった。
めっちゃ面白かった...

一応の主人公は、娘を殺された母親「ミルドレッド」。
あまりに警察が何もしてくれないので3枚のビルボード(立て看板)で警察に「まだ犯人捕まらないけど一体何してるの??」とメッセージを送るところから始まる。

「一応」と書いたのが、ちょっと群像劇チックなところがあって、あと2人代表的なキャラが登場する。
警察署長の「ウィロビー」と差別主義暴力警察官の「ディクソン」。

この3人が「主人公」として、あるシーンではミルドレッドが、あるシーンではディクソンが中心になって物語を回していく...そんな感じになっていた。

面白いのが、この3人が絡まると物語が予想外の展開を見せだすこと。
想像してた未来とは全く違う方向へ転がっていく映画だった。

タイトルにある「スリー・ビルボード」は、文字通り3枚のビルボードから始まる話でもあるんだけど、その3枚のビルボードに象徴される3人のキャラクターたちの群像劇でもあった。
看板なんて「オモテ面」は良く見るかもしれないけど、「ウラ面」を見ることは少ない。
人にももちろん、見えている「オモテ面」と簡単には見えない、人によっては見せようとしない「ウラ面」がある。
そして後半になっていくにつれ、3人それぞれの意外な「ウラ面」が徐々に明らかになっていくと...もうこの映画の虜になっている。
自ずと、意味ありげに頻繁に映るビルボードの「ウラ面」も、じっくり見るようになっていた。

演技の凄みも半端じゃなく、視線だけでも全て語っちゃうんじゃないかと思ったシーンも。
それだけではなく、演出や音楽、脚本に至るまでスキがない。

基本的にアメリカの差別や暴力といった冷たい、重い部分への静かな怒りみたいなものが続く(舞台もミズーリだし)んだけど、そんな中心が温まったのが「オレンジジュース」だった。
何故なのかは、見てからのお楽しみ。
しば

しばの感想・評価

4.0
面白かったなあ〜。日本生まれ日本育ちには共感したくても出来ないような描写がたくさんあったけど、現実からそう浮いてもいない話。
ミルドレッドの'Thank you.'に胸が震えたよな、サム・ロックウェル!オレンジジュースにも、心が動いたよなあ。気づかないだけで、生き方が変わるようなそんなチャンスが、いくらでも私たちの側にはあるんやと思ったよ!

夜遅く駅から家まで帰る際の両親からの「迎えに行こうか?」を申し訳なさで断りたい一方で、もし断って夜道の道すがら私に何かがあった時に一番辛い思いをするのは両親だろう、と思うと断るのは憚れるよね。こういうお別れは一番したくないよ。
Ren

Renの感想・評価

3.9
面白い!
田舎町の片隅に設置された3枚の看板広告が様々な波乱を呼んでゆく展開に引き付けられるし、2時間全く飽きさせない脚本が巧み。

"fuck!"や"bitch!"といった罵詈雑言飛び交いまくりなところも好み。

やってることは超過激なのに哀しくて暗い眼をした主演のフランシス・マクドーマンドも抜群だけど、ディクソン巡査を演じるサム・ロックウェルは今年のオスカー獲りそう!
燃え盛るあの場所から"あれ"だけを守るシーンが良かった。
Sho

Shoの感想・評価

4.2
汚い言葉が飛び交う映画を見るたびに英語がもっと出来たらなあと思います。笑 一方的にその人の片面だけを見るだけじゃなくていろんな角度から知っていけたらな、そう感じることのできた映画。
ユタ

ユタの感想・評価

4.3
これはなんの情報もなく観てほしい。
これぞ映画だなって作品。
食い入るように観てしまった。

ミズーリ州の田舎が舞台で、いかんせん地味なんだけど、
展開が読めないし、怒りと悲しみのバランスが本当に素晴らしい。
キャストもみんなよかった。

暴力的だし言葉も悪いし、負の連鎖が続くのに、
なぜか後味が悪くない。
作り込まれた丁寧な人間ドラマ。

映画好きならこれ観なきゃダメでしょ。

もう周囲の人がこの作品を鑑賞して、よかった、よかったとの声ばかりで、これはいてもたってもいられず鑑賞。

スリービルボードの意味すら知らないまま、なんならストーリーもよく知らないまま、予告も観ないまま鑑賞。

シンプルなストーリーな中に、もうこれでもかっていうくらい複雑な想いの詰まった作品。

母の娘を失った悲しみや怒り、どこにぶつけていいのかわからない気持ちの全部が、これでもかというほどに描かれていて、これはもう子を持つ母親なんかは、感情移入してしまって仕方ないのではないでしょうか。

重い題材ではありますが、考えさせられるというよりは、こういう立場に誰もがなりうる、そしてそのときはきっとこの主人公のように、後悔や怒り、苦しみ、そんな感情が溢れかえっていくんだろう、と想像させられる映画でした。
すごい映画だった。

警部を中心に物語が展開されていく。
2人の心が看板、警部をきっかけに変化していく。

どちら側もぶっ飛んでいるようでどちら側の感情も理解できてしまう。
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