【キンスキー様の顔圧】
夏になると観たくなるヘルツォーク✕キンスキーのタッグで送る「吸血鬼ノスフェラトゥ(1922)」のリメイク。
キンスキー様による白塗りドラキュラ(オルロック)伯爵の顔芸とキレ…
忌まわしいけれども美しい作品でした。どのシーンだけ切り取っても完璧に美しい恐怖絵。
古城の夜、棺桶の列、ネズミの群れすら美しい!
夜中に伯爵の城にご到着…
クラウス・キンスキーがガン見してる前でよく…
オープニングのミイラの映像ゾワッとする(本物のミイラらしい)。
画面を埋め尽くす夥しい数のネズミと棺桶の行進。死が訪れるまで宴に興じる人々。
透けるような白さのイザベル・アジャーニとその腕に抱かれて…
城での撮影があまりにも不気味で、幻想的で美しかった。でも映画全体に血が通っていないような冷たさを感じた。
ラストシーンの血を吸うところがあまりにも艶かしく、吸血行為と性は切り離せないものだと再確認し…
ドラキュラさんが、犬歯が牙じゃなくてねずみさんみたいな前歯。
あんな山奥に4週間もかけていったら、はじめからフツーじゃない風貌の伯爵でてきて、こわいやろ。
ねずちゃんだらけやし。
それにしてもイザベ…
この映画の吸血鬼・ノスフェラトゥの姿とどうしても重なってしまうのは、「野獣死すべし」(80年)の松田優作の姿です。
あの映画の松田優作は本当に異常でした。痩せこけた顔と体、死んだような目、指だけが…