シェルタリング・スカイの作品情報・感想・評価

「シェルタリング・スカイ」に投稿された感想・評価

湖土

湖土の感想・評価

4.5
ポール・ボウルズ
ILC

ILCの感想・評価

4.0
音楽が諄いんだけどヴィットリオ・ストラーロの撮影が神。
JJJ

JJJの感想・評価

3.6
ラストのセリフは★999999
sabo

saboの感想・評価

3.9
鑑賞日2019/09/12

第一次世界大戦の終戦間もない1947年。
モロッコの寂れた港に降り立った3人の男女。
劇作家のキットと夫で作曲家のポート、そして夫の友人のタナー。
結婚10年を迎えた夫妻は倦怠期と慢性的な虚無感に苛まれ、北アフリカにあての無い旅をしにやって来た。
一方のタナーは夫との関係に行き詰まっているキットに密かに想いを寄せていた。
ホテルに到着するやいなやキットは何故タナーを連れてきたのか夫に問い、タナーは好きだが信用出来ない男だと言った。そんな些細な意見の相違に苛立ちを感じたポートはホテルを出て一人街を彷徨う。ポートが街を一望出来る高台で物憂げにタバコを吸っていると見知らぬ現地人に声をかけられ、売春宿に連れていかれる。ポートは苛立ちにまかせ娼婦と一夜を過ごした。
次の日ポートは同じホテルの宿泊客だったイギリス人の旅行ライターのライル夫人の申し出により、次の目的地まで一緒に車で行くことにする。
キットはタナーを一人で別行動させるわけにはいかないと言い、タナーと共に列車で次の目的地へと向かう。
列車の中でキットは不安な心を打ち消したくて、浴びるようにシャンパンを飲んだ。目的地のホテルの部屋で目が覚めた時、キットは酒の勢いでタナーと関係をもってしまった事に気付き慌てふためく。
ポートはタナーとキットが関係をもったことを知っていたがその事には触れず、キットをサイクリングに誘った。
二人は荒涼とした平野を駆け抜け峠の上の高台へと行く。
ポートは『この空は、その向こうにある暗い虚無から守ってくれる空だ(シェルタリング・スカイ)』と言い自身のキットに対する愛情の揺るぎ無いことを伝えるが、キットの心は冷めていた。
すれ違う想いを抱えたままの二人に過酷な運命が訪れるのだった…

**感想(ネタバレ含む)**
なんとも美しく悲しいお話でした。
元々は坂本龍一のシェルタリング・スカイを聴いてから見てみたくなった映画なのですが、楽曲にぴったりの期待を裏切らない美しい映画でした。
何もない広大な砂漠と、落日が織り成す陰影や、凍りつきそうな青い空と月、引き返す事も出来ないほど遠い異国の地で行くあてもわからないまま一人行く砂の大地。
美しく荒涼とした砂漠の情景はキットの心そのもののようでした。
キットとポートの関係は修復が困難なほどすれ違い、歩み寄りたいのに正面から向き合う勇気も無い。
そしてポートの非業の死を経て初めて、ただ共に生きてきたことの尊さ、そしてポートの『僕の人生は君と生きるためだけにある』と言った言葉の意味を知ったキット。悲し過ぎる結末でした。
劇作家とその作曲家ならそれなりのロマンスがあった二人でしょうが、流石に長い結婚生活ずっと同じようにはいきませんよね(;´д`)
当たり前のように生きている毎日も実はとても脆いもので、人なんていつどこでどうなるかなんて分からないし、結婚には愛も欲も生活も全て付いて回るものですから『完璧な愛』なんてそもそも絵空事のようなものですね。
二人はまるで知らない異国の地を旅するようなドラマチックな要素を求めて探していたのかもしれませんが、実は何気ない日常の積み重ねや普遍的な毎日、浮き沈みのある中で時折起こるささやかな思い出を大切にすることが本当に必要なものだったのかもしれませんね。

