フープ・ドリームスの作品情報・感想・評価

「フープ・ドリームス」に投稿された感想・評価

rhum

rhumの感想・評価

4.7
NBA選手になる事を夢見る2人の少年の、高校卒業までの4年以上にわたる青春ドキュメント。時代はジョーダンがいよいよ異次元のスーパースターになり(当時”Be Like Mike”なんて広告キャンペーンがあった)、スパイクリーが『マルコムX』を撮っていた頃。ガビガビのビデオ映像の向こうに広がる苦いリアリティに引き込まれる丸3時間。
夢がどう転がろうがお構い無しに人生は進むけども、夢を追いかけるからこそ新たに広がる視野がある。だとしたら、夢なんか叶わなくても別に人生捨てたもんじゃない。そんなやつ。イエイ。
CHEBUNBUN

CHEBUNBUNの感想・評価

4.5
【スラムのガキから王になれ!】
ブンブンの嫌いな二大スポーツに「バレーボール」「バスケットボール」がある。ブンブン元々、球技もチーム競技も嫌いで、そしてどちらも身長の高さが有利に繋がるスポーツだから嫌いだ。身長の低い人でも、本気になれば、努力すれば活躍できると体育会系の人が頻繁に使うこの言葉も嫌いだ。ってことで、ブンブンがこのバスケットボールドキュメンタリー映画『フープ・ドリームス』を観るのは異例の事態。

それこそ、映画図鑑『死ぬまでに観たい映画1001本 YOU MUST SEE BEFORE YOU DIE』に掲載され、且つNetflixにアップされていなかったら一生観なかったであろう。何気なく観てみて、これが大傑作だった。今や死後となりつつあるが、サブプライムローン問題直前まで世間に流布されていた「アメリカン・ドリーム」。知っているようで、知らないその内情が痛いほど伝わってくる作品であった。

ってことで、今回はそんな『フープ・ドリームス』について語っていく。

☆『フープ・ドリームス』概要
シカゴのスラム街で暮らすアーサー・エイジとウィリアム・ゲイツは、バスケットボールの名門私立聖ジョゼフ高校にスカウトされる。NBAプレイヤーを輩出するその学校で、学業もバスケットボールも頑張る二人だったが、貧困、運そういったものが彼らの人生を激しく揺さぶっていく...

☆スラムのガキから王になれ!
今年、「スラムのガキから王になれ!」というキャッチコピーで某アクション映画が公開された。しかしながら、その言葉は本作におけるアーサー・エイジに送る言葉ではないだろうか?

舞台はシカゴのスラム街。冒頭から衝撃を受けた。黒人スラム街の映画と言えば、スパイク・リーの『ドゥ・ザ・ライト・シング』を思い浮かべる。路上で消火栓を子供たちが破壊し、道路が水浸しになっているのをキャッキャと遊ぶシーンが印象的だが、まさに本作でも同じ事が行われているのだ。

そして、麻薬ディーラーが取引をしている直ぐ横で、子供たちは1日中バスケットボールに励む。貧しくとも陽気に遊んでいる子供たちのところに一人の男がやってくる。スカウトマンだ。彼に目を付けられた2人はアーサー・エイジとウィリアム・ゲイツは白人だらけの学校私立聖ジョゼフ高校に入学することとなる。

面会でいきなりキツイことを言われる。

「この学校に通ったからって、NBAプレイヤーになれる保証はない。それに勉強も大事だ。成績が悪ければ、バスケットボールはさせない。」

つい先日まで、勉強なんか知らん!と外で遊んでばっかりいた二人が飛び込む高校という新しい舞台。学校まで往復3時間かけて、学校に通い。バスケットボールも今まで自分が最強だと思っていたのは井の中の蛙だと知る。フリースローを決めなかったら罰金、ちょっとでも気を抜けば試合に出してもらえない環境。極めつけはヘトヘトの身体で、難しく面倒臭い、でも結果が求められる勉学に励まなければならないのだ。

日本では、野球部やバスケ部はスクールカーストの最上位。女の子にモテモテだし、成績が多少悪くても推薦で良い大学に行けたりする。少なくとも、このドキュメンタリーで語られている学校の成績システムと比べたら緩く、上手くいけば六大学レベルには潜り込める。

そう、前半1時間で我々日本人観客はこう知るのだ。

「アメリカン・ドリームは血反吐を吐くほど努力した者にしか訪れない」。

☆壮絶過ぎるバスケ人生
そして、1時間超えたあたりから、更に厳しい地獄門が開く。アーサーは教育費が払えなくなり、放校となってしまうのだ。家族はスカウトマンの話から、「卒業まで奨学金でなんとかなる」と思っていた。しかしながら、学費の値上げにより、自己負担額が増大。教科書代すら払えなくなり、学校を追い出されたのだ。バスケットボールチームの監督は、「しょうがないんだ。学校の収入の9割は学費だから。助けようにももう限界なんだ。」と語る。才能があっても、金がなければ、運がなければ見放されてしまう。折角勉強もAやBを取れるようになり、積極的に授業で発言までするようにまで成長した彼は、一気にスラム街へと戻ってしまう。

スラム街の黒人学校では、卒業できたら優秀レベルの学校。バスケットボールチームも弱小。夢破れた者は簡単に立ち直れる筈がなく、授業もバスケットボールも精が出なくなってしまう。

