息子のまなざしの作品情報・感想・評価

「息子のまなざし」に投稿された感想・評価

刺さる人には刺さる、刺さらない人には刺さらない、そんな作品。
とにかく音楽がないからゆーっくりしてる。息子を殺した少年の面倒を見るのってどんな気持ちなんやろ。きっと、元妻みたいに取り乱すのが普通じゃないんかな。でもオリヴィエに全く怒りが存在してなかったわけではなくて、あの腹筋で発散してたんかな。2人の車のシーン、後部座席から撮ってるのが、2人の横顔を垣間見る感じで良かった。製材所のシーンは終始一貫して好き。オリヴィエが少年を殺しそうでドキドキした。最後、少年が戻ってきてからの2人の無言のシーン、泣ける。

絶対いつも一回休憩挟むのに、今回はなぜかずーっと休憩なしで見れた。
静かに時間が経ってく。
息子を殺した若者が隣にいる。
いつ沸騰して溢れ出すかわからない緊張感。そして葛藤。
静かだけど、リアルな映画。
Koudai

Koudaiの感想・評価

4.0
とても画描が綺麗で見ていて、目が輝きました!

感動しつつ、えーーって思う事が多かったけど、内容の先が読めないので、ワクワクしました^_^


いや〜なんか考え深かった。
netfilms

netfilmsの感想・評価

4.2
 オリヴィエ(オリヴィエ・グルメ)は職業訓練所で木工を教えている。ある日、そこにフランシス(モルガン・マリンヌ)という少年が入所してくる。彼は木工のクラスを希望したがオリヴィエは手一杯だからと断り、フランシスは溶接のクラスに回される。しかしそこにはオリヴィエしか知らないフランシスの素性に関する秘密があった。オリヴィエという男はどこか寂しげで、その背中からはどこかもの悲しい印象を受ける。子供達に対しても決して熱血指導することなく、どこか淡々とした教え方で当たり前の日常を送っている。ありきたりな毎日を生きる男の元にある日、息子を殺した少年が現れ彼の心は大きく揺れる。今作が『ロゼッタ』以上に素晴らしいのは、厚みを帯びた物語と加害者と被害者の葛藤であろう。『ロゼッタ』では貧しい育ちの主人公が、社会の末端とも言うべき仕事にしがみつく様子から、ベルギーという国の貧困の在り方やなかなか這い上がれない社会の残酷さを描写していた。主人公の生活は常に同じことの繰り返しで、そこにシンプルな事件が起きることで波風が立つ。

 今作では主人公の勤める職業訓練所に加害者が入ることが、何よりも大きな波風として設定される。加害者と被害者の関係が、教える側と教えられる側の関係に発展することで主人公は大いに葛藤する。映画は冒頭から既にいつ爆発するかわからない爆弾を設定し、ジリジリした緊張感の持続を持ち味とする。別れた妻はようやく新しいパートナーを見つけ、彼の子供を身ごもっている。そのことが余計に主人公の中にある焦燥感や寂しさを煽っていく。生徒と先生はいつでも引き金を引ける関係にありながら、主人公は冷静に加害者の成長を見つめようとしている。職業訓練所から弟の貯木場までの40kmほどの途方もない道のりを、主人公と加害者の少年は2人きりで車に乗りながら目的地へと向かう。その際主人公と加害者の少年は迂回や回り道を繰り返しながら、ラスト・シーンへと向かう。保証人になることを、加害者少年が主人公に懇願するカフェの場面の残酷さは胸を打つ。相変わらずカメラは有りえないくらい近いが、その場面では例外的に少し離れ、2人がアップルパイを黙々と食べる様子を横並びで据えていた。その後サッカー・ゲームに興じながら、有り得ない願いを受けた主人公の心の葛藤は察するに余りある。時限爆弾はここで静かにその爆発へのカウントダウンが始まり、やがて大きな爆発が起こる。今作でもラスト・シーンの2人を冷静に見守るダルデンヌ兄弟の目線はあまりにも優しい。社会が悪いのか?それとも貧困が悪いのか?の二元論に立ちながら、そこにダルデンヌ兄弟は明快な答えを出す。

このレビューはネタバレを含みます

ダルデンヌ兄弟の作品はまるで文学小説を読んでいるかのよう。
言葉は最小限に抑えて、表情や間合い、動作で心情を語っている。

職業訓練所で指導するオリヴィエのもとに、少年院で刑期を終えたフランシスが入所して来た。フランシスはオリヴィエにとって憎むべき相手だった。

オリヴィエは次第にフランシスの面倒を見るようになる。それを知り、激しく非難する妻。オリヴィエが妻に漏らした「(自分の行動が)わからない」という言葉からは、物理的な距離は目測出来ても、自分の気持ちは推し測れずにいるオリヴィエ自身の苦悩が垣間見れる。惜しむらくは彼にとって憎むべき対象が余りにも未熟だったこと。


