ロストベイベーロストの作品情報・感想・評価

ロストベイベーロスト2020年製作の映画)

上映日:2020年09月12日

製作国:

上映時間:92分

3.5

あらすじ

「ロストベイベーロスト」に投稿された感想・評価

Aya

Ayaの感想・評価

3.2
#twcn

映画とは本当に一期一会。

前日に見た「アボカドの固さ」アフタートークになぜか今作主演の松尾さん、撮影・編集の米倉さんも登壇され、このアフタートークがまあ映画好きによるトークとしてめちゃくちゃ面白くて!

お恥ずかしい限りですが、それまで今作を存じておりませんで「明日、ちょうど来る予定だったんで、mid90sと行き止まりの世界に生まれてとはしごします!」と見に行った軽い女。
(しかも昼寝してmid90s見れなかった(T_T)映画館で見たいよお!)

正直、アフタートークに参加されていなかったら多分、見てなかったです。ありがとうございます。

※松尾渉平さん&中村瞳太さんの舞台挨拶の模様は下へ

あ、これ舞台が京都なんだ。

ダラダラ何でも屋として日銭を稼ぎながら介護士のガールフレンド凛子ちゃんのヒモをやってる陽平。

ある日、ヒモ陽平がオールから帰ってくると凛子ちゃんが赤ちゃんを抱えながら「持ってきちゃったみたい」とブランケットにくるまった赤ちゃんを見せてくる。

どうやら仕事中にショッピングセンターの駐車場に置き去りにされた?親が離れていたベビーカーに乗った赤ちゃんをそのまま連れてきてしまったよう。

どないすんねん!と至極常識を並べる陽平に対してヒモのくせにうっせーんだよ!と言い放つ凛子ちゃんはそんなこと言いながら自分は仕事にちゃんと行き、暇してる陽平に日中の子守を押し付けるが右も左も上も下もわからない陽平。

GGれカス!と突き放し出かける凛子ちゃん。
おそるおそる段ボールに入れて赤ちゃんと出かける陽平という奇妙な三人の生活をおったもの。

赤ちゃんはブランケットに包まれてるか、一瞬顔を出す動物園(東山んとこ)では人形ww
イーストウッドかよ!とツッコんだ次第ではあります。

この2人具体的にきちんと赤ちゃんの面倒を見てるかっていったら、そこの関わりの深さや育児の難しさ、ってか育児してるところはあんまり描かれないんですね。

てか角いっぱいあるし、赤ちゃんをテーブルの上に置いてる上、すぐ横で暑いお湯をカップに注いだり・・・浅すぎる。
当たり前だよね。
育児の知識も子育ての心算もこの2人には欠けまくりなんだもん。

いい赤ちゃんだね・・・夜泣きもせず、電車でも泣かず・・・。

この2人の住んでる家ってめっちゃ荒れてるんですよ。
狭い寝室に敷いた2つの布団も2つ折にするくらいでどこにも仕舞わない。
シンクには洗い物とゴミがたまったままで、キッチンとかねたダイニングテーブルには所狭しと食事に関係のないものまで出しっぱななし。

でも健康には気を使ってるのかヨーグルトは恵だし牛乳も飲むし(乳製品好きだねw)、朝食も夕食も生の食パンに納豆を乗っけて齧りつく。
あの、BOYSで食パンにシリアルかけて食べてるの思い出したし恋人たちの食パンonあっためてないカレーも思い出した。

なにか&生の食パン描写・・・ある意味流行ってるのか?
それとも本当に美味しいのか?!

気になったのが主人公の陽平くんは自分ちでも外でも開けてあるペットボトルから躊躇せずに飲むのね・・・誰が途中まで飲んでたのかわからないのに・・・。

ただ赤ちゃんがきたことによってこの2人の関係、というよりは凛子ちゃんは凛子ちゃんなりの変化がおき、陽平には陽平の変化が起きてそれぞれが赤ちゃんの面倒を見る、が生活の最優先になる。

陽平は何でも屋さんなので仕事には常に赤ちゃんを持参し、隙間隙間でミルクをあげたり、慣れないときには親しいおばあちゃんに知恵をかりたりかりんとうもらったり。

凛子ちゃんは少しづつ崩れてゆく。
この赤ちゃんを介して陽介との関係が新たに築かれ、3人で動物園(東山のな!「僕は明日、昨日の君とデートする」で福士蒼汰くんと小松菜奈ちゃんがいたのもここな!)に出かけたり、幼い時の夢を語ったり。

2人から3人になったことで擬似家族が一瞬形成されるのですが、刹那的で劇中「子供の頃お母さんになりたかった」と語る凛子ちゃんは赤ちゃんを手に入れて、陽平くんにも「いいお母さんになる」と言われるが実感が湧かない。

凛子ちゃんは赤ちゃんを「持ってきちゃったみたい」だけどそれで、お母さんになれないことを再認識してしまったんだと思う。
だって子供は女の体から出てくるじゃないですか?

