こぼれる月の作品情報・感想・評価

「こぼれる月」に投稿された感想・評価

精神障害に苦しむ若者たちの物語。
その映像はとても冷たく、重たい。最初から最期まで。

この物語に救いはない。物語のラスト周辺で光が差し込む兆しはあるが、それは明るく輝いた空間が目の前にあるわけではなく、ただの希望だ。そして絶望もない。今を彼らがどう生きるかを切実に表現しているのだ。ドラマティックな展開も、心に残るような台詞もない。ただ暗澹としたほの暗い映像とボソボソと語られる台詞。そして言葉にできない苦悩があるだけだ。だが、その切実なほどに痛々しい苦しみがじわじわと伝わっていき、何もないその物語に引き込まれていくのだ。

時間軸が飛んだり戻ったりすることが多い。ただ、内容的に難解になることはない。物語は強迫神経症の高(河本賢二)とパニック障害の千鶴(岡元夕紀子)を中心に展開される。二人の物語は交わることなく、別々のものとして語られていく。そして彼らの周りにいる人々とのコミュニケーションから一歩ずつ一日を歩いている様を描いている。
が、どうしても高とあかね(目黒真希)の関係が不可解だ。高もあかねも精神的障害を持ち、病院で出会った彼らは、お互いにそのことを自覚している。が、彼らはいわゆる一般的な生活を目指そうとする。そこで焦る。その結果、さらに苦しむことなる。なぜ、お互いがその焦りと苦しみを共感できないのだろうかと考えてしまう。彼らをつなぎとめるものは共感ではなく、己の救済のためのみではないのだろうかと思えてしまうのだ。人の病気の痛みなど当然、他者にわかるわけでもないが、他愛のないエゴがそのことをないがしろにしてしまうのだ。
逆に、千鶴とゆたか(岡野幸裕)の関係はとても興味深い。特にゆたかは健常者のようでいて、違う意味で精神的にゆがんでしまっているのだ。その彼らが出会い、監禁行動にいたる経緯は痛々しい。ゆたかの寂しさが溢れんばかりである。

健常な者である(ただ自分でそう思い込んでいるだけかも知れないが・・・・・・)私にとって彼らの切実さに共感などできるはずもない。ただ、黙って目の前にある映像を眺め、彼らが苦しんでいるシーンを心に焼き付けるだけなのだ。そして自らのそばに同じように苦しんでいる人が居たときに、自分がどう思い、どう行動するかを考えるだけなのだ。

それにしても岡元夕紀子の演技はすごかった。演技を超えているのではないと思えるほどの鬼気迫る演技だ。
Uknow

Uknowの感想・評価

3.0

このレビューはネタバレを含みます

ひとりでいる時の淋しさより 二人でいる時の孤独のほうが哀しい

【強迫神経症】
 つまらぬ考えや、感情などが頭にこびりついて、抑えようとしても不可能な症状を主とする神経症。
 また、頭にこびりついた考えを振り払うために意味なく、何回も手を洗ったり、歯を磨いたり、同じ場所を往復するなどの行動を起こす。これを“強迫行動”という。

【パニック障害】
 突然、理由のない不安感に襲われる症状を主とする。
 自分が死んでしまうのではないかという恐怖。狂ってしまうのではないかという恐怖。


私は異常じゃない
ワタシハイジョウジャナイ

大丈夫 だいじょうぶ ダイジョウブ ダイジョウブ
ここは本物だから ここはホンモノだから

――なんで私ばっかり


俺は異常だ 頭がおかしいんだ

気づいたら、気づいたら手を洗うのが止められなくなっていました
理由はいろいろあります
手を洗わなかったら、心臓が止まってしまう
手を洗わなかったら、誰かに呪われてしまう
手を洗わなかったら、

――殺してしまいそうだ
誰か、助けてください

_
 誰もが簡単に何かに囚われて。
 死にたい千鶴のふと湧き出てくる涙とか、考え方なんかわかる気がする。
 全部が偽物に思えて、その中にポツンと置かれた自分を想像して。自分と対照的に膨大な人間たちが膨大な時間を生きているのがなんとも不思議にも、不気味にも思える夜が時々あったりするよねー
 

・手洗い高速すぎてちょっと笑ったチャッチャッ
・牛乳パック直接飲む派
・あかね(目黒真希)さん結構好き。ボーイッシュなのに華奢で、でも女性的で。しかも美容師🤤
・2002年、出会いの方法に時代を感じる
・ブラウン管テレビ、VHS
・千鶴の自然な演技がすごくて女優さん検索したらホラー系のジャケットが出てきてびびった。いきなりはいけない
・結構性行為のシーン多くて気まずい
・河本賢二さん、27歳を節目に俳優をやめ今は飲食店を経営
・※
・※(大事なことなので二回)
・「なんの夢かお母さんに教えてください」「もうその辺でいいんじゃない?」

_
「なんで生まれてきたんだろ」

 なんじゃそりゃあ

「…それ考えてると宇宙まで行っちゃうんだけどね」

 宇宙…


「——なんでもない」
syaorin

syaorinの感想・評価

2.3
強迫神経症やパニック障害に悩み苦しみながら生きる若者たちの話。

演技より素な感じで、そこが意外と良かった。
「病気ではなく、心の癖だ」って劇中であったように、誰でもこうなる要素はあると思う。
テーマは重めだけど、苦しい時も寄り添ってくれる人がいるよって救済もあって良かったかな。
監督の実体験らしく、実体験だからこその生々しさと、重さ。
こういう人達も実際にはごまんといると考えると見ててしんどくなる。
個人的には映画はエンタメと思ってるので、暗い内容をエンタメに消化してる方が好きなので、こういう作品は見ててただただしんどくなるだけで好みではなかった。
紫色部

紫色部の感想・評価

1.0
2017.8.13 GYAO!

想像力/創造力の欠如。傲慢。最低。『死霊の盆踊り』の方がおっぱい見られるだけ100倍マシ。
何を伝えたいのかがよく理解できなかったというのが率直な感想。精神的に病んでる男女の生活を中心にドキュメンタリーチックに見せられてるだけで正直作品としての面白みには欠ける。最後ちょっとだけ話が展開してくれたと思ったところで終わっちゃう。ここから先が見たいのにな〜。

多かれ少なかれみんな病んでるところはあると思う。病気の人と健康な人の境目って一体何なんだろう。
okyk

okykの感想・評価

3.0
映画っぽくない映像。
もっと重いかと思ったけど、ラストは前向きな感じでよかった。
正常と異常の差って何ですか?
COME

COMEの感想・評価

3.3
綺麗に月が見えたので久々に見たくなって見た作品。

作品全てを通して感じるアマチュア感とアナログ感。

言葉は三角で心は四角。
だからこそ成り立つんだろうな。
思ってること全部を言えてスッキリするのは当人だけ。思いやりと、儚さはとてもいいスパイス。

月って、綺麗だな。
yum

yumの感想・評価

3.5
どこにも共感するような覚えはないのに、しんどすぎて3回くらいに分けて観ました。
普通の人たちの話。誰も見せようとする演技をしてないのが不安になるほどだった。
しんどくて面倒臭いけど優しい目線の映画でした。ひかりをあててしぼる も楽しみになってきた。
puella

puellaの感想・評価

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そう!2時間程度の話じゃ全然成長しないし解決しないんだよ!とちょっと嬉しくなった
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