うるぐすさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

うるぐす

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ソロモンの偽証 前篇・事件(2015年製作の映画)

3.8

前篇後篇を一気見してしまうと、非常に書きにくくて困るのではあるが、この映画、厄介なことに前篇は結構面白いんです。

「こども」と「おとな」が対比される形だから。基本的に、大人はこどもを下にみていて、こ
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孤狼の血(2018年製作の映画)

4.7

全てがカッコよかった。
とてつもない恐怖とグロから始まるこの映画のやり方。間違いなく、この映画の遥か先に存在した『仁義なき戦い』、もっと言えば「今の日本映画は攻めないし、つまらない」という絶望に対して
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タクシー運転⼿ 〜約束は海を越えて〜(2017年製作の映画)

4.2

暴力の残酷さ、過剰さ、異常さを訴え否定するのではなく、人の温かさ、親子愛、友情を最後まで描き続けたところに、この映画の魅力はあると思う。

政治、軍隊、ジャーナリズム、暴力。かつて1980年に韓国で実
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君の名前で僕を呼んで(2017年製作の映画)

3.9

LGBTを理解するために必要なことって、実は、恋や愛を理解することだけなのではないか、とこの映画を観て分かった。
だから、LGBTというのも、恋愛の1つの側面なので、この映画においての一番のメッセージ
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ドリーム(2016年製作の映画)

4.1

差別が差別とさえ認識されてなかった時代。
男尊女卑。白尊黒卑。
主人公は3人の働く黒人女性。
劇中、差別されている描写がごくごく「自然に」現れる。トイレや、ポットは分けられ、昇進することもなく横柄な態
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新感染 ファイナル・エクスプレス(2016年製作の映画)

4.3

新感染、というだけあって、とにかく疾走感がある。走る走る。
あんまりホラーやらゾンビやらは得意じゃないんですけど、怖すぎず、グロすぎず、とても観やすかったです。かなり敷居が低く設定されてたように思いま
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おとなの事情(2016年製作の映画)

4.5

この映画は観た方がいい。
とても面白いから。
ただし、恋人とは観ない方がいい。
不安になるから。
3組の夫婦と1人の男が、スマホをテーブルの上において、通知をシェアし合う。
こんな恐ろしいゲームがもし
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バーフバリ 王の凱旋(2017年製作の映画)

4.5

圧倒的なボケの映画。
だと思うんです。前編の時に、かっこよすぎて笑っちゃう。と書いたんですけど、後編はもう戦いのシーンがもうファンタジーになってたりして。戦術大喜利みたいな。大喜利の答えとしても面白い
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バーフバリ 伝説誕生(2015年製作の映画)

4.1

初体験です。
かっこよすぎて笑ってしまったのは。
「かっこいい〜」と言いながら爆笑してました。ほんとに。なんなんでしょ。あの面白さ。
これが王になるものの資質なのか。
とにかく映像に迫力があって、取る
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娼年(2018年製作の映画)

4.8

まず大前提で、めちゃくちゃエロいわけですよ。R-18の中でも過激な方なんじゃないかね。もはや色んなジャンルのAVのオムニバスとさえ言えるんじゃないか。
もはやそれだけでも映画館に足を運べそうなんですけ
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クソ野郎と美しき世界(2018年製作の映画)

4.4

2週間限定上映だから、とりあえず、ざっくりと。また追記します。
3人が躍動するには、スマホの画面ではやはり小さすぎるんです。
特に、香取慎吾というスーパースターが歌って踊るエピソード4。この2年、彼を
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ちはやふる ー結びー(2018年製作の映画)

4.7

続編について確実に言えることが一つあって、続編を作られるということは、その前段階がとても面白かった。ですよね。
で、続編になると急にキャストが豪華になったり増えたりして、見せ場を増やしすぎて前作の方が
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スリー・ビルボード(2017年製作の映画)

4.5

3つのビルボード。3人の登場人物。
こんなにも感情移入に忙しい映画はない。なんてクソヤローなんだ、と思ってても、しばらくしたらやっぱいい奴だな、とか、可哀想だな、なんて思ったり。本当に、観客たる自分含
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15時17分、パリ行き(2018年製作の映画)

4.1

【これから観に行く方へ】
「テロとの戦い」を描く映画だと思って観に行かないでください。
アクション映画ではありません。
ヒューマンストーリーです。
かつて落ちこぼれだった3人の少年の、成長と友情の物語
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グレイテスト・ショーマン(2017年製作の映画)

3.6

ミュージカル映画は難しいなあ。
ストーリーを重視すると、音楽に合わせて歌い踊るのに違和感が出るし、音楽に合わせて歌い踊るシーンを重視するとストーリーが軽くなってしまう。
で、この映画は後者。
もう、ミ
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パンとバスと2度目のハツコイ(2017年製作の映画)

4.3

【片想いの美しさを描くこの映画を観て、深川麻衣への片想いは続く。】
初主演映画素晴らしかった!!!