償いは己の罪を認識することから始まる。刑期を終えれば済む話ではない。オリヴィエが望んでいるのは、未熟なフランシスが成長するにつれ、過去に犯した過ちを心の底から後悔し反省する日が訪れることではないか。それがオリヴィエにとってせめてもの救いとなるだろうし、フランシスも本当の意味での償いを経ることで新たなスタートが切れるはずだ。

父親の愛情を受けないまま育った子どもは、物事の善悪を判断する能力が低いと聞いたことがある。子どもには無償の愛と赦しが必要。この作品には父親のあるべき姿が描かれている。
この映画でオリヴィエ・グルメがカンヌで男優賞を獲ったらしいが、その理由がよくわからなかった。そんなに演技しているようにはみえないからそれが逆に凄いことなんだろうか?
冴えないルックスの主人公だけど男性としての力強さを感じたし、包容力もあり、観ているうちに段々好きになるのが面白いところ。相手役の子はちょっとだけ薄情な雰囲気が良かったかな。ダルデンヌ作品のなかでは一番ピンと来ない映画だったけど、やっぱりテーマ選びが上手い監督たちだと思う。
役者の演技はすごいし、心情の描き方に択一したものが伺えるのだが、、序盤のカメラワークは個人的にしんどい。
いの

いのの感想・評価

5.0

このレビューはネタバレを含みます



冒頭から、カメラは中年男性のすぐ後方に位置し、執拗に(まるでストーカーのように)中年男性を追い回す。レスリング選手のような太いベルト。衣服についた木くず。内出血した爪。息苦しい。中年男性が動けば、カメラはその動きを後ろから追っかける。不穏な気持ち、ざらついた気持ちにさせられる。いっときも落ち着いていられないかのように、せわしなく動く中年男性。


冒頭だけかと思いきや、カメラはずっと、ほぼ後ろから、中年男性を追いかけ回す。そして、少しの会話から、表情から、状況が、心情が、ゆっくりと見えてくる。中年男性の名はオリヴィエ。職業訓練校の木工の先生。少年院帰りの少年が、新しく入ってくる。彼は、その少年を自分のクラスに入れるという。


オリヴィエは、少年の名前を呼ばないし、呼ぶことができない。
オリヴィエは、少年から差し出された手を、握ることができない。


元妻との駐車場でのやりとりのあたりから、もうすごすぎて。「わからない」発言の重み。


オリヴィエが少年の背後に立つとハラハラした。突然、憎悪が湧きだしてくるのではないかと。憎悪はきっと、自分でも気づかないうちに、自分の意思に反してでも、突然マグマのように、意識下から、腹の奥底から、湧き上がってくるものだと思うから。


どうか悲劇が起きませんように、と願っていた。負の連鎖となりませんように。もうこれ以上更なる悲劇が起きませんように。


そしてこれはひょっとしたら、ホラーやサスペンスなのではないかと私は疑う。疑ってから、気づく。猜疑心を抱いているのは、私自身であることに。中年男性オリヴィエは、そんな表層的なところを生きているわけではないのだ。そのことに、ハッとする。気づかざるを得ない。魂が揺さぶられる。冴えない中年男性が、誰よりも崇高な存在に見えてくる。


そしてラスト。もう後方から、ではない。カメラは真正面から2人をとらえる。







*戦争や、内紛や、事件。起きてはならないし、起きてほしくもない。でも、戦争や、内紛や、事件は、至るところで起きている。あなたは赦すことができるのか。あなたは、どうやって自分の心に折り合いをつけていくのか。この映画は、観る者に、静かに、深く、そっと問いかける。


*少年フランシスは、このあと、自らの罪と向き合えるようになるだろう。どんなに辛くても、きっと向き合える。横には伴走者がいる。


*世間は起きたことをどんどん忘れていく。いとも簡単に風化させてしまう。そんななかで、皮肉なことに、被害者と加害者だけは、運命共同体的に、いつまでもそこに留まり続け、ある種の繋がり(という言葉は妥当とは言えないが)を持ち始めるのではないかと思う。それを何と称したら良いのか、私にはわからない。
孤独な心が響き合う。
ばる

ばるの感想・評価

3.5
公開当時、新聞であらすじをほぼネタバレしていてそれでも観たいと思った映画。
まったく知らない状態で観たら、おじさんストーカー怖い((( ;゚Д゚)))!となったかもしれない、けど知っているから葛藤を感じて辛かった。少年がいい子じゃないのがリアルで良かった。
『息子のまなざし』というタイトルもかなりのネタバレだと思う。でもそんな事は些細な事で、見終わった後は重いのに希望を感じる余韻に浸れます。
asuka

asukaの感想・評価

3.3
こんな寡黙な映画は初めて。冷淡なオリヴィエだけど時々切なげな表情を見せる所にぐっとくる。
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