一方、ウィリアム・ゲイツもなんとか聖ジョゼフ高校に在籍しているが、学校の成績が悪く、良い大学に行けない危機が迫っていた。しかも、足の怪我でバスケットボールが暫く出来なくなってしまい、モチベーションとの闘いになる。

こっから先の展開は、実際に映画を観て確かめて欲しい。

☆これぞアメリカン・ドリーム
事実は小説よりも奇なり。『フープ・ドリームス』はスラム街育ちの二人の少年が、5年間紆余曲折、バスケットボールと人生に向き合う姿を通じてアメリカン・ドリームとはそもそも何なのかを教えてくれる。

アメリカン・ドリームとは、文字通り死ぬ程努力をし、尚且つ運を掴むものだ。そこには慈悲もない。とにかく、自分のオールを誰にも渡さず、敵を皆殺しにした者にのみだけが与えられるものだ。

それこそ『ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ』でレイ・クロックがマクドナルド兄弟を踏み台に成功した話にも通じる。

ってことで、『フープ・ドリームス』はバスケットボール嫌いにもオススメしたい傑作ドキュメンタリー認定だ!

このレビューはネタバレを含みます

色々と考えさせられる映画でした。プロバスケットボールのリーグNBAを目指し挑戦するスラム育ちの2人の少年。

誰もが憧れる舞台にいる自分と現実の自分。映画の後半に行くに連れより大人になっていく2人を観ていて安心するような、でもそうじゃないような気分でした。

ウィリアムが最後の方に言っていた”NBAに行かなくても僕の事を忘れないで”というセリフがグッときました。

理想の自分じゃない自分も誰かにとっては理想の人なのかもしれません。幸せとはそういう事なんだなと思いました。
Naoka

Naokaの感想・評価

3.6
54しかマークがなくてびっくり!

アメリカのスラム街に住む2人の少年を長期取材したドキュメンタリー映画。NBAのバスケ選手になって、スラムを抜けることを夢見て練習に励む2人の姿が描かれています。三時間と長いですが、バスケとは遠い自分でも楽しめたので、バスケが好きな方はもっと楽しめるかと。

ドキュメンタリーだから当たり前だけど、すごく現実的で、前回マークしたコナンの映画みたいにあれこれ突っ込まずに見れてよかったです。笑
ドキュメンタリーはあまり見ていませんでしたが、思っていたよりも見やすいんだな、と思いました。全ての場面が重要、というわけではないから、そんなに集中しなくていいからかな。

とにかく、もっと観てもらうべき。
Mouki

Moukiの感想・評価

3.5
記録

長いけど熱量がハンパなかった。
ドキュメンタリーだしね。

山形ドキュメンタリー映画祭にて。
梅田

梅田の感想・評価

4.3
NBA選手になることを夢見る2人の高校生バスケ選手に長期取材したドキュメンタリー。「アメリカン・ドリーム」なんてよく聞くフレーズがあるけど、それがどういうことなのか、3時間かけてみっちり教え込まれた。
アメリカの大学はいくらバスケだけ出来ても成績が良くないと入れない(正確には、奨学金が出ない)。当初は学業に問題のなかったウィリアムが怪我でバスケから離れた期間、同時に成績もガクッと落ちてしまうってところがすごくリアルだった。蜘蛛の糸を手繰るようにスラムからの脱出を目指す彼らは、その糸が切れた先には薬の売人になる未来しか待っていないことをなんとなく知っているからだ。
あと、スポーツ用品店でバッシュを買いながら「ときどき売人がお小遣いをくれる。バスケをやってるって知ってるからだ」とアーサーが話すシーンにもかなりグッときた。悪人がなるべくして悪人になっているわけじゃない。
ドラマティックな展開があるというわけではないけど、全く退屈せず一気に観てしまった。『6歳のボクが、大人になるまで。』って素敵な映画があったけど、あれより余韻は深い。
rsuzuki91

rsuzuki91の感想・評価

4.5
NBAを目指すシカゴの若者の高校一年生から卒業までの4年間を追ったドキュメンタリー。DO THE RIGHT THINGが好きなら観るべき。めちゃめちゃ面白かったす!NETFLIXで見れます
minamimi

minamimiの感想・評価

4.0
シビアな世界。NBAで長く活躍している選手ってほんとにすごいんだなと再認識させられた。うまいことはもちろん、自分を見失うことなく誘惑にもまけず若手の台頭にも自暴自棄にならず。そんな選手はほんの一握りだけど。バスケだけが人生じゃない。でもバスケでしか人生を輝かせることは出来ないんだと信じてる子供たち…。
InSitu

InSituの感想・評価

4.5
将来子供に見せたい映画ナンバーワン。人が人に人として扱われない世界。そこに入っていく二人の少年を追い続けるドキュメンタリー。長い映画史の中で、アメリカという国をこれ以上なくクリーンに描いたドキュメンタリー映画はこれまであっただろうか。これは単なるスポ根映画でも青春映画でもない。一つの国の状態を的確に表した図形のような映画である。この映画をまだ観たことがなく、今現在も観ようかどうかと決め倦ねている人に言いたい。この映画は素晴らしいから、あなたの時間を無駄にするようなことは決してないと。
長い。けど同じ場所からスタートした二人の道を比較しながら見守る事が出来てとても面白かった。コーチ、確実にズラ。
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