HicK

ウォンカとチョコレート工場のはじまりのHicKのレビュー・感想・評価

3.9
《キング監督の世界観が好き》

【物語】
ミュージカル作品。チョコレート店をオープンさせるためやってきたウォンカが、下宿先の意地悪な店主と開業を邪魔するチョコ組合と戦う話。登場人物たち全員がキャラ立ちしてる。劇中はチョコがワイロのように使用されていたり、時にはドラッグのような表現で麻薬取引にも近い描写だったのも面白かった。

【監督】
ポール・キング監督。彼の世界観に惹かれる。「パディントンシリーズ」で構築したマジカルな世界観。今作でも踏襲。現実的な街並みの中に、絶妙にファンタジー色を取り入れてる。セット美術や小道具なども独自の魔法がかかったようなデザイン。

劇中で登場する道具箱とか「チョコ組合の企みを説明する絵」とか好きだったなぁ。動物園の警備員のシルエットだけで見せる演出とかも良かった。動物園なのに扉が木製とか、細部までこだわりを感じる。物語も可愛らしさが溢れ、ホッコリ温かい。総じて雰囲気は「ハリー・ポッター」からダークさを抜いた"夢の国"っていう感じ。

前作のティム・バートンは監督として好きだけど、彼の毒々しい世界観よりもキング監督の温かい世界観が合ってる気がする。イギリス発祥の物語で監督もイギリス人だし。この人に「ピーターラビットシリーズ」も映画化してほしかった。デッドプール化しなくて済んだと思う。

【その他】
・ヌードルと空を飛ぶシーン、好き。
・猫の毛が生える、ルンパの屁、笑った。
・ウォンカは、いつあんなにチョコ作ってんの?。笑。

【総括】
温かさ、心地よさ、可愛らしさ、マジカルさ、でも実際にこんな街ありそうなリアリティー。そんな要素が詰まった楽しい世界観が好き。
HicK

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