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死霊魂
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目次

『死霊魂』に投稿された感想・評価

【一言で言うと】
「飢餓の慟哭」

[あらすじ]
1950年代後半の中国。中国共産党に反動的な右派と名指しされた55万人が、強制的に収容所に送られた。大飢饉の発生で餓死者が続出し、生還率は10パーセントだったといわれている。それから半世紀、過酷な収容所生活の生存者たちがカメラの前に立った...。

記念すべき700本目のレビューは、兄やん史上最長作品である今作を...

495分。
時間に直すと8時間15分。

とても気が遠くなるような時間でしたが、観終わった後は今までに感じた事がないような達成感に包まれました!!

でもね...メチャクチャしんどいっス😅
「自分は若いからノリでいけるやろこんなもん(☝ ՞ਊ ՞)☝ウェーイ」
ってな感じ半ば冷やかし半分で挑んだのですが...いやはや8時間の壁をナメてかかってたような気がします_:(´ཀ`」 ∠):

ただ、最初から最後まで一睡もせずに完走した事だけは自分で自分を褒めたいです(^◇^;)
(まぁ半分はフリスクのおかげなんですけどね😏...)

とまぁこんな話は置いといて...

とにかく強制収容所内での出来事の壮絶たるや😥
拷問や虐殺は無いにしても、飢えによる人間の極限状態、地獄のような収容所生活などが生存者によって炙り出される。
特に羊の胎盤を食べた話と、家族会議で誰を殺して食べるかを決める話は思わずゾッとしました😰...。

それに食べ物に関する話も衝撃的で、やはりその中でもダントツにヤバいのがヒトの死肉を食べた時の話。
やれ内臓を引き摺り出して焼いて食べたやら、肉を削ぎ落として食べたやらもう...絶句の連続でした(・・;)

にしてもこの収容所内での話よりももっと残酷なのが、なぜ“右派”にされたかの話なんですよね😩
元々は中国共産党が主導した“百家争鳴”
といういわば、
「みんなの自由な意見を尊重するよ!(^_^)」
というキャンペーンなんですけど、いざ自由な意見を言ってみれば“右派”と呼ばれて散々批判に晒された挙句、収容所に送られたという...もうメチャクチャですよね(^◇^;)

ただ、何気なく口にしただけなのに。
ただ、意見を述べただけなのに。

それだけの理由で、政治批判をしたと断罪され、収容所に送られてしまう。
しかも、あの収容所内で生き残ったのがたったの10%も満たないというのが尚更恐ろしい😔

あのカメラに向かってインタビューをしてくれた証言者も、生き延びた10%のうちの一人ですからね...なので、今現在生きてはいなかろうが、こうやってドキュメンタリーとして、生の肉声を聞けただけでも十分貴重な体験をできた気分を味わいました。

とにかく8時間という長時間ながらも、その長さを感じさせない“力”、それに“史実”を、脳裏に焼き付けるような極上の作品でした!!

とりあえず今作を日本で上映してくださった事を感謝いたします🙇‍♂️
中国人も知りえないであろう、“中国史の闇”。
しっかと、目に焼き付けてきました。

たとえ、生身の証人がこの世から居なくなろうとも、

その者達の“魂”は、あの場所に宿り続けるだろう。

あの日、あの時、あの場所で、

何があったかを示すためにーーー。
なつ
-
ワン・ビン監督、中国の闇を8時間25分で紡ぐ不条理ドキュメンタリー。
作品最後に出てくる監督から彼等に対する悼む言葉、あぁそうだな、その為に495分観てきたんだと合掌した。

再教育収容所と言う名の、“飢餓収容所”から生還した人々の証言、慟哭、遺された家族の痛み…
これを観て聞いた私達は、目撃者、証人になったんだと思う。
無かったことには出来ないんだよ、中国さんよ、事実なんだから。

下記、フライヤーより。
1950年代後半、中国共産党が主導した百家争鳴キャンペーン(自由な発言歓迎!)にのせられ、自由にモノを言ったら、“右派”と呼ばれ、55万人が収容所に送られた。
そこに大飢饉(毛沢東の大飢饉)が重なる。人間の尊厳すらない収容所、凄惨極まりない飢餓によって収容所は地獄と化した。生還率10%、生き延びた人々の証言。

これは長すぎるけど、収容所での様子を知りたいという方は、監督の“無言歌”を観て下さい。(要覚悟)

あまたある死に方で、餓死が最も苦しく悲惨なのではないか…
簡単には死ねないし、こんな所で死んでたまるかて苦しみも深そう。
死が日常にあり、何にも感じなかったって。飢えて、飢えて、飢えて、食べ物のことしか頭に無かったって、どんなに苦しかったことだろう。
生死をわけた境界線は紙一重。

