悪名縄張荒らしの作品情報・感想・評価

「悪名縄張荒らし」に投稿された感想・評価

mitakosama

mitakosamaの感想・評価

3.4
勝新による悪名シリーズの最終作。であるが、かなり異質な作品。
前作の後に大映が倒産し、勝プロによる制作で東宝の配給。しかも1・2作目を1本に纏めたリメイクという複雑さ。

さらに田宮二郎が出れなくなっているので、モートルの貞が北大路欣也に変更になってる。声質や喋りはかなり田宮二郎に似せているけど、顔が厳つい(笑)貫祿があり過ぎて田宮二郎の様な愛嬌は無いかな。

また2作を1作に纏めている分、エピソードが詰まり過ぎな印象もあるな。やっぱりお絹と琴糸のダブルヒロインは無理あるんじゃないかしら(笑)

それに長政の元締に見捨てられた状態での、カポネ親分との抗争で、さぁいよいよオーラスだ、という所で召集令状。最後の最後の大暴れが無く終わるのは拍子抜けだよな。これは2作目のエンディングだから許されたネタであって、1本の単独の映画の終わり方ではないよ。

シルクハットの親分が大滝秀治だったりとか、財津一郎が空手使いのチンピラをコミカルに演じてたり見所は多い。

全体的に良く出来ているが、シリーズ物の最終作として、こういう形での映画化には一抹の寂しさはあるな。
notitle

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4.0
『悪名』と『続悪名』をまとめて増村がリメイク。割と筋の通ったしっかりした親分役が故、勝新の破天荒さはやや抑え目。廓の中で洋服でキリンビール飲んだり、古今混在する時代感がとても良き。『兵隊やくざ』へと、続くような終わり方で、気持ち高まった。
シリーズ第16作にして勝新太郎版の最終作。第15作から5年後の1974年、大映倒産後に勝プロが製作。監督は増村保造。内容は第1作と第2作のダイジェスト・リメイク。モートルの貞を北大路欣也が演じている。

監督が監督だし、田宮二郎の貞とはキャラが全然違うし、音楽が富田勲だし、エラく渋い。エラく凄みがある。エラくキチンとしている。エラく重厚。エラく陰。だから、これはこれでアリなんだろうし、全然悪い出来映えでは無いのだが、やはり、大映時代の悪名シリーズを観てしまっていると、「何か違う」感は否めない。
重厚なヤクザ映画となり、勝田宮のポップな悪名とは別物になっている。面白いのはやはり勝田宮の悪名。
内容的には『悪名』『続悪名』のリメイクだ。
朝吉が勘当され、貞に出会い、やくざ達と戦い、やがて戦争に行くまでを描いている。
大映時代の田宮二郎に代わり、北大路欣也が「モートルの貞」を演じている。
田宮二郎の貞とは違い、スタイリッシュさや軽快さは無くなり、危険な狂犬じみている。
朝吉を慕っているようでも「いつでも寝首かいたるぞ」とでも言いたげにギラギラしている。
そんな東映実録的な雰囲気を持ち込んだからか、暴力描写はシリーズ随一であり、かつての「痛快アクション」では見られなかったようなリアリティのある殴り合い、殺し合いが展開される。
また、『悪名』『続悪名』の貞の死亡シーンはまるで芸術品のような美しさがあったが、本作のそれは、いかにも70年代臭いチンピラの惨めな討ち死にであり、意図的に汚く逆装飾されている。
この映画が製作された頃は、東映やくざ映画においても「任侠」が廃れ、「実録」一色になっていた時期だ。
大映産の任侠映画『悪名』にもその波がやってきていたという事だろうか。
まこー

まこーの感想・評価

5.0
勝プロ製作の増村。こんなに面白いのになぜDVD化しないんだ。
監督増村x撮影宮川コンビなら「御用牙」よりこっちの方が良いな。冴えたギャグが最後で冷やりとした怖さに転調する辺り、上手い。

暴力描写の烈しさは「曽根崎心中」にも負けていない。