それに比べてお父さんになった陽平は男だから子供を体から出すことはできないわけで赤ちゃんを手に入れるという意味では普通の家族と変わらないからそこまで深く考えることはない。

この2人の実感の違いをさらに認識させられたのが「持ってきちゃったみたい」な赤ちゃんの存在。

でも注ぐ愛情が2人に差があったか?
私には同じように赤ちゃんを育てようとしているように見えました。

だからこそ、ラストのあの展開になったのかな、と。

まさに学生映画!インディーズ映画!といった作品で、改めて映画の良さというのはクオリティではないな、と思いました。

あと、やっぱ造形大の映画学科はちゃんと教えてるんだな、とw
鈴木監督出てきたしw
超感じ悪いよ!
あのおっさん絶対本気で言ってたはず・・・クソなめやがって。

この映画を見た出町座さんが入っている升形商店街のよく行く衣料品店&ダイソーも出てきてw
あんなハンサムな店員さんみたことないぞ?!
売り場を見てて時期的に秋か春かな?と思いました。

ちなみに、あの大切な「待ってて」ってときに寝転んでいた道路は、府庁の近くの最近できたアレの前ですか?!


〜松尾渉平さん&中村瞳太さんの舞台挨拶〜

特に外国映画を率先して見ているわけではないのですが「あやさんてあんまり邦画見ないですよね」と言われたことがあって。

意識していなかったのですが、言われてみれば邦画は弱い・・・見たい作品はたくさんあるのですが、ぶっちゃけそこまで手が回らないのが正直なところです。

今作は3年前に作成されたものだそうで、監督の拓殖勇人さんは亡くなられているそうで・・・。

監督不在で舞台挨拶で今作についてお話ししたり、質問に答えたりするの大変だっただろうな。しかも京都造詣大学(出た!)の同窓生。
それを映画公開で説明するの辛かっただろうな。

今作に目をつけたプロデューサーの尾崎健さんにより、一般公開のお話が上がり、その際に撮影の米倉さんが再編集したものだそうです。

京都から始まり、東京、名古屋、大阪など様々な土地で上映し舞台挨拶をする中で様々なご意見をもらい、おふたりも改めて気付いた部分が多く、上映とともに今作はさらに豊かになっていったとのこと。

主演である松尾さんへの質問
「ファンタジックな描写について疑問に思ったり監督と意見交換などがあったのか?」
「台本にもそのまま書いてあるが、そういうものなのだと。現場でその雰囲気に身を委ねようと思っていたが、さすがある場面はシュールであった。しかしそのまま演じた」

そして帰り際にお話しされていた方が京都の他大学の学生さんが見にこられていたのをとても喜んでいらっしゃいました。

今やインディーズを超えて日本映画界一大巨塔の京都造形芸術大学。
これからも楽しみですね!

ちなみに本人にもお伝えしたのですが、主演の松尾さんはめっちゃハンサムです!
前日にお話しさせていただいたときは、大人しい方だな、という印象だったので映画で見た役者・松尾渉平さんは全然違いました。
なんとなく昨日よりハンサムに感じましたw(ナニソレ)

り

りの感想・評価

-
受動的、人に合わせちゃう、でも家族には強く当たる、陽平のダメなところに共感した
恋人同士が動物園に行く映画はいい映画説
20-110-26
アップリンク渋谷

赤ちゃんが完全に記号として扱われていて、そこに物凄くひっかかってしまった(多分意図的な演出で、特にラストシーンでそれは明白なのだけど)。これはもう親目線が入ってしまうおっさんなので仕様がない。
そんなわけで、あんまり没入出来なかったんだけど、最後、主演の4人が舞台挨拶に立って、それがほんとに誠実な感じで、舞台挨拶は概ね興を削ぐって考えだったのが、反転してしまった。
本質には関係ないところで引っかかってしまってすんませんでした。
監督完全投げっぱなし映画。繋がりのない点がぽつぽつと増えていきます。意味の分からない演出も多く、どうやら知り合いの夢の話をまんま映像化したシーンとかあったようです。とにかく撮りたいものを撮った、文句あるか!という印象を受けました。観ている人にどうぞご自由に解釈してくださいという感じでした。自主映画ならではという雰囲気ですね。

