ひろぽん

ヴァチカンのエクソシストのひろぽんのレビュー・感想・評価

ヴァチカンのエクソシスト(2023年製作の映画)
3.6
1987年7月のサン・セバスチャン修道院。アモルト神父はローマ教皇から、ある少年の悪魔祓いを依頼される。少年の様子を見て悪魔の仕業だと確信したアモルトは、若き相棒トマース神父とともに本格的な調査を開始する。中世ヨーロッパでカトリック教会が異端者の摘発と処罰のために行っていた宗教裁判の記録と、修道院の地下に眠る邪悪な魂の存在にたどり着く。強力な悪魔を前に悪魔祓いをしてヘンリーを救う事ができるのかという物語。

カトリック教会の総本山バチカンのローマ教皇に仕えた実在のエクソシスト、ガブリエーレ・アモルト神父の回顧録「エクソシストは語る」を映画化した作品。


サングラスをかけ大きな図体に小さなスクーターで登場するラッセル・クロウ演じるアモルト神父の重厚感溢れる雰囲気がカッコ良い。おまけに強面でウイスキーを嗜む姿は聖職者とは思えない渋さが滲み出ている。神父は比較的痩せているイメージがあるからギャップがある。

悪魔に取り憑かれた者の98%は精神疾患によるものだが、残り2%は悪魔に取り憑かれた者だという。

悪魔に取り憑かれた少年・ヘンリーを救うべく、アモルト神父は相棒のトマース神父と調査に乗り出していく。


悪魔を倒すには名前を知らないと勝てない。
辛い過去の記憶を使い精神的に揺さぶってきたり、あらゆる超常現象が起きたり、取り憑いた子どもを使った近接攻撃があるなど、現実離れした演出はホラーというよりスリラー要素が強い。そのため、ホラーが苦手な人でもあまり怖さがなく比較的観やすいと思う。

懺悔して開放されたからと言っても、心の奥底に眠る過去の悪行やトラウマは一生消えずに残る。真正面から言葉でエグられると精神的ににくる。昔から言霊と言うくらい言葉は強力な力を持っていると思う。いかに相手の弱みにつけこみ精神的ダメージを与え、自分はいかに精神を保てるかという人間と悪魔の忍耐力勝負が見もの。

とても恐ろしい経験をしたのに悪魔は残り199体いるというのだから、アモルト神父とトマース神父バディの地獄の道への第一歩なのかもしれない。


ヘンリー役を演じた子役の子の演技が突出して上手だった。ラッセル・クロウは熊みたいに太りすぎててびっくりした。
エクソシスト系の作品を初めて観たが、主な攻撃方法が“祈る”しかないのが現実的だなと思う。海外ではキリスト教が普及しているから恐ろしいのだと思うけど、宗教に馴染みのない日本ではあまり怖さを感じない。
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    何でも観る雑食系。 実話に基づいた映画が好き 点数はジャンルによって評価基準が違う。 (同じ点数≠同じくらいの面白さ) 映画で新たな価値観に出逢う。 No Movie No Life. Theat…

    何でも観る雑食系。 実話に基づいた映画が好き 点数はジャンルによって評価基準が違う。 (同じ点数≠同じくらいの面白さ) 映画で新たな価値観に出逢う。 No Movie No Life. Theater viewing 103