村田朋泰特集ー夢の記憶装置の作品情報・感想・評価

村田朋泰特集ー夢の記憶装置2017年製作の映画)

上映日:2018年03月17日

製作国:

上映時間:80分

3.7

あらすじ

「村田朋泰特集ー夢の記憶装置」に投稿された感想・評価

三畳

三畳の感想・評価

3.9
クリエイティブ欲が刺激される素晴らしい短編集!
ミスチルのHEROのMVで有名な人形アニメ。
初っ端から昭和の家セットのリアルさに感動する。
ガラス球の瞳が優しく見えるのは仕草や間のコントロールなんだと思う。冷たくなった子犬に触れるシーンのショックはありありと伝わってきた。

でも息遣いを感じるシーンと感じないシーンがある。
より精巧さをって話じゃなくて。アニメだからこそ、生身の人間以上に人間らしさを表せることってあると思うので。

例えば人間は直立不動でも完全静止ってことはありえなくて、そういうのは平面のデジタルアニメよりもストップモーションの方が得意としてるはずなんだけど。
人形が何秒も完全静止してしまうと、同じような材質で作られた背景と同化してモノになってしまうよ。

この人の場合、むしろ人形よりもジオラマの作り込みの方に息遣いを感じた!

満たされた点は、こういうせっかくの手作り人形にはオリジナリティあるキャラを求めてるから、森のレシオや、木ノ花ノ咲クヤ森、松が枝を結びに登場するトトロ的な何かの造形が素敵だった。シールがあったらスマホに貼りたい。

話についてはそれまでもちょいちょい状況がわからなかったけど、なかでも火山は多分ただのミニチュアビデオで最もいらない時間だった。
でもそのあとに、ネグレクトされたサツキとメイみたいな女の子達が出てくる話にも繋がってたんだね。

「家族デッキ」ジオラマが凄すぎる。家が生きているかのよう。小さいはずだから、家具の足や、布の縫い目の盛り上がりなど、角がほんのり丸くなって世界が全体的に可愛くなる。加工というかデジ絵アニメもけっこう重ねてたけど、そういうところこそストップモーションで表してほしかったな。

「路シリーズ」ピアノの音と鍵盤をちゃんと合わせていた細かさに感心した。魚が宙を泳いでいたりファンタジーな夢をさまよって、思い出と出会う。ライティングで心情ってこんなに表現できるんだな。白樺の林あんなに奥広くぜんぶ作ったのかな、すごいな。でもただの写真を写して画面どこも動かない数秒みたいな時間はやめて欲しかった。画質もかなり低くてピクセルがたがたしてた?

「森のレシオ」可愛いー!ふわふわのぬいぐるみくんはジャモンというキャラらしい。Eテレで観れるなんてこれからチェック。どんぐりをカゴに入れて風船で飛ばすと、鳥かごに乗ってエレベーターみたいに木の上へ上がれる。そこでオウムと、鍵を交換こする。平和でドリーミーな児童向けアニメが永遠に好き。

「生と死にまつわる記憶の旅シリーズ」このタイトルがなかったらちょっと掴みにくい。けど、木ノ花ノ咲クヤ森の、ラフレシアから三角のガラス立体がでてきて過去の映像を映し出すというアイデアはめちゃくちゃ良かった。
eigajikou

eigajikouの感想・評価

4.7
どの作品も素晴らしく中でも一番気に入ったのは高嶺剛監督『変魚路』とシンクロして心がどこかに行ってしまった『朱の路』。映画の前に行ったルオー展と“緻密”“祈り”に共通する芸術性感じ相性良かった。
sci

sciの感想・評価

-
コマ撮りアニメといえばほのぼのした話や可愛らしいものしか観たことがなくて、これはかなり衝撃。人形アニメで人生の前を通り過ぎていく事象へのせつなさや地球誕生の様子、現実の生活の厳しさを感じ取ることになるとは思わず。きっと村田朋泰監督は子供のまま大きくなったに違いないくらい自分が求める世界を追求している。途中で筋を追うのは止めて、ひたすら感じて観ることの快感!

上映順に
「家族デッキ」シリーズ「第1話」「第2話」
昭和の匂いのする作品。家の中の陰影が印象的。ひっそり暮らす座敷わらし的な七福神とか猫が愛おしい。

「路」シリーズのうち2作「朱の路」「白の路」
失くしてしまった愛するものへの祈りと憧れ。「銀河鉄道の夜」的な巡礼。初期の作品ということで造形が少し雑な感じがするも「白の路」のラストで涙腺崩壊。

「森のレシオ」シリーズのうち「こうかんトリ」
ラブリーで可愛くてちょっとシュール。ひたすら角をかじられてしまうジャモン~!(笑)

「生と死にまつわる記憶の旅」シリーズ
「木ノ花ノ咲クヤ森」「天地」「松が枝を結び」
東日本大震災を描いた地球と人の壮大な物語。「木ノ花ノ咲クヤ森」の造作の美しさに目が奪われた。「松が枝を結び」は夢と絶望が交じり合った脳天がねじれる作品。
まず第一に、どうせならこの特集で上映された作品全部個別に項目作りなさいよと言いたい。