食パンに納豆をかけて食べるのは世間的に普通のことなのですか?観た瞬間オイオイオイなにやってんだよ…と思いました。
shihoon

shihoonの感想・評価

-

このレビューはネタバレを含みます

自主映画の良さが詰まってた。
剥き出しに見せる、衝動。
飾ってなくて、嘘がない。
よく分からない部分があっても、なんか観ちゃう。

音が、生きてるなーって感じた。
個人的には、100均のシーンから
終盤が好きだった。
台詞のないシーンがリアル。
村上さんはやたら色っぽくて、ヒロインだなぁ〜って思う。

取り繕わずに、誠実につくる。という事。
技術ではなく、自分の信じるものを貫く。
悩んでた今、観れてよかった映画。

ただ、疲れてる時に観に行くと寝ちゃうかも…?
YUKAKOJIMA

YUKAKOJIMAの感想・評価

3.5
謎多き映画で、リアリティありつつ幻想的な世界に引き込まれました。

既に監督さんは他界していると聞いて、もう一度観たくなりました。
衝動ってこういうことだなと思う。"いま"以外に大事なものなんてない。柘植勇人監督が最期に遺したかったものがここにあるんだと思う。目が離せない。

松尾渉平さん村上由規乃さん中村瞳太さん登壇。とても誠実な皆さんだった。
緑

緑の感想・評価

4.0

このレビューはネタバレを含みます

トークショーと、
そのあとに撮影/編集の方と主演のおふたりに
聞いた話を交えつつ。

冒頭のバイクシーンの色味/撮り方/音楽に
心を鷲掴みにされた。
あの音楽は裸のラリーズを意識して作られたものだそうで、
一時期、後追いながら裸のラリーズに
ど嵌りしたことある身としては
そりゃあ刺さりまくるはず!!
まだ若い彼らが裸のラリーズを知っていて、
しかも影響されていることに感動。
色味の昭和っぽさも意識的な作りで、
現代感を薄めるための敢えての表現だったそう。
バイクの疾走感も車の荷台から撮ったそうで、
全部合わさってもう最高すぎる。

予告編でも使われていた
「赤ちゃん、持ってきちゃったみたい」は、
ただの言葉遊びではなく正しく凛子の言葉だった。
脚本すごい。
ちょっと癖を感じる言葉の選び方をしているが、
どれも必然から発される台詞だったので違和感なし。
しかも会話のテンポもいい。

陽平はヒモな時点でクズ確定だが、
受け子やって現行犯で捕まりかけて
助けに来てくれた共犯の友人を見捨てて逃げるあたり
もう言い訳のしようのないどクズ。
カイジでもなかなか出てこないくらいのクズっぷり。
虎たちに囲まれるシーンからの父親からの電話のシーンは、
陽平という人間を知るのにとてもわかりやすかったし、
あれがあったから蔑むという言葉では蔑みきれない
クズな陽平なのに憎みきれなくなった。

便利屋として出入りしているばあちゃんちで
高額布団詐欺に遭いかけたばあちゃんを助けたのに
逆恨みされるところは何となくリアル。
詐欺師どもがタブレットでばあちゃんに見せる
「皇室.com」のサイトはこの作品一番の笑いどころ。
めちゃくちゃおもしろかった!
自主映画でなければ許されなさそう。
自主作品万歳!!

流されまくって生きている陽平が
ふわっと子育てに順応していくところ、
日々閉塞感を感じながら介護職に従事している凜子が
突然赤子を持ってきちゃって
更に突然いなくなるところも
そこはかとないリアリティがあった。
あと、コンビニの仕事できないおじさん!
あんな人見たことないのに
いかにもいそうな感じがすごい。

子育てシーンにおいて、
赤子の泣き声は一切ない。
泣き声は育てる側にとっては過重なストレスになるもので、
省いたからこそ「映画としてのリアル」が成立した。
「赤ちゃんの声を入れていたら
赤ちゃんの映画になってしまっただろう」
と言っていたのもとても納得。
入れないからこそ陽平と凛子の映画になった。
意図的に省き、
赤子が人形であることも隠さず撮ったとのこと。
映画を作る上で必要なことと不必要なことが
明確にわかっている作り手たち。

