札幌・横浜・名古屋・雄琴・博多 トルコ渡り鳥の作品情報・感想・評価

札幌・横浜・名古屋・雄琴・博多 トルコ渡り鳥1975年製作の映画)

製作国:

上映時間:82分

3.6

「札幌・横浜・名古屋・雄琴・博多 トルコ渡り鳥」に投稿された感想・評価

champavert

champavertの感想・評価

3.5
真っ赤なロングコートで実家を訪れようとする芹明香の寂しい佇まいは『津軽じょんがら節』の江波杏子を凌ぐ素晴らしさ。ひどいヒモから離れられないのは性というものなのか…。ただこの時代のセックスワークの実態を知るのにもいい作品なのでは。雄琴はほとんど『ブレードランナー』。
全国各地の歓楽街を渡り歩いているトルコ嬢(芹明香)とヒモ男(東隆明)が、自己の破綻した人生設計を見つめ直していく。当時のトルコ嬢(ソープ嬢)に対する取材パートと演者によるドラマパートが織り交ぜられている、東映の実録系エロティック・ドラマ。

スタッフ含め15名からなる撮影隊が、北海道から九州までロードムービー形式のロケ撮影を決行。日活ロマンポルノで名を馳せた芹明香が、デビュー時の東映にカムバックしており、当人いわく「本気で男に惚れ込んでいる役柄は、これが初めて」とのこと。

ドキュメンタリーのパートでは、山城新伍がナレーションを担当。音声が同時録音ではなく、トルコ嬢が前貼りをつけているが、ローションが用いられる以前の泡踊りをじっくりと拝み倒すことが可能。「性を売らなければならない女性を、如何にして受け止めるべきか」という論題をサラリと盛り込みながら、ドラマパートへとシンクロさせていく。

演者のドラマパートでは、トルコ嬢の取材内容をベースにしたキャラ設定と移動中のゲリラ撮影が効果を上げており、ドキュメンタリーとフェイクの渾然一体を楽しむことができる。仕事とは関係なく「癒やしを与えてくれる存在」を欲するという心理状態もまた精緻に描かれており、得も言われぬほどの哀感に包まれる。
キャストに山城新伍さんの名前があったから、"セックス攻防戦"みたいな笑えるお色気オゲレツコメディかと思って録画しんだけど、そんな楽しい映画じゃなかったよ、、しかも、山城さんナレーションだけで出てこないんだよ笑
ちゃんと確認しなかった自分が悪いんだけど。

内容はタイトルどおり日本各地のトルコを転々とするトルコ嬢 芹明香さんとそのヒモの東龍明さんの愛憎劇。なのだけど、それだけじゃない。
2人の愛憎劇に当時の風俗産業についての考察やトルコ嬢達の実体に迫るドキュメンタリーパートをねじ込むと言うトリッキーな構成。

雄琴につくと、唐突にペットショップが映り犬を品定めするトルコ嬢が出てくる。そこに「雄琴のトルコ嬢の9割がペットを飼ってると言われる。」「彼女達は家庭や恋人が持てぬ寂しさを~」って具合に山城新伍さんのナレーションが。
その後、いかにペットが自分に取って必要かと言った内容のトルコ嬢の肉声が流れる。
そしてまた例の2人の愛憎劇に戻る。
ずっとこれの繰返しで、ハッキリ言ってかなり単調で退屈する時間が多い笑

ドキュメンタリー・パート、どこまで本当か分からないし、肉声しか出てこないけど、当時のトルコ嬢達の証言は信憑性の高さを感じさせるものがある。変に間延びしてたり、言葉に詰まったりしてるから、台本じゃない気がした。
トルコ嬢だけじゃなくヒモ達が赤裸々な本音を語るシーンもある。
これがかなり酷い内容なんだよね。「女に一体感を持たせて信頼されるのが大事」「トルコの仕事で稼げるのはせいぜい5年、その前に次の女を探す」「女は20代じゃないと価値がないよ」とか絶句するひどさ、、しかもけっこう楽しそうに得意気に話してんだよ。これも肉声だけなんだけど、でも、だけに物凄いリアリティーを感じた。なかなか顔出しで言える内容じゃないし笑

だから時代の断片を見るって意味ではかなり興味深い。でも、映画的にはキツいところが多い。
これは真面目なふりして下世話な好奇心を満たす昔のモンド映画の作りなんだよ。
ヤコペッティーの"世界残酷物語"みたいな。
だから素材をまんま流すシーンが多い。「ここで彼女達トルコ嬢の卓越した性の技術をご覧いただこう」との山城さんのナレーションから延々トルコ・プレイが引き画で流されたりする。
当時はAVとかなくて、おっぱいとかにアクセスが難しい時代だから売りなったんだろうけど、エロ全般にアクセスが容易い現代人には退屈でしかないよね笑

