サウダーヂの作品情報・感想・評価

「サウダーヂ」に投稿された感想・評価

Haman

Hamanの感想・評価

3.9
むかしRHYMESTERの宇多丸が日本という辺境でラップをやることへのある種の滑稽さについて語っていたのを思い出した。そんな日本において異邦人でいることにも置き換えられるし。
170分近くあるからつまんなかったら途中で止めようかと思ってたのに難なく完走できちゃって、長い映画あるあるだけどそれだけでも好感もてちゃう。劇中のほとんどで何が起きる訳でもないのに飽きないのは流暢な語り口と洗練されたカット割り、何より登場人物の実在感がすべてだと思う。彼、彼女らのその先を自然と考えてしまう。
皆ここじゃない何処かを探してるし、辿り着いたはずの何処かでもきっとそこじゃない何処かを探してる。
歩きながらラップするシーン大好き
また観たいけどどうしたらいい
靜

靜の感想・評価

-
3時間近くあり、後半(残り30分地点から)は尿意との戦いで大変だった。
ちょっと集中力に欠けてしまったのが無念だけれども、いやはやとても面白かった。ほんと。一番最初に予告編を見たときは、ラップ部分に「へっ!」と鼻で笑ってしまって、観たいリストから外していたことを
恥じるね。食わず嫌いはいけないね。

ARMY VILLAGEのライブシーンには鳥肌が立った。感動という意味ではなく。拒否反応というか、ぞわわわってなるのよね。けどブラジル移民系のラップにはすんなり入ってきたりするから、日本語ラップに対するどんなに格好よくやっていても、どこか抜けている感に照れているのだろうな。大好きです。

宿るが実らない夢がシャッター商店街に並ぶ、地方都市。金が嫌いだ!金が必要だ!観察に基づく虚構の説得力がある
yukina

yukinaの感想・評価

4.5
一見コアだけど視野が広くてすごい。社会にでてからじゃないとわからないことばかりが事実だよね。話の切り替わりが滑らかでさらっとしてておもしろい。
地元では割と有名らしい猛。
自己破産した親はギャンブルに現実逃避。
引き籠りの弟はネット中毒で右傾化。

イライラを隠せない猛。 家庭に、グループの現状に、社会に。

土方一筋の精司。
タイパブに通うために汗流す。

エステシャンの妻は上昇志向。
健康食品販売に手を出し、政治家のパーティーに出席。
そんな妻に対する愛情は既に無い。
精司の心はタイパブのミャオに。

保坂さん。
タイから帰国。
間違いなくジャンキー(笑)。
危ないけど、無害な人(笑)。
帰って来たものの変わり果てた故郷・甲府。
あらゆるものを引き入れていた雑多な街並みは全て消えうせていた。

もう一方の主役が移民労働者
日系ブラジル人、タイ人、フィリピン人・・・・・・
『憧憬』懐いてやって来た日本、異国で故郷を想う彼等のサウダーヂは理解できる。
そのサウダーヂはポルトガル語
猛と対立するデニスのグループも日系ブラジル人。
彼等との接触で猛の心に宿った『郷愁』は国粋。排他思想。
それが悲劇を生む事に。

一方の精司。
中央に仕事を奪われ会社は廃業。
夢想していたタイでミャオとの暮らし。
決意してミャオに告白、当然の拒絶。
そりゃそうだ。
『郷愁』の意味が違うのだから。
何もかも失いかすがもーるを彷徨う精司。

一極集中
対する均一化。どこへ行っても同じ光景。同じチェーン店。
古き良き何とやらは何処へ。

搾取
簒奪でもいいかも。搾り取れるものは全て持って行く。発展途上国だけじゃないです。

澱み
四方を山野と因習に囲まれ、毎日半径1キロ未満の興味と会話に終始する。

保坂さんにサウダージは存在しない。似合わない。
彼に似合う言葉はデラシネ。
自身で解っているから、すぅーと甲府の街から消えて行った。
そんな身軽な生き方も選択としては悪くない。
長居が不要だと思ったら出て行けばいい。
これ俺様の結論。
終始何が起きそうでハラハラする。危うさが徐々に顕在化していく。様々なヤバ要素が、何か1つのものに収束していくわけではないが、それぞれのヤバさとして、そしてこれからも続く出口の見えないヤバさとしてただ提示される。坊主のラッパー青年が三宅唱にしか見えなかった。オオクワ
面白い。田我流と宮台が出演しているというだけでつまらないコンテンツなはずはないが、とにかくインディーズ系で3時間の尺がシンドくないのは久しぶりな気がする。そしてその適度なインディーズさはやはり良いもので、『国道20号線』よりは芸術的で『バンコクナイツ』よりは気取ってないバランス感覚が優秀。まぁ内容が一番好きなのは『国道20号線』だが。結局自分は空族作品が好きなのだろうか?ただ一つ間違いないのは、彼らの作品は近年の"邦画"の域は超えているということ。
Berth

Berthの感想・評価

4.8
【映画界の独立愚連隊・空族】
インディーズ映画の最果ての風景
富田克也率いる映像制作集団空族の最高傑作

とにかくクソ暑い
今回も地方都市の現状とそこで暮らし続ける人の閉塞感が描かれている。土木作業員も本物が演じているから身体つきまでリアル。またシャッター街を歩くシーンが印象的で、終盤の山梨と東京の対比は本当に素晴らしい。初めてこのシーンを観たときは、日本とタイの対比のようにも思えたのだが、まさに“ここで生きていくか”“ここではない何処かで生きるか”の葛藤、居場所を探している姿がはっきりと映し出されている。
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映画館まで身を運ぶこと
”作りたいものをつくって、勝手に放映する“というモットーもそうだが、配給や宣伝は自ら行いすべての作品が【未ソフト化】という姿勢
あえてインディーズでやっていく姿勢を讃えたい。どうしてもチープさを拭えないけどインディーズ映画の中では素晴らしい作品本作に限らず映画とドキュメントの融合、現実と虚構を曖昧にする作風は空族の良さ。
物語はバンコクナイツへ.....
牛猫

牛猫の感想・評価

3.9
鬱屈とした地方都市を舞台に、土木建築業界で働く外国人労働者たちが過酷な状況の下で懸命に生きる姿を描いた話。

「国道20号線」と同様に、これもリアルウシジマくんだった。

長いけど全2作と比べて最高に面白かった。

最初からタイのくだりが出てきて、前作からの流れを感じてニヤリとできる。
ディズニーランドに売ってるお菓子の缶がペン立てとして置いてある感じがたまらない。
鉄板盗まれたところで「また外人かゴマキの弟の仕業」は流石に笑う。
都会に住んでいると、郊外や田舎って長閑で自然が豊かで人が温かくてといった良いイメージばかりが思い浮かぶけど、描かれるのは辛くて終始閉塞感が漂っていて厳しい現実ばかり。しかし、ところどころにユーモアが散りばめられていて悲観的になりすぎずに観られる。これが実際に地方で起きていることだと思うと、見て見ぬ振りはできないし、同じ日本とは信じられなくて少しげんなりするけど。

エステサロンで働く彼女のキャラクターが最高だった。
地方都市のリアル。
今現在、地方都市で鬱屈とした日々を送っているので、
それを映像で確認してもへこむだけなんだけど 笑
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