【第70回カンヌ映画祭 監督週間作品賞】
『ノマドランド』クロエ・ジャオ監督が一躍注目を集めた作品。カンヌ映画祭監督週間に出品され作品賞を受賞、インディペンデント・スピリット賞でも作品賞にノミネートされた。
あんまりピンとこなかった。クロエ・ジャオの映像美とドキュメンタリーのようなナチュラルな演出は素晴らしいが、物語的に弱くあまり入り込めず。
古き良きカウボーイの男を主人公に彼の揺れ動く心を描いている。怪我を負ってもロデオをやり続けたい、自分にはこれしかないのだから。そういった切実な思いはすごく伝わってくる。
ただ、ひたすらに彼に密着し、とりとめのない描写が続くだけなので退屈してしまった。小さな起伏をたくさんつけているのは分かるし、決してつまらないという訳ではないがちょっと小さすぎるかなという印象。
ただ、この時点でジャオの作風がはっきりと固まっているというのはスゴい。ドキュメンタリーとの境を曖昧にする美しい人間ドラマを作りあげている。
演出も撮影も完成されていてクオリティは高いが、今の自分にはそんなに刺さるところのない映画だった。