そして一応メインの嬢とヒモの愛憎劇なんだけど、痴話喧嘩しては仲直りするっていうだけの他愛ない内容。
でも、芹明香さんと東龍明さんの演技が素晴らしいから見る価値はある。

特に東さんのヒモはすごいよ。調子良く芹さんをなだめ透かす猫なで声、パチンコで芹さんの金を溶かした時の見苦しく言い訳して謝る時の情けなさ、そして愛想をつかされそうになると突如悪鬼の形相になって芹さんに性虐待チックな暴力を執拗に振るう時の鬼畜っぷり。どれもホンモノみたいなんだよ、クズってこーゆーのを言うんだなって説得力に溢れてた笑
芹さんはこの手の薄幸な女性はオハコなんでいつもどおり。アンニュイでやさぐれていながら可憐で魅力的だった。

あと、芹さんと言えば体を張った演技が多い。今回は役が役だから裸が多いのは分かるけど、ヒモの暴力から逃げる時にパンイチで道路を疾走させられたり、放尿シーンが2回と主演なのにいつも以上に過酷な気がした、、
しかもオープニングとエンディングが放尿なんだよ😨
インパクトあるけど必然性はないと思う。
よく撮っておいてくれたよねありがとう。
50年前のトルコ街の風情が心に染みます。
青森はめっちゃ貧しいです。田中の角さんが
国土の均衡ある発展を言ったのもうなづけます。
芹明香はいつもきれいでつよくてさみしいのでした。
saodake

saodakeの感想・評価

4.5
芹明香の佇まいがすごい…。
中盤以降はすっかり夢中になって見てしまった。
真っ赤なコートで故郷の田舎を歩くギャップが面白かった。
全裸で街を突っ走ったり電車から放尿したり、これどうやって撮影したんだ…と思わせる仰天シーンあり。
浮世離れした芹明香が最高。
雪景色も綺麗でいいな~
今まで見た東映のポルノ映画で一番印象に残った映画。
ドキュメントパートのインタビューも面白い。ただ単調な濡れ場が長い。
芹明香演じるトルコ嬢がヒモ野郎と生きるドラマパートと本物のトルコ嬢やヒモ、客へのインタビュー音声の入ったガチパートが混ざったドキュメンタリー的な何か。

真面目な制作意図みたいなものはあるにせよ、エロ目当ての観客の要求に応えるためのポルノ映画でもあるので、ひたすらに濡れ場が長い。実際のトルコ嬢の秘技がしっかり記録された文化的な価値はあると思うが、画面が真っ暗でただピチャピチャと音がするだけの場面も多かったので眠くなってしまった。

トルコ風呂関係者の生の声は聞いていてなかなか重いものがある。客の連中が一様に「後腐れなく…」「金さえ払えば…」という言葉を言ってたり、声だけで心底クズだとわかるヒモ連中のコメントもすごい。怒りしか湧かない。

芹明香の身体がまるで絵画のように美しく、何度も見惚れた。

このレビューはネタバレを含みます

芹明香のさすらいのトルコカップル、トルコドキュメント付


1975年作品。
ナレーター山城新伍。
監督関本郁夫。


アマゾンビデオで森崎監督の「喜劇特出しヒモ天国」あまりの面白さとやっと見れた感に大満足。思わずアマゾンの思惑にがっつりハマッて契約延長課金続行。

そんな東映ジャンクフィルム、ラインナップを見てみると、まあ出るわ出るわみたい作品の山。これはビデオ屋潰しと検索しながら携帯につぶやく。

その中の1本「最近追加された作品」シリーズ。「「トルコ渡り鳥」きたあ~キタア~!」こちらも名画座で頻繁にかかる日本映画シリーズ。私は芹明香本で知り、これは見てみたいと思った作品だった。

ポスターの金勘定する芹、ナレーション?!山城リンゴなんで?まさかのドキュメンタリー。ポチッと携帯配信鑑賞してみた。

芹明香映画チラシ。出演女優でプログラムを組まれる。女優冥利につきるリバイバル。



うわあ大変面白かった。何気にR18作品だった。

まずドキュメンタリーが映る。それはトルコの風俗施設のドキュメンタリーだった。びっくりした。はじめは芹明香がトルコプレイを披露。のち音声インタビューがかぶさり、いろんな、トルコ嬢がプレイが披露(2、3P etc)

このドキュメントパートの尺が足りないので、ドラマパートを足したような感じ。同様映画は東映沢山ある。

中島貞夫監督の日本風俗施設やら性癖をカメラにおさめるレアドキュメント
「セックスドキュメント性倒錯の世界」

東映初なんかとある温泉施設やら風俗を映す今なら絶対製作不可能なドキュメント「驚異のドキュメント日本浴場物語」
こちらもおすすめ!

