ジョーカーの作品情報・感想・評価(ネタバレなし)

「ジョーカー」に投稿された感想・評価

Nene

Neneの感想・評価

5.0
試写にて鑑賞。

とてもよかったです。
ジョーカーというキャラクターが大好きで、バットマンと対峙するような、自分自身の強い哲学の元に存在する悪役はどんな風に生まれたのか。

世間から、自分の内側から徐々に蝕まれて壊されて行った過程を描くお話。

彼の見る現実と、妄想とが入り乱れている上に、自分でどちらがどちらなのかわからなくなっているあの感じが、観客側の私達にも伝播してきた。
ぞわぞわするし、追体験してる感じ。

アーサーとしてのホアキンフェニックスとジョーカーとしてのホアキンフェニックス、立ち振る舞いの違いに唖然としたし、アパートの廊下を颯爽と歩くあのシルエットはダークナイトのヒースレジャーを彷彿とさせてくる…息を飲んだ…

銃を手にした時、初めて打つ瞬間鳥肌が立った…

ダークナイトのジョーカーが好きすぎたので、製作が決定したニュースを見たときは無理だろ…伝説がもうすでにあるんだぞ…とおもったけどその認識が間違っていた…

ホアキンフェニックスの演技力に脱帽したし、のめり込みすぎて彼自身が狂乱してしまうのではと心配になるくらいだった。

ゴッサムの描き方がとても好きで、あの退廃している感じが凄いなと思いました。

弱者が行動し、革命を起こすあの姿は現代社会への強いメッセージを感じた。
持てる者と持たざる者の住み分けが果たして正しいのか。

音楽も所々混ざるダンスも凄くその場その場のシーンにマッチしていてたまらなかった。

トッドさんハングオーバーからの振れ幅が凄いよ…
ブラッドリークーパーが制作側にいるのも面白いですね。

もっかい劇場で観たい
SSS

SSSの感想・評価

4.5
2019年の問題作。

王道エンタメ一本道を突き進むMARVELに対してDCとトッド・フィリップス監督が導き出した答えは隠し球に近い邪道なニューシネマ終焉期のような作品であった。
本作はマーティン・スコセッシ監督の『タクシー・ドライバー』、『キング・オブ・コメディ』のような社会から弾き出された主人公の物語をオマージュしており、現代社会の在り方を問う問題作とも言える。

まず前提として本作はコミックやアニメーション、実写含めて犯罪界のカリスマとして持て囃され愛される『ジョーカー』とは全くテイストの異なる"負け犬"アーサーの物語である。
『ジョーカー』のようなカリスマもなければ頭脳もない、信徒もいない代わりに介護を必要とする母親がおり、片思いの相手(勿論バットマンではない)がいる冴えない負け犬中年であるアーサーが如何に『ジョーカー』に変貌するかを体験する作品だ。

本作を臨む観客はアーサーがサイコな犯罪王『ジョーカー』になることを理解した状態で鑑賞する為、気が気でない状況に陥るであろう。さながらもうすぐ爆発することが目に見えている爆弾の前で映画を観ているような居心地の悪さを覚えながら鑑賞を強いられる作品である。

アーサーは心優しく皆を笑わせようと努力はしているが脳に障害があるが故に突然笑いだし、周囲を気味悪がせてしまう"障害者"として描かれる。
ただし彼の"障害"は分かりやすく周囲の理解を得られるものではない。(現に作中で警察からピエロが故の持ちネタかと尋ねられる)

つまり彼の突発性爆笑症候群(架空の病名)は社会において障害者として認識されない障害なのである。作中で弱者の救済を訴える"リベラル"トーマス・ウェインすらも(仕方ないとはいえ)アーサーの障害を理解せず彼に暴行を加えてしまう。

本作は"リベラル"からも切り捨てられた存在(現実における"インセル"や"キモくて金のないおっさん")である何者でもない、弱者としての認識すらされない弱者を掬い上げ、ある種存在を肯定する作品である。それが道義的に善悪関係なくそれらは主観に基づくものであり他者から定められるものではないと声高々に掲げているのである。

ハリウッド含め現代社会における富裕層への強烈な皮肉を持った本作はアイコンとして輝き続けるであろう。
アーサーの母がトーマス・ウェインに手紙を送り続けるが無視される描写は救済を求めるが富裕層からは無視される社会的弱者の姿を表している。
アーサーが長い階段を必死に登る姿は社会の底辺にいる彼がなんとか上へと這い上がろうとしている様子そのままである。ジョーカーへと変わり果てた際には楽しそうに階段を降っている姿とは対照的だ。失う物が何もない人間は社会にわざわざ食らいついてまで生きる必要はないのであろう。

