マルコムXの作品情報・感想・評価

「マルコムX」に投稿された感想・評価

Tylor

Tylorの感想・評価

3.5
偏りまくりだけど嘘偽りのないストレートな思想
映画を通して客観的に見れば危ない奴なのはすぐに分かるけどそれでも滲み出る過激故の魅力
ましてや当時の過酷な状況の中主観でこれを見たらかなり迫るものがあったんだろな
400年前にアフリカから拉致同然にアメリカ大陸に連れてこられた人たちの子孫の一人、マルコムXの伝記映画。マルコムXの存在は一応知っていても、どんなことを言っていた人なのか具体的にはよく知らなかったので、見てよかった。

しかし、アフロアメリカンの人たちは、主に白人ばかりが登場するアメリカ映画を、長年どういう気持ちで見てきたのだろう?遠い外国にいる我々がハリウッド映画を見るのとはまた全然違う思いで見ていたのだろうな、てなことを思った。

彼らがアメリカに連れてこられなければ生まれることのなかった珠玉の音楽の数々が素晴らしい。特に"A Change is Gonna Come."は落涙もの。

眼鏡をかける前のデンセルワシントンの目付き、ゾクッとした。
n

nの感想・評価

4.3
伝記映画で3時間20分!?と怯んだけど、ぺろりと観終えてしまって驚いた。本当に体感時間3分ぐらいだったので、それが何故なのかよく考える暇もなかったんだけど、いや、めちゃくちゃ面白かったんだろうな…。
教団に入ってからのパートでは引っかかるところもいくつかあったけど、「マルコムX」誕生までのオリジンストーリーは文句無しに素晴らしい。特に辞書のシーンは強烈だったし、これから何度も思い出すことになりそう。

ジェット・リー師のファンなので、デルロイ・リンドーさんを見るとまず『ロミオ・マスト・ダイ』!と思ってしまうんだけど、やはり出てきただけで「人情味のある顔役」役の説得力がすごい。ゴッドファーザー感。
南北戦争、公民権運動など、大きな社会変革の波をうけていてなお、近年までアフリカ系アメリカ人に対する差別意識は歴然と残っていて、最近では黒人のオバマが大統領に選ばれる程度には改善されているようだが、その根深さは覗き込めば覗き込むほどドス黒いものを感じる。
本作は、ハーレムのワルガキが、同胞を先導するインテリヤクザになるまで、デンゼル・ワシントンが公民権運動の伝説的指導者マルコムXを熱演している。
公民権運動当時の黒人地位向上を唱えた活動家で、マルコムXともう一人名前が上がるのは、やはりキング牧師だろう。
アプローチは違えど、思想の根底はまったく同じ陰陽の関係だったと対比されることの多いふたりだが、実は私生活の面で比較してみると、キング牧師は頭が良くて人はいいけどそこそこセコくて打算的な人で、ストリートのリアルを実際に目撃しそこから這い上がってきたマルコムXのほうが豪傑感があるし大物っぽいのだ。
確かに、鏡写しの存在として描かれるのも当然で、キング牧師は立場的に徐々に強気な発言をせざるを得なくなり、後年のマルコムXは黒人至上主義もまた他の人種を虐げる差別思想であったと考えを改めている。まさに、両者の思想は少しずつ歩み寄っていて、暗殺さえされなければ、どこかで道が交わっていたのではないか、その一点が黒人差別撤廃の帰結点になり得たのではないかと考えると、このあたりも面白い。
本作は、彼の伝記をもとに歴史的事実に忠実に作られていて、スパイク・リーのケレン味を抑えた正攻法の演出が光る。
「いったい何に引け目を感じることがあるというんだ!君たちの肌は黄金に輝いているじゃないか!」
パワフルな名言にしびれる。
同じ黒人でも意見が違ったり突出しすぎた存在は消されてしまうのか。同じ思想を持ってるはずなのに。悲しすぎる死だった。モハメドアリの出番を期待していたがほぼなかったので残念。
授業内でオープニングを流され、あまりにも斬新な演出に興味が湧き鑑賞。
嫌われる勇気というのが時折、書店で取り上げられたりするがそんな眉唾な啓蒙書を読むならこの映画見るべきではないか。
この映画には覚悟と意地を感じることが出来る。
Doom

Doomの感想・評価

4.0
マルコムXについて彼の人生を伝記的に表現した作品。

デンゼルワシントンの演技がうますぎる。

元ネタが波乱万丈で良すぎるところを上手くヒューマンドラマにしてる。さすがスパイクリー監督。
ドゥーザライトスィングスですね。
監督演じる地元のツレであるショーティー役もハマってて良い。

マルコムのサーモンメガネ◎
警察署の刑事のネクタイ○
ショーティーのサングラス○
マルコムのポートレイトの笑顔○
この映画だけでは、マルコムXの行為が正当化されていいものか判断しかねる。けど、負を背負ったアメリカが変わるためには必要な人物であったことは間違いないですね。
あと、信仰心は、危険だけど、美しいなと思いました。
そうか、デンゼル・ワシントンだったんか!当時は役者さんは好きな人の名前だけ覚えてた感じで、この作品はやはりスパイク・リー監督だから観に行ったんだけど、そうでしたか。

公民権運動の動きに興味を持てたのは、キング牧師に纏わる話しを様々なドラマや小説で聞きかじったからなんだけど、そこからブラック・パンサーについても知りたくなった。

過激になっていく事の、何故ダメなのか?を知れる作品。過激さは、より急進的な(無意味で過激さの度合いだけでの判断を呼ぶ)過激さに駆逐されてしまう事への戒めなんだな、と。

全然関係ないけど、これってセクシー(グラビアでも何でもいいけど)にも当てはまると思う。女子は大変だ。まぁ男子はブサイク村出身だと箸にも棒にもかからないから希望を抱かないだけ、マシってくらいですけど。
マルコムの人生を追体験できるような伝記的ストーリーで、見応え十分。キング牧師ばかり取り上げられ学校でもなかなか学ぶ機会の無いマルコムの人生を知れる良作だとおもう。様々なアイデンティティが対立している現代に、公民権運動においてイスラームという立場で戦ったマルコムのことをぜひともこの映画で知って欲しい。
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