トルコ嬢の本音やら出勤風景やら犬が好き風カットやらかぶさる。そこに山城新伍の落ちついたナレーションがかぶさる。

このドキュメントパートと芹明香のトルコ嬢とヒモの男のドラマが展開。

芹明香が煙草をふかす。全然顔は嬉しそうじゃない。むしろ不機嫌。いやいやな顔で煙を吐いてる。煙草を吹かす芹の大股ぐらに男が何かをしている。

この写真が昔から気になっていた。なんだろう、何してんだろうと。

確か見たの芹明香本か「映画芸術」かフィルムアート社のロマポル本。上記の写真が本作で出たので、長年の疑問が解消された。状況はこんな感じ。出勤前、

「はやくぅーしてよぉ~、、遅れちゃう」と。

待て待てと男は、芹の陰毛処理をしていたのだ!もうびっくりびっくり!わたしはてっきりナニをしていたとばっかり思っていた。

本作のとりわけ素晴らしい点、芹明香の主演出演時間が長いという事だ。こんなに出ずっぱりがまず珍しと思う。だからこそ必見。冒頭クレジットからラブラブ芹明香の表情必見。

だがトルコ泡プレイやら芹明香が披露する放尿シーンにより見事に封印作品に認定される裏があることに今回配信で見てよーく分かった。

実際芹明香本を読むとたまに撮影中がちであのようにショーっと排尿をもよおすことがあり、まわりのスタッフが慌てる事があったようだ。本作2回放尿シーンあり。偽物だとは思うが、どうでしょう?!

芹明香カップルの物語はシンプル。日本全国点々とする芹嬢。楽しい日常。たまに喧嘩、のち浮気、別離、再会、仲直りてな感じ。世の中の男子、夫婦がよくある円環サイクル、愛のループ。

この喧嘩シーンも必見。なんかどこぞのアパートの一室で今もありそうな雰囲気。

芹明香のあのけだるい感じ、あの喋り方に魅了される。男につくし、男につくされ、マッサージされる、マッサージする。

芹明香が今も女優さんに目標とされたり、名画座で特集されるのは、このなんともいえない喋りとあの細い目、激情から薬中毒から娼婦のたたずまいから数々の女性を演じてきた。人々が魅了される存在感が間違いなくあるのだ。

こんなに可愛く、人間くさい芹明香が沢山の尺を使って動いて演技してるだけで実に貴重な芹明香体験だった。

さて
芹明香のトルコ嬢の日本点在旅日誌
トルコ嬢のドキュメント付き

ロマンポルノファン!
芹明香ファンは、ぜひ(日本に何人いるかわからないが、。)

ぜひAmazon primeから見てください。


追伸
芹明香全作品みてみたい欲求がある。だからプログラムを組まれる。需要があるんだろうなあ。

追記
森崎東「喜劇特出しヒモ天国」と本作が見れただけで大満足だった。芹明香の素晴らしさとソフト化禁止たる要素がよく分かった。Amazon恐るべし。

次回予告
「ポルノの帝王失神トルコ風呂」をお送りします。不良番長シリーズの梅宮辰夫、山城新伍がやっぱりがっつり下ネタやっていた証拠が本作!梅宮辰夫が「ガキ使いあらへんで」でおかしなコスプレしても何も動じないのは、本作のような下地がすでに70年代からあった事を確認確信した一本!
近日レビュー!
お楽しみに!
お伝

お伝の感想・評価

4.2
セミドキュメンタリーで面白い。雄琴を走るのは南條玲子(『幻の湖』の)だけじゃなかった。最後は荒波に赤いコートで津軽じょんがら節のような風情だったけどその後列車から放尿してて笑。
心が弱った時には芹明香さんに癒されましょう。優しさが詰まってます。

しかーし、ラストの列車最後尾デッキからの・・・・は本物かぁーー!?
「屈伸の新月面が描く放物線は栄光への架け橋だぁーー!」
東映お得意の俗悪ドキュメンタリーと、『濡れた欲情 特出し21人』のようなヒモと風俗嬢のロードムービーが並行して語られる。
この手の映画を見慣れてしまったので、ドキュメンタリー部分は邪魔くさかったが、劇映画部分での芹明香が全て凌駕する。
関本郁夫が本当に描きたかったのは、トルコドキュメンタリーよりこっちでは。

一番心に残ったのは、芹明香が故郷の青森県下北に帰る場面。
下北の海を見て泣く芹明香、三味線、寒立馬、70年代の田名部駅。
結局、故郷には5時間しか滞在しなかった芹明香。

関本郁夫は京都出身なのに『天使の欲望』でも青森を出していたけど、何か縁でもあったんだろうか。
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