悪名縄張荒らしの作品情報・感想・評価

「悪名縄張荒らし」に投稿された感想・評価

シリーズ第16作にして勝新太郎版の最終作。第15作から5年後の1974年、大映倒産後に勝プロが製作。監督は増村保造。内容は第1作と第2作のダイジェスト・リメイク。モートルの貞を北大路欣也が演じている。

監督が監督だし、田宮二郎の貞とはキャラが全然違うし、音楽が富田勲だし、エラく渋い。エラく凄みがある。エラくキチンとしている。エラく重厚。エラく陰。だから、これはこれでアリなんだろうし、全然悪い出来映えでは無いのだが、やはり、大映時代の悪名シリーズを観てしまっていると、「何か違う」感は否めない。
重厚なヤクザ映画となり、勝田宮のポップな悪名とは別物になっている。面白いのはやはり勝田宮の悪名。
内容的には『悪名』『続悪名』のリメイクだ。
朝吉が勘当され、貞に出会い、やくざ達と戦い、やがて戦争に行くまでを描いている。
大映時代の田宮二郎に代わり、北大路欣也が「モートルの貞」を演じている。
田宮二郎の貞とは違い、スタイリッシュさや軽快さは無くなり、危険な狂犬じみている。
朝吉を慕っているようでも「いつでも寝首かいたるぞ」とでも言いたげにギラギラしている。
そんな東映実録的な雰囲気を持ち込んだからか、暴力描写はシリーズ随一であり、かつての「痛快アクション」では見られなかったようなリアリティのある殴り合い、殺し合いが展開される。
また、『悪名』『続悪名』の貞の死亡シーンはまるで芸術品のような美しさがあったが、本作のそれは、いかにも70年代臭いチンピラの惨めな討ち死にであり、意図的に汚く逆装飾されている。
この映画が製作された頃は、東映やくざ映画においても「任侠」が廃れ、「実録」一色になっていた時期だ。
大映産の任侠映画『悪名』にもその波がやってきていたという事だろうか。
まこー

まこーの感想・評価

5.0
勝プロ製作の増村。こんなに面白いのになぜDVD化しないんだ。
監督増村x撮影宮川コンビなら「御用牙」よりこっちの方が良いな。冴えたギャグが最後で冷やりとした怖さに転調する辺り、上手い。

暴力描写の烈しさは「曽根崎心中」にも負けていない。