そしてここでは現時点における最新作である「松が枝を結び」についてとりあえず記そうと思うけど、幼女を中心とした幻想的な世界観が実に日本らしく独特で、この世界観だけでも十分良い。

終盤で日本が味わったあの悲劇に関する描写があったのも結構衝撃的で、模型を使ったストップモーションとはいえその表現には戦慄させられた。

人形アニメの名手といえばイジー・トルンカや川本喜八郎等がいるけど、彼らとまた違った世界観を確立する村田朋泰さん作品もまた素晴らしいものがあるし、彼ももっと世界的に認知されてもいい存在だと改めて感じた。
nccco

ncccoの感想・評価

3.3
どんな人でも心の奥深くにしまってある、「あの」記憶。
時に痛く、けれど心の奥深くを暖めてくれるようなやわらかさ。素のままの自分を、しっとりと浸してくれるような安心感。
この映像を見ているだけでそんな気持ちが自分の中から掬い出されて溢れていく。「還ってきた」と思える。
一見つたないような人形アニメーションにそんな息吹を吹き込める監督は、きっと究極に不器用で、純粋な人なのでしょう。

「朱の路」の素晴らしさは言わずもがな、「天地」や「木ノ花ノ咲クヤ森」の静かな力強さに打たれた。

それにしても、これ見たときまさかのイメフォの地下のシアターで観てるのわたし一人だった、、^^; ちょっと怖かったよ!
森のレシオはすごく良い。可愛いし面白い。

言葉によって説明されない映像はイメージへの埋没を加速させ観客の心理は限りなく作品に接近するが、それはパペットアニメーションというシニフィアンが小さな人形や道具にカメラが限りなく近づきマクロ撮影することと対になっている。

映像言語という言葉を毛嫌いしていたけど、村田監督の作品は映像言語という言葉がぴたりと当てはまるだろう。

木ノ花ノ咲クヤ森と天地、松が枝を結びは5部作らしく、残り2作の完成が待たれますね。
誰にも見つからないように、いつもポケットに忍ばせて守りたくなるような、震える小さな生き物みたいな短編集だった。生まれた時から埋め込まれてる「好き」が身体の中で蠢くのを感じた。

『家族デッキ』
心地良い意味不明inファンシー。80年代ポップカルチャーな雰囲気と音楽が楽しい。ベッドからこぼれ落ちるぬいぐるみと透ける猫が好き。

『朱の路』
パペットアニメの純文学。畳に置かれたピアノに愛しか感じない。雨が地面を打ちやがて光が差し込む。鍵盤と布団を撫でる指の描写が繊細で見惚れた。

『白の路』
白樺と雪景色。真っ白な喪失感。マフラーの端っこまで気持ちが見える。コートを掴む手、犬を撫でる手、雪山の上から振られる手に心の中が静まりかえった。

『森のレシオ』
ひたすら好み。永遠に見ていられる。こんなミラクル可愛いアニメがNHKで放送されてたなんて!鳥籠エレベータと卵の中の鍵、角をかじられ続けるジャモン最高。

『木ノ花ノ咲クヤ森』
超センスの良いカルト教団のPVみたい。見落とさないように画面を隅々まで見た。毛皮の地面、氷漬けの花、黒いモヤモヤのぐるぐる。不穏で歪で温かい村田教に入信完了。

『天地』
現代アート展でエンドレスに流れてるやつ。観念的以上の言葉は浮かばない。

『松が枝を結び』
絶句。目を背けたくなる怖さ。赤い林檎、石の顔、双子の少女、重なった写真、花冠とスノードーム。3月が来るたびにきっと何度も思い出す。
正直、ほっこりするだけの人形劇かなと思っていた。
が、予想を上回るレンジの広さ。とても良かった。
詳しくは言わないけど。おわり
afuyu2018

afuyu2018の感想・評価

5.0
シネ・リーブル梅田
4/21土 16:45〜

夢の記憶装置の舞台挨拶は、村田朋泰監督と文楽の桐竹勘十郎さん(『一日に一字学べば』という本を書かれている方)のトークショーという形で行われ、その後にサイン会もありました。

監督はアナログーな温かみがある、めちゃいい人そうで、映画を観て、トークショーを聴いて、にわかファンとなりました。

現在、フィルマークス上では観た人が9人しかいない作品ですが、魅了されるモノをゼロから作ってしまう人って、本当にすごい。

私はシネ・リーブル梅田の近日上映作品の紹介で興味を持ち、予告編を観て、フィルマークスのレビューを読んで《観に行きたい♪》と思いました。

映画の興行が成功して、もっともっと沢山の方が監督のお名前を知るといいなあ、と思います。

*追記*
関西では、京都&兵庫での上映も決定しているようです。
moirai

moiraiの感想・評価

4.0
NHKプチプチアニメで放送していた「森のレシオ」で監督の名前を知りました。

ちょっと昔の床屋さんや一般家庭が舞台の「家族デッキ」など、ちらっと映る背景や小物も作り込まれていて、見ててたのしい。

人物はデフォルメされているのに、どうしてモーションがこんなに人間くさいのか不思議。

全編セリフはないので、音楽も印象に残りました。

レシオは今後も続いてほしい。
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