人は自分の死を予知できず、人生を尽きせぬ泉だと思う。 だが、物事はすべて数回起こるか起こらないかだ。 自分の人生を左右したと思えるほど大切な子供の頃の思い出も、 あと何回心に思い浮かべるか?せいぜい4,5回思い出すくらいだ。 あと何回満月を眺めるか?せいぜい20回だろう。 だが、人は無限の機会があると思い込んでいる。
ーーポール・ボウルズーー

ストーリー:3.8
ビジュアル:4.0
音 楽:4.2
キ ャ ス ト :3.5
なんかしょうもない話な気がするんだけど、芸術家の腕はすごい。壮大なロケーションと音楽と詩的な一節の積み重ねですごいものを見た感。いちいち美しいです。モロッコに行くので予習のために鑑賞しました。
マルコヴィッチってマルコヴィッチの穴でしか知らなかったけどこの作品ではけっこうイケメンに見えた。
外から来た人が勝手に異文化に憧れて勝手にがっかりして帰っていくような感じ……というのかな。どうも消費してる感がね……。まあ西洋からの「オリエンタリズム」な見方、必ずしも全面的に嫌いではないけれど(美術とかの面で)
自業自得感がすごかったね。

最近立て続けに「結婚はゴールじゃないのよ」系の話を複数人から聞いたことを思い出した。

追記:モロッコ・タンジェでこの映画が撮影されたエルミンザホテル、ホテルコンチネンタル、カフェコロンをまわってきたぜ!べつに大好きな映画とかではないけれど、かなり雰囲気には浸れました。坂本龍一のテーマ音楽はしばらく頭の中に流れ続けるでしょう。
卑怯な人間、オレンジ色の砂漠と空、太鼓と笛の音楽、ハエの大群、砂嵐、悪臭、まずいメシ、虫の死骸入りスープ、疫病、アフリカ

さすがにちょっと退屈だった

このレビューはネタバレを含みます

トラベラーとツーリストの違いを意気って語ってたわりに、チフスで死ぬという。アフリカ舐めすぎ。
失ってから初めて気付くと言われてもな~、全然悲しみこみ上げてこないよ。女買ってるし、タナーと寝てるし。

このレビューはネタバレを含みます

切ない。ある夫婦のあり方。側から見たら円満なのか崩壊してるのかどちらとも言えないような二人の関係も、当人たちにしかわからない距離の取り方があるんだってことを思い知らされる。相手が何してようと気に留めてないようでいて察知していて、でも自分が少なからず傷つくことをわかっているから触れようとはしない。むしろ相手が何しようと自分の元に戻ってくることをお互いわかってるからこそ、ある程度奔放でいられる関係性、素敵だと思った。同時に、相手はいつまでも自分のために存在する、してくれるはずという根拠のない自信がもたらす安心感。誰しもが持つものだけど、その状態が永遠に維持される保証などどこにもないし、案外呆気なく崩れ去っていく何ともないような幸せ。当たり前には思っていけないんだよな、でも時間が経つうちにだんだん初々しい気持ちを忘れて倦怠していく人間の性。やっぱ切ない。
John Malkovich演じるPortが亡くなってしまってからは少し中だるみした感じがあったけど、Debra Winger演じるKitのショックにより当てもなく彷徨う様子を映し出すには、やっぱ先の見えない途方のない旅を描くしかなかったのかなと。本が偉大な分、映画にするのは難しい作品なんだろうね。
Debra Wingerがひたすら美しく、衣装もかわいい。赤ベレーにピンクのワンピで自転車乗るシーンが好き。そしてのらりくらりマイペースなMalcovichがいいねぇ〜好きになっちゃいそうで困る。ハエが顔にたかってても平気でニコニコして「おはよ〜」みたいな動じなさがさ、なんだかんだかっこよく見えてしまうのが罪だね。二人がもう落っこちたら即死するような絶景の絶壁でセックスするシーンが圧巻の美しさで大好きだったなぁ、あぁ大恋愛。
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