おそらく本作は1999年における『ファイト・クラブ』や『MATRIX』と同じように2019年という時代を反映したカルト映画として後世に名を残す作品となるであろう。
本作に触発されたインセルが劇場型犯罪を起こす世の中になっても不思議ではない。

本作を公開することでありは"リベラル"なハリウッドにとってはマイナスになるのではないかと他人事ながら心配してしまうが本作が公開されること自体が真の意味での多様性を表しているともいえる。
本作において皆が平等などという心地の良い嘘はなく、あるのは暴力的冷徹的な社会への恨み節である。ワーナーとDCにとって『ジョーカー』というドル箱確実であろう作品で敢えてこのようなテーマで挑戦したことに拍手を送りたい。語るべき欠点の少ない良作か、それとも話題に上り論争のネタとなる問題作、後世に語り継がれるのはどちらのタイプの作品なのか我々現代に生きる映画ファンは20年後に答え合わせができるこの時代で本作を劇場鑑賞できることを幸せに感じるべきである。







オマケ(微妙にネタバレ)

旧ワーナーロゴが示すように本作は終始一貫して70's後半の映画テイストを貫いており、良い意味で現代的なトーンがなく逆に新鮮に感じる作品だ。
ただ一つだけ不満な点があるとすれば中盤におけるヒロインが◯◯であったシーンを回想を使って説明していた点。ここが非常にイマドキのビッグバジェット作品みを感じた。
ライト層を突き放すかもしれないがあのシーンはヒロインの言動のみで意味が理解できるのだから不要だったように思う。
minori

minoriの感想・評価

3.5
正直、あんまり響かなかった…。
いや単純に良い映画だなとは思うし、沢山の人が絶賛しているのも十分理解出来るのですが…なんかそこまで持ち上げるほど、か……?と思ってしまった。

全体的には、よくあるインディペンデント系の作品を観ているような感覚で、脚本自体も割りとミステリー物とかでよくある設定や流れだった。(それゆえ大体の展開が読めてしまったので、これもあまり響かなかった要因の一つかも)

他のインディペンデント系作品と大きく異なる点を挙げるとしたら、この映画の主人公が「ジョーカー」であるということ。

これが「ジョーカー」というキャラクターを題材にしている作品ではなく、普通の映画の主人公の物語だったら、多分ヴェネツィア国際映画祭で金獅子賞を獲っていなかったと思う。

ただ、この映画は「ジョーカー」というキャラクターだからこそ成立する作品なんだけど、それでいて「ジョーカー」を描いている作品ではない。

うーん、ネタバレせずに書くのは難しい…ネタバレしても難しいかも…(苦笑)
まあ個人的に捻くれてる性格なので、斜めから捉えすぎてるのかもしれませんが。

ジョーカー版『マン・オブ・スティール』だと思えば、なんとなく納得できる気がする

ホアキンの演技は凄かった。
そこに助けられてる部分が大きい。


取り敢えず今はMoSとBvSとJLが観たい(笑)
#ジョーカー 鑑賞
ホアキンの演技力が
素晴らしすぎて
恐ろしく身震いするほどの
ジョーカーを堪能出来た…

ジョーカー誕生の物語を
描いた本作は
今の格差社会にこそ
訴え製作されるべき作品なんだと
痛感してしまう。

音楽も色彩も素晴らしくて
本当にオススメです!

@FansVoiceJP 試写会にて
試写会にて🎦
一人のコメディアン志望の男が世間に、社会に、人生に見捨てられ、如何にして狂喜"ジョーカー"に至ったか。そしてゴッサムシティのシンボル"ジョーカー"になり得たかを描いた傑作‼️
ここまで悪役を鮮明に正直に描いた映画があっただろうか、、🃏
非常に面白い作品ではありますが、基本的に陰鬱な展開なので非常にカロリーを使いました、、

恐らくほぼ122分全てのシーンでホアキン・フェニックスが出ています!
ずっとホアキン!
監督がジョーカー役をホアキンしか考えていなかったと答えていましたが、正にその通りでホアキンは期待を裏切らない素晴らしい演技でした😭
あ、ロバート・デ・ニーロもとても良かったですよ!

