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マルセイユ
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『マルセイユ』に投稿された感想・評価

[マルセイユで狐につままれて] 80点

いつも通り揮発性の高いシャーネレク作品。若い写真家ソフィーは、ドイツにある自分のアパートをマルセイユの女学生と交換し、10日間の休暇をそこで過ごすことにした。知り合いは誰もいないので、一人黙々と写真を撮り、バスに揺られ、その日の成果を壁に貼って寝るという生活を続けていたが、偶然車を貸してもらった縁で整備屋のピエールに出会い、マルセイユでの生活は忘れがたいものへと変化していく。という話かと思ったらいつの間にかベルリンに帰ってしまい、ソフィーの友人ハンナが登場したり、ハンナの出演する舞台劇の練習が挿入されたり、ハンナとソフィーが喧嘩を始めたりと掴みどころのない話が展開される。断片的なエピソードから人間を多面的に捕捉していくのは最新作『I Was at Home, But...』にも通ずる部分があり、掴みどころのなさはその他ベルリン・スクール出身者(主にクリスティアン・ペッツォルトとウルリヒ・ケーラー)の作品にも通ずる部分がある。掴みどころがなさすぎて、三回目の鑑賞なのに毎回新鮮な気持ちで全編観られるのはシャーネレクファンとしてありがたい。

バーの場面でめちゃくちゃ被写体深度浅いのが気になった。周りがボヤケて気になるくらいなのは初めて。マルセイユの女学生が貸すアパートが完全に人の気配の全くしないもので、彼女はソフィーのアパートにも来ていないという最強ホラー要素が5秒で回収されるのが一番怖い。
sonozy

sonozyの感想・評価

3.9
2004年 仏/独 アンゲラ・シャーネレク脚本/監督
ドイツ映画批評家賞脚本賞
"シャーネレクの出世作であり、ミニマルで研ぎ澄まされた彼女独自の映画美学を決定づけた作品"とのこと。

「部屋交換しませんか」広告を見て、休暇中ベルリンからマルセイユの女性の家にやってきた写真家のソフィー。
街をぶらぶらしたり、自動車修理工のピエールと出会ったりするが、特に何かが起こるわけでもない。
(何かが起こったような気もするが明示されない)

ベルリンに戻ったソフィー。
ソフィーの友人のちょい役女優のハンナ、息子アントン、そして彼氏らしい写真家のイワン。
ここでも、彼らの関係や仕事の状況など断片的に見えるものの、実際にどうなっているのかいまひとつ分からない。

そして、ソフィーは再びマルセイユに戻るが、何やら事件に巻き込まれたようで取り調べを受け、涙する。
(これも具体的に何が起こったのか分からない)
このビジュアルの、黄色い爽やかなワンピースを着て。

そして、マルセイユの美しいビーチの夕暮れの長回しで映画は終わる。

この"焦点レス(とらえどころがない)"、"起承転結レス(脚本として成立してるのか..)"な感じ。笑;
でも、意味分からん!と苛立たせるわけでも、見る側の想像力に委ねられてる感じでもない。。笑;
この摩訶不思議な読後感が、この監督の魅力なんでしょうか。

※輸入DVDのため英語字幕ですが今回はセリフ少なめで助かりました。
アンゲラ・シャーネレクの映像の<神経衰弱>。シャッフルされる時系列を繋ぎ合わすのに頭を使った。ベルリンからマルセイユへ来た写真家のゾフィーがカメラを通して何を見ようとしていたのかが気になり、突然変わる時系列に驚かされながら、記録映画みたいな映像に惹き付けられた。

物語るのを拒んだつくりなのは、主役のゾフィーが他者に知られたくない物語を生きているからに思える。

カメラの被写界深度が浅く、ゾフィー以外の背景がボヤける。または広角で街の騒音と共に、街の中に溶け込んでいくゾフィー。

ゾフィーの撮った写真はあまりアップで映らなかったが、道路や工場、建築物等、無機質なものや構造物が多く、不思議に思った。ふだん人物を撮る写真家のアシスタントだからかもしれない。

「家にはいたけれど」同様に舞台女優であったシャーネレクらしく、チェーホフの「かもめ」の舞台が差し込まれ、描かれていないゾフィーの背景が想像される。

ゾフィーは、なんとなくだけれど、師の妻ハンナを愛しているようにみえた。しかしハンナは…。複雑な人間関係から離れ、ゾフィーは移民の街、マルセイユに一時休暇にやって来たのだろう。

マルセイユはとても都会で、アルジェリア等のイスラム文化の香りがした。

遠浅で穏やかな波のビーチ。人の群れの中に消えていくゾフィー。移民であることの気軽さ。


シャーネレクの独特の映像表現に、あまり数多くは観ていないけれどヴァルダの雰囲気が感じられた。背景は街そのもので、おそらく登場人物は地元の人。時系列シャッフルがなければ、ストーリーはシンプルだ。でも、言葉にできない無口なゾフィーが身近な人物に見えてきて、心配したくなるリアリティーがある。不思議な作風。他作品をもっと観てみたい。

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