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雌鶏
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雌鶏の作品紹介

雌鶏のあらすじ

養鶏場で生まれ育った 1 羽の雌鶏が、出荷用トラックから脱走!人生初の自由を手に入れた彼女は、刺激と危険に満ちた世界を走り抜け、ワケあり一家が暮らす家へと辿り着く。庭に建つニワトリ小屋で新生活を送るなか、初恋を知り、初めて産んだ卵を温め育てようと決意する。ところが大切な卵は毎日人間に回収されてしまう過酷な現実に直面。人生とは?生きるとは?雌鶏は我が子がヒヨコになる日を夢見る一方、飼い主一家はとある事件に巻き込まれる。そこには両者にとって思いがけない運命が待ち受けていた――。

原題
Hen/Kota
公式サイト
https://www.hark3.com/mendori/
製作年
2025年
製作国・地域
ギリシャ、ドイツ、ハンガリー
上映時間
96分
ジャンル
ドラマ
配給会社
ハーク

『雌鶏』に投稿された感想・評価

symax
3.7
養鶏場で生まれた一羽の雌鶏…見た目の悪さ故に"商品"として売りに出されず…だがそのことが一羽の雌鶏の運命を変えることに…偶然に脱走した雌鶏がたどり着いたのは、一軒の家…元はレストランをやっていたようだが…怪しげな人物が出入りしている…だが、雌鶏にはそんなことどうでもいいのだ…彼女の目的はただ一つ…

史上初、一羽の雌鶏が主役という凄いんだか何だか…

ポコっと産まれる卵から始まり、ほぼオートメーション化された養鶏場の描写が妙に残酷に見える…

"商品"として出荷されそうになったところで脱走し、大冒険?を経てたどり着いた家での出来事が一羽の雌鶏目線で描かれていきます。

当然、雌鶏が"見ている"事ですから、何の説明もなく話が展開されていくのですが、大胆なカメラワークと構図から何が起こっているのかが少しずつ分かっていきます。

このあたりの画作りは素晴らしく、パールフィ・ジョルジ監督の確かな手腕を感じさせます。

鶏目線から描く人間讃歌的でホッコリ系ストーリーかと勝手に思っていましたが、描かれている人間側のストーリーは結構重く、しかも残酷…

主人公の雌鶏は、8羽の鶏が演じていたそうで、実に感情豊かに見えます。

ナレーションはありませんでしたが、雌鶏の心情を的確に表したかのような劇伴に爆笑してしまいました。

こんなにまじマジと鶏を見たことが余りないので、めっちゃマッチョな雄鶏が出てきて…結構見た目怖かったりする…なんか恐竜っぼいんだよね…
漁師
3.8

「コッコ、コーコー」「コワーコココ!」

「びっくり、人間って放し飼い!?」

【観終えて】

※雌鶏先生《監督》
※雌鶏《私》

「博士!今日の授業は何ですか?」

「エヘン!!今日は君達に一羽の見栄えが悪い雌鶏になって貰う」

「雌鶏?先生!何度か(犬)視線は、やった事ありますが、雌鶏は・・」

「そうか!雌鶏視線は初めてか?では、今直ぐ養鶏場に行って雌鶏視線の勉強をして来なさい!」

という難問を言われ、生徒達は養鶏場に行き、何とか努力して雌鶏視線の勉強する羽目になりました。

「先生!何とか雌鶏視線が出来るようになりました!」

「ご苦労さん、ではこれから先、君達を(雌鶏)と呼ぶ事にする!良いか!!」


【観終えて】

ハンガリーのパールフィ・ジョルジ監督は、鋭い感性を持つ監督である。

「生体視線」で、此処まで、生きとし生けるものの、【「生」・「死」のテーマ】を共存共栄・相克を通して描いた作品は、私は類を見ない。

物語は、雌鶏の卵の出産シーンから始まり、生々しい。
そして、コンベアーに乗せられた無数の卵は選り分けられる。
次に孵ったヒヨコもコンベアーに乗り振分けられる。
そのシーンは正に「無機質」であり、とても「生」を持つ物の扱いではなく、品別のように冷酷に映し出される。
普通ヒヨコはみな黄色であるが、今作の主役の「雌鶏」は、色黒で「商品」にならないと判断され、振り分けられ弾き出される。
その中にいた従業員の独りが「こいつは駄目だから、家に持って帰りスープにでもするか!」と無造作にトラックに放り込む。

「このままだとスープにされる危機を察したのか?トラックから飛び降り逃げる」
すると、彷徨いていたキツネから命を狙われる。
一難去ってまた一難!
今度は、空からも鷲に狙われる

雌鶏から言わせると
「危ない、危ない」
「外の世界も危険だらけじゃーないか!」

と怯えていると、等々飼い犬に捕まり、飼い主の家まで運ばれる。

「万事休す!」

と思いきや、そこの主は可愛がってくれ、他に鶏を飼っていて一緒の場所に放り込んでくれる。

今度は、「雌鶏」は檻の中にいたボス的存在の雄鶏に初恋をし、そして卵を産む。

「幸せ〜❤」と想いきや、又然しである。
卵を産めども瞬くまに家の主人に持っていかれ、料理にされる。その時の「雌鶏」の顔は、何故か記憶に残っており、
ショックで「もう卵を食べれ無くなりそう!」と私自身、心を痛めた。

というのも、この作品の「雌鶏」が、あまりに愛嬌があり可愛い動作をするので「情」が移ってしまっているのだ。

その後も、色々な事件に巻き込まれたり、家の主人も何やらヤバい仕事をしていて・・・。

「雌鶏」は、心底思う。

・・「外も厳しい世界なんだなー」と。

「命あるもの」は、良いこともあれば悪い事もある。

この真理を「鶏視点」を通し、【人である家の主人の人生】と上手くオーバーラップさせ描いている。
この作品は、「人生には、浮き沈み」があり、「生」と「死」は紙一重である事を我々視聴者に問いかけ指南している。

その演出が、人々の心の奥底まで響き渡るように、上手いプロットで仕上げ、心憎い良い作品にしている。

バックで流れている曲も作品の場面に沿い、

・・心憎い


※ちなみに「コッコ、コーコー」「コワーコココ!」
は、雌鶏の鳴き声てある。
Omizu
4.0
【第38回東京国際映画祭 コンペティション部門出品】
『ヒズ・マスターズ・ヴォイス』などの鬼才パールフィ・ジョルジ監督の新作。トロント映画祭で受賞、サンセバスチャン映画祭にも出品された。

これは傑作!確実に受賞に絡むでしょう。ある雌鶏の目から見た人間の愚かさや残酷さをユーモアたっぷりに描き出している。

まじでこれどうやって撮影したんだろう。雌鶏の演技が完璧すぎる。その挙動はもとより目つきや息遣いさえも完璧にコントロールされている。

雌鶏という家畜から見た人間、どこの国でも変わらないね。その視点でありつつしっかり人間ドラマも描かれているという離れ業。そしてしっかり面白い!

ジョルジ監督の才気あふれる作品でとても好き。ユニークでユーモアたっぷりの傑作。

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