ちゃんと"バットマン"のジョーカーで良かった🦇
試写会で一足お先に鑑賞。

人生とは"悲劇と喜劇"。

人はこの2つの間で生きているのかもしれないと、この作品を鑑賞し思った。

主人公のアーサーは、
貧困、誰からも必要とされていないように感じる孤独。辛く寂しかっただろう。

そんな中追い討ちをかけるかのように、様々な出来事が彼を待っている。

心優しい彼を変えてしまったのは、
彼自身で決めたことだけど、
周りが彼を変えた事には変わりない。

こんな腐った世の中に嫌になるのは、
誰もが見ていて感じるであろう。

狂ったように笑うアーサーの声…
ずーっと頭の中に残り離れない。

だんだんと変わっていくアーサーの姿に、
私は惹かれていました。

ホアキン・フェニックス
素晴らしかったです。
彼の演技に拍手。

狂気に満ちたこの作品は、
ある意味中毒性があり、
衝撃的で危険。

あなたは、
この作品を観る覚悟出来てますか??
じぇれ

じぇれの感想・評価

4.8
【スコセッシへの“狂”烈なラブレター】

ピエロの営業で日銭を稼ぐアーサー。しかし、冷たい世間の風に触れ、彼の人生は歪んでゆく……

敢えてロバート・デ・ニーロを配した本作は、ホアキン・フェニックスと組んでスコセッシ魂を継承していくというトッド・フィリップスの勝負作。
その心意気は素晴らしく、70年代ハリウッド作品が内包する空気感を見事に現代に蘇らせました。
「『ハングオーバー』の」という枕詞は、今後は使われないことでしょう。

また、起用に応えたホアキン渾身の演技は、アカデミー主演男優賞当確と断言したくなるほどの出来。
まさしく映画への殉教!
彼の笑い声は、一生私の心から離れないでしょう。

プロットはと言えば、主人公の心理に焦点を当てたという意味では正統派。
それでいてハッとさせる箇所もあり、一筋縄ではいかない展開に、スクリーンに釘付けになること間違いなし!

先程70年代の空気感について触れましたが、今作られるべき映画でもあるんですよ。
本作が訴えかけてくるテーマは、多くの日本人の心にもグサリと刺さるはずです。

でも…かなり賛否が割れるでしょうね。
攻めに攻めたプロットなので、中には毛嫌いする方もいるはず。
私は手放しで絶賛しますけど!

というわけで、アメコミ映画どころか映画の枠組みをもぶっ壊す『ジョーカー』は、今世紀最狂の衝撃作にして問題作。

心して観よ!
花梛

花梛の感想・評価

4.3
見終えた味わいとして、全くアメコミ映画を見たという感じがしなかった。強烈すぎて……。
原作ありきの映像作品て、まず一番が「原作通りかどうか」が気になって、キャラクターの見た目や言動をチェックして「違和感がないかどうか」という部分にだいぶリソースを割いてしまうものだけど、そういった所にない。この作品は。
いや、もちろん舞台はゴッサム・シティだし、トーマス・ウェインもブルース坊ちゃんも出てくるんだけど。
セーフティネットというセーフティネットから零れ落ちそうなアーサーの悲哀、狂喜、絶望、色んな負の感情を浴びているうちに終わってる。そして気が付くとそこにジョーカーがいる……。
DCはユニバース化には失敗してるけど、個々の世界観をこれでもかと作り込んでて、もう、好き。
悪が彼を創り出したわけではなく、愛と哀しみ、世の空気感や偽りの人々が彼の狂気を呼び覚ましたのだと感じた。
そして混沌とした現代への強烈なメッセージは心底切なく、恐ろしかったし、誰しもが彼になり得ると思えた。
涙が出そうなほど繊細で、たまらなく愛おしさを感じさせるジョーカー史上最高の「ジョーカー」だった。
moon

moonの感想・評価

4.5
心優しかった青年が覚醒し、誰もが知る悪役ジョーカーに変貌するまでの様を描く…

尋常じゃない重厚感、ダイナミックな音楽、ガリガリに痩せ細ったホアキンフェニックスが見せる怪演、観客の心を締め付ける憎悪の連鎖にひたすら圧倒される2時間。アメコミ系に疎い私でもこれはかなり楽しめました

表面では笑うことしかできないジョーカーも、傷つき、愛に飢え、己の存在を問いながらもみるみるうちに悪の道に堕ちていく…クソみたいな現代、自分がジョーカーになる前に是非見てほしい。
悪を生み出しているのは一体誰?