第3部の、3番目に証言した爺さんに涙した。
なんにも悪いことしてないのに…。
国に恨み辛み言わず、こんな過酷なことも“運命”だって。
国からの施しは一切受けず、働いて全て自分で買ったって、ピアノをピカピカに磨き、中国を代表する酒を飲む。
なんの慰めにもならないけど、爺さんの話し相手になりたいと思った。

ワン・ビン監督は、傾聴力がとても優れた方だろう。彼等に寄り添う、その姿勢は見事だった。
【毛沢東と彼の意志を継ぐ独裁に警鐘を鳴らす】
この映画をどう評価していいか分からない。
ドキュメンタリー映画は普段過ごしている生活では見えない世界を見せて、違う世界を知る要素が強いものと思っています。
この映画は普段のドキュメンタリー映画とは違ったストーリーの見せ方をしていて、そこに大きな意味があった。

この映画を面白い・興味深い、と評することが出来ない。
そんな作品が伝えたい回答は現代の中国の力は過去も現在も変わらない姿勢であること、そして未来でも起こりうる警告かもしれない。
物質的になった人骨たち・フィルム上で生き残った人々の証言が魂として警鐘を鳴らす一作だった。

【あらすじ】
反右派闘争で収容所に収監された人々の証言を集めたドキュメンタリー映画。
約22人の証言が集められ、百家争鳴に乗せられた反右派闘争の実情・3箇所の収容所での地獄のような生活・最前線のしがらみを描いた超大作。

1部で反右派闘争で右派と判定された人々の証言、2部で収容所生活の凄惨さを伝える証言、3部で反右派闘争による失墜・最前線での生と死の間を伝える証言という証言のストーリーで構成する特徴を持つ。


【見どころ】
一言でまとめるならば一貫して「死」を描いた歴史の循環を問う作品に感じました。
過去作「無言歌」の貧困描写と土地改革・大躍進政策(大製鉄・製鋼運動、四害駆除運動、密植・深耕運動)など中国共産党の暴力で国民を抑える性質を知っているかどうかで評価が変わる作品だと思います。
そのくらい本作単体で鑑賞しただけだとイメージが付きにくいというか、無言歌を見ると証言から見える惨さを知れます。(実際、生存者の証言から無言歌の着想を得ている部分もあります)

本作は基本的に証言を流し続けている構成ですが、無造作に見えて伝える主題がストーリーのように進行するところが映画として特徴的です。
そして言うまでもなく本作は証言のみとは言え極限の状況下で人間は人間未満になってしまう「惨さ」が凄まじいです。
見せしめ・ノルマとして人間関係の冤罪までも絡ませるところに恐ろしさも存在するし、カニバリズムを超越した「人間の獣化」も証言のみで伝えるところが他の映画にない恐ろしさだと感じました。


そんな「恐怖・惨さ」が強い本作ですが、2部にて収容所の「死」で救われたと証言する人もいて「死」を多角的に捉える作家性も特徴的でした。
「死」で真面目な人を狂わせる、生きるために殺す、生きるために生き延びる立ち回りをするなど…反右派闘争で亡くなった人々の魂が伝播してドラマになり得るところが印象に残りましたね。
他にも映画の最終シーンは明水収容所の跡地で墓も無く、人骨が散らばった姿を長回しで撮る印象的なシーンで〆になります。
生存者の証言で真実に到達したこと、そこで見えた沈黙する死者に敬意を払う姿は涙が出そうになりました。

監督インタビューでは反右派闘争を詳細にドキュメントし正確に歴史を刻むことを第一に考えた作品です。長い時間をかけて伝え方までも徹底して一本の映画に昇華させたところに凄みを持った作品と言えます。


【あとがき】
数多くの映画を見てきて採点するのが難しい作品に出会ったのは初めてです。将来的にスコアを付けるかどうか?も分かりません…
最後に本作を見て懐疑的に思うことを述べて締めたいと思います。

反右派闘争前後の歴史を追跡すると一人の独裁者のパフォーマンス・暴力性が浮き彫りになります。
ワン・ビン監督はインタビューで今日の中国について照らし合わせていないと公言している。しかし一観客として本作を鑑賞すると権力者の思想は繰り返ししているのでは?と感じる。
つまり、この映画はこの時代だからこうなったとは言えないところに恐怖も存在すると言えます。

三峡ダムの製作背景、香港の国安法、天安門事件、イナゴ・蛾の食糧危機、ウイグル問題、チベット問題、そして新型コロナウイルス…今の中国も少なからず反右派闘争当時の権力者の思想とその行く末を繰り返していると感じます。
だとすると、本作は無言歌や鳳凰とセットで反右派闘争の歴史を正確に刻む記録である役割と同時に繰り返す歴史への警鐘を鳴らす潜在的な役割を担っていると思われる。

映画終盤で収容所職員が「不適切な考え方や間違った出来事に直面し、自分に変える力がない時はどうする?」とワン・ビン監督に問うシーンがあるが、この時期に上映されること自体私たちにも問われた「気づきを促す」作品として後世に語り継がれるだろう。

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