………
日常に始まり、日常に終わる。
日常を揺るがすような大事件なんてない。妹が居候として転がり込
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犬猿(2017年製作の映画)

4.6

描き方が絶妙すぎる。
つくづく、「きょうだい」とは厄介だ。
親は子を選べないとはよく言うが、きょうだいだって選べやしない。物心がついて成長していくにあたって、自分と同じ血が通っているものの違う部分が光
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ベイビー・ドライバー(2017年製作の映画)

4.7

爆音映画祭で観ました。
もう、ただただ最高。言ってしまうと、爆音で観れる環境にいるなら、絶対爆音で、映画館で、観るべきだと面白います。
もちろん、カーアクションを始めとする映像は、つねに迫力満点なんで
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羊の木(2018年製作の映画)

4.3

ずっと、吉田大八監督の手のひらで踊らされた。
元殺人犯という情報が与えられれば、突如画面に不穏さが溢れ、殺人事件が起こると6人の誰かだろうなと思う。そして、一人一人の更生したんだという話を聞けば、「そ
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勝手にふるえてろ(2017年製作の映画)

4.5

最初で最後の初主演映画がここまでの大傑作だなんて、松岡茉優はとことん素敵。
本当に、傑作。
喜怒哀楽すべての感情を引き出される映画って実はあんまりないのではないか、と思う。その点でもとても気持ち良かっ
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葛城事件(2016年製作の映画)

4.6

他人事のように思えない。
とにかく恐ろしい映画だった。
自分の中にこの映画の登場人物のような狂気がもしかしたらどこかに仕舞われてるのではないか、とさえ思ってしまう。
とんでもない凶悪犯。狂悪犯といって
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12人の優しい日本人(1991年製作の映画)

4.1

面白かった!!!
この映画の当時の日本では、裁判員制度がまだ施行されていないわけだが、その前提で、「もし日本でも裁判員制度が導入されたら」という設定。
「十二人の怒れる男」という映画を受けての作品らし
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探偵はBARにいる2 ススキノ大交差点(2013年製作の映画)

3.8

後半の展開でどんどんポイントが上がっていった。
古沢良太の脚本、調子がいい時はどんどん見ていくにつれて踊らされてしまう。

アクションの迫力で、見ながら推理する脳を奪われるので、すごく調子よく見てしま
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探偵はBARにいる(2011年製作の映画)

3.9

これ、完璧に、吉高由里子の配置が見事でした。日本映画において刑事ものの弱点って、キーとなる人物が必ず大物とか有名人だったりするじゃないですか。あれめちゃくちゃ見てて冷めるというか、そこを吉高由里子の配>>続きを読む

淵に立つ(2016年製作の映画)

4.2

善意。悪意。疑心。不安。人が実際にはなかなか言葉にはしないが確かに持っている感情を、台詞ではなく演技によって表現する。その描写がとにかく秀逸。
私服では白のYシャツに黒のスーツパンツ。作業着は全身真っ
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帝一の國(2017年製作の映画)

4.0

今年は、最優秀主演男優賞を菅田将暉が獲るだろうと思ってるので、観ないわけには行かなかった。

テンポが良く、次々と色んなことが起こってくれるし、笑いもある。

竹内涼真の役は、今もう竹内涼真の独占市場
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スポットライト 世紀のスクープ(2015年製作の映画)

3.9

とことん地味だが、地味も積もれば絶頂に達する。

徹底的に地味です。
とにかく、手と足と目を動かして、真相を調べぬく作業は、もうドキュメンタリーに近いのでは。実際の、カトリック教会の犯した出来事を、こ
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火花(2017年製作の映画)

3.6

公開初日朝一番観てきました。
悪くはない。ただ、Netflixのドラマには遠く及ばない。といった感じでしょうか。
やっぱり2時間ちょっとで描き切るのは無理です。板尾さん、Netflixドラマの方は監修
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HiGH&LOW THE MOVIE3 / FINAL MISSION(2017年製作の映画)

4.2

こんなにも、あらゆる面において語りたくなってしまう映画はないよ。と、今回改めて思いました。不思議なもので、HIGH&LOWめちゃくちゃ面白いんだけど、やっぱり手放しで称賛したくない気にもなる。それはど>>続きを読む

ドライヴ(2011年製作の映画)

3.9

ライアン・ゴズリングってなんであんなに優しそうでカッコいいんだろ。表情に使われてる素材が他の人間とは違う感じがする。みんなポリエステルなのに、1人だけ絹で出来てるかのような。
オープニングのカーアクシ
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はじまりのうた(2013年製作の映画)

4.1

個人的に、お互いの好きな音楽を二股のケーブルからそれぞれのイヤホンにつないで聴くシーンで、クラブの中で2人だけが共有する音楽を聴くあの没入感、あのいやらしさ。
ずっとポジティブで、誰しもを勇気付けるこ
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あゝ、荒野 後篇(2017年製作の映画)

5.0

完璧な映画ではないかもしれない。でも、この映画に俺は魂を揺さぶられてしまったのだ。最後、鳥肌も涙も止まらなかった。打ちのめされた。人生の一本に出会った。
生きる希望が湧いた。不思議なんだけどさ。

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あゝ、荒野 前篇(2017年製作の映画)

4.7

前篇後篇ものだし、前篇だけで150分もあるから、と敬遠していた自分が間違ってた。言ってしまう。
【今年ナンバーワンの邦画だ。間違いない。】

早く後篇観たくて仕方ない。ストーリーの緻密さ。一切無駄な場
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フロム・ダスク・ティル・ドーン(1996年製作の映画)

4.3

一番攻めてるテレビ番組は?と聞かれれば「水曜日のダウンタウン」と答える。
これ、多くの人がそうなんじゃないかと思うんですよ。オープニング映像のこだわり具合、企画の「そこまでやっちゃうの?」と思わせるも
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後妻業の女(2016年製作の映画)

4.3

なんでこの映画をこんなに面白いと思って、好きになったのかを考えてみました。
「後妻業の女」。言ってみれば、寿命の短い金持ち老人と結婚して、その死後、遺産を全て相続する女の話です。夫の死後、と書きました
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模倣犯(2002年製作の映画)

3.1

実験的で、2002年の作品なんだけど、新しさを感じる。
そして、中居正広の「決して本性は、奥底は見せないあの感じ」は2017年現在でも続いてるような、そういう意味で適役だったと思う。あと、マスコミの映
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