陽平が受動的に生きていることを
友人に指摘されたところで、
陽平が初めて能動的に動いて赤子を返すのが
オチになるんだろうなと読めた。
が、その先があるとは予想だにしなかった。
陽平が拐おうとする赤子が泣くというのも、
能動的に動いているからこそ
赤子の実在感が増して印象的になった。

陽平と出て行った凛子との
道路沿いでの赤子の奪い合いでの完全無声も良かった。
計算ずくなのか感覚なのか、
どちらにしても天才か。

陽平が自首しに行ったのに
その後普通に外に存在していたのは、
警察に相手にされなかったからとのこと。
何となくはわかったが、
ここは明確にわかるようにしてほしかった。
そうかなーと思ってはいても、
話を聞けなければ自首シーンが
妄想にも取れて解釈に迷ったかもしれない。
ここを含め、まだ粗さがあることは否めない。

監督は人間のダメさを許容できる人だったらしい。
言われて納得できるところは多々ある。
反して自分は狭量な人間なので
共犯の友人が捕まったところの回収もほしかった。

初公開時が95分、
今の公開が92分、
その他に監督の編集による105分バージョンがあるらしい。
見比べてみたいものだ。
槙

槙の感想・評価

-
テーマと予告編からバチバチ純文学な作品をイメージ(及び期待)して行ったけど、全然違った。でも、言葉にすると超安っぽい表現になるけど、嘘がなくて誠実な作品であるように思えた。

同棲しているりんこと陽平。関係性は進むでもなく壊れるでもなく続いている。そんな中でりんこがとつぜん赤ちゃんを「持ってきちゃ」う。と、設定が浮き彫りになったときに「モラトリアムだったふたりが赤ちゃんの世話をすることにより母性や父性が生まれて人として一歩踏み出す」みたいな展開を予想したのだけど、良い意味で裏切られた。
赤ちゃんと触れ合う中でも2人には母性や父性の芽生えはまったく感じられず、また特に陽平は社会に参加するようになる、というよりは生殖、誕生、年老いて死ぬ、という自然の摂理の中で生きていくことを決意する、みたいな感じに見えた。一方、「お母さんになりたかった」というりんこの方が最終的にはそういう摂理と和解できなかったのかな、という印象。「何になりたいかはよくわからんがいろんな人がいる村が作りたい」と言っていた陽平の方が最終的に子供を抱き続けることになった。こういう物語を性別やその役割のような視点とはちょっと違うところ撮っているのが今の若い監督の視点なのかな〜と思った。

鑑賞した多くの人が言及するように理解できないシーンがかなり多いのだけど、奇をてらうとかそういう“雰囲気”が撮りたい、というのではない何かが直感的にすごく感じられて安っぽい言葉を繰り返すのも恐縮なんだけど、監督の誠実さ(としか言いようがない)があったように思えた。カメラの俳優の捉え方がすごくよくて(村上由規乃さんの鎖骨!!)、撮影監督の手腕によるところも大きいかも。

実はこの作品は数年前に撮影が完了し、編集の途中でまだ20代の監督・拓殖勇人さんが急逝。撮影監督の米倉さんが編集を引き継ぎ監督の一周忌に合わせて完成させ、映画祭や自主上映会で流す中で配給がつき、劇場公開が実現する運びに。それにあたり再編集したバージョンが現状公開されているそうなのだが、そういった経緯や製作過程の監督とのやり取りなど上映後舞台挨拶で主演の2人と撮影監督が語ったのだが、亡き人の話をするのに内輪の思い出話といった感じではなく、3人とも観客に対し、何を語り何を語るべきでないかを慎重に選びながら話をしている印象があってそれもすごく良かった。

主演のふたりが作品の中で本当に魅力的でファンになりました。まだ若くて一緒に映画を作っていた仲間を喪うってどんな気持ちなのかまったく想像もつかないけど、生きているおふたりには良い作品をたくさん作って欲しいなぁ……。
mina

minaの感想・評価

-
最近面白かったことは?に対する凛子の言葉とその時の表情、トンネルを抜けて叫ぶ陽平の声がずっと心に残ってる。この映画が伝えたかったことを汲み取れた自信はないけど、それでも観てよかったって思える映画。こんなに感想が言語化できない映画に出会ったことがなくて何と伝えたらいいのかほんまに分からんけど、スクリーンから伝わる空気感や人間臭さが忘れられない。
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