1000日のアンの作品情報・感想・評価

1000日のアン1969年製作の映画)

ANNE OF THE THOUSAND DAYS

製作国:

上映時間:145分

3.7

「1000日のアン」に投稿された感想・評価

イギリス王室の歴史もの。エリザベス1世の親であるヘンリー8世と王妃アン・ブーリンの物語。自分を神と疑わない国王の傲慢ぶり(「国王至上法」なんて法律を作ったとは!)、その王を手玉にとったアン・ブーリンのしたたかさ。けれど男の子を生まなければ結局捨てられる・・・
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英国史上偉大な女王、エリザベス1世の親がこんなにドロドロしていたとは! 学校の歴史教科書の記述程度では、とうてい想像できないことの数々に驚かされる。史実にかなり忠実で、歴史ドラマをギュッと2.5hに詰めた豪華で見事な映画作り、俳優陣もすばらしく、引き込まれました。
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傲慢で醜い王の欲望、その寵臣たちのズル賢い振る舞い、脅して嘘の証言をさせる裁判、残酷な処刑シーン・・・ ひどいものですねぇ。でもまあ、時代的には信長が出てくる少し前の頃だし、親殺し、子殺し、主君殺し、日本も同じようなものだったともいえる。我が子を権力の座につけたいと強く願う母親の気持ちは、大奥の側室と同じでしょう。
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同じ史実を扱った「ブーリン家の姉妹」(2008)がありますが、こちらはアン・ブーリンとメアリー・ブーリン姉妹の関係性、二人の人間性を現代的な視点から対比的に描くことに重点が置かれているので、わたし的には「ブーリン家の姉妹」の方が好きかも。
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英語のSisterは姉か妹か区別がないから、アンとメアリーのどっちが姉かは定かでない。本作品ではメアリー=姉、アン=妹となってますが、「ブーリン家の姉妹」では逆になってました。アンが侍女として王室にはいるまでの経緯もだいぶ違いました。
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「わが命つきるとも」(1966)という映画もあって、アン・ブーリンとヘンリー8世の結婚に最後まで反対して処刑されたトマス・モア(「ユートピア」の作者として知られる)を描いた作品らしいです。いつか見てみようかな。

*** (史実、自分なりのまとめ) *** 

●国王ヘンリー8世(在位1509-47)には、男の世継ぎがいなかった。
 王妃のキャサリン・オブ・アラゴンはスペイン王室の王女で、もともと彼の兄アーサー皇太子が幼い時に(14歳)政略結婚で結ばれた相手。アーサーが翌年亡くなったため、彼女はその弟と再婚することになり、弟が王になると同時に王妃となった。しかし死産が続き、二人の間には女の子が一人育っただけだった(メアリー王女)
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●男の世継ぎが欲しいヘンリー8世は、ローマ教皇の反対を押し切って、王妃キャサリン・オブ・アラゴンと離婚し(当時は離婚が認められてなかったので、婚姻そのものが無効という手段をとった)、アン・ブーリンと再婚した。(ローマ教会から離脱、イギリス国教会のはじまり)
 ヘンリー8世は始めアン・ブーリンを愛人(王妃の侍女)として男子を産ませようとしたが、彼女はこれを拒み、子が王位継承順位の上位となる王妃の座を要求した。アンが正室にこだわったのは、彼女の姉妹であるメアリー・ブーリンを見ていたことが要因の一つとされている。メアリーは王の寵愛を受け愛人として子を産んだが、当時は庶子とその母親は嫡出子と王妃に比べて雲泥の違いの不遇な扱いを受けていた。

●しかしアン・ブーリンにも女の子しか生まれなかった。
 次の男の子は死産だった。権力に固執するアンとヘンリー8世の仲は急速に悪化した。王は次の王妃候補を見つけ、アンとの婚姻を無効とする理由を寵臣クロムウェルに考えさせる。

●アン・ブーリンを処刑して、王は直ちにジェーン・シーモアと結婚。
 やがてジェーン・シーモアは男の子を生むが、出産10日後に死亡する。王は悲嘆にくれるもののすぐに立ち直り、次の王妃を探させる・・・

新しい結婚をする度に、前の婚姻の無効理由を挙げることを繰り返し、結局ヘンリー8世は、生涯で6度の結婚をした。

王の死後、最初の3人の王妃から生まれた子たちが王位を継承した。
エドワード6世1547-53(ジェーン・シーモアの子)
メアリー1世1553-58(キャサリン・オブ・アラゴンの子)
エリザベス1世1558-1603(アン・ブーリンの子)
GO

GOの感想・評価

3.8
ヘンリー8世が笑えないレベルのゴミクズすぎて終始不快

物語自体は、複雑な当時の政情や人間関係を簡潔かつ丁寧に描いており、分かりやすく楽しめた

世界史をやっていて誰もがつまづくであろう、ヨーロッパ王室の関係も丹念に説明してくれるのでとても親切な作りだと思う

そしてなんといってもアン・ブーリン役のジュヌビエーヴ・ビュジョルドの美しさ!
激しくも悲しいアンの人生を見事に演じ切っていた

史実ではヘンリー8世はこの後も結婚と離婚を繰り返し、何人かを処刑している
裁きを下したクロムウェルも最後は失脚し処刑されている
絵に描いたような暗君

皮肉にも、結局アンとの間にできた娘がエリザベス1世となり、史上屈指の名君となった
ゆみみ

ゆみみの感想・評価

2.2
「ブーリン家の姉妹」よりシンプルで勉強になった。バーバラ・パルヴィン似のアン役女優さんが若々しく可愛かったので、ヘンリー爺がロリコンぽくて気持ち悪かった。この時代は爺&若いちゃんねーの組み合わせが多すぎて嫌だなぁ。でも、アンは性格悪いと思うし、どうしても男児が欲しいというヘンリー爺の気持ちもわかるし…。この時代に生まれなくてよかった!
TaeTae

TaeTaeの感想・評価

4.0
「たった1000日…その内の1日だけ愛した」と呟いていたアン王妃。そこへ現れた王ヘンリーに吐き捨てた言葉の強さ。
娘エリザベスを庶子にしないがために処刑されることを選んだプライドの高さ。
権利を放棄してエリザベスと暮らす道を選べば良かったのにと思ったりもした。
"ブーリン家の姉妹"よりも本作の方が好き。
学生時代池袋文芸坐で観て以来、約40年ぶりに見直した。ヘンリー8世治下のイングランド王室の暗黒粛清史。男の後継者がどうしても欲しい王は亡き兄から譲られたキャサリン王妃が男児を産めないことから、宮廷舞踏会で婚約者までいる若い溌剌としたアンを見染め口説きまくる。アンは王の命令だから侍従として仕える事は了承するが、姉も仕え子を産んだが冷たく捨てられた事から、現王妃と離婚して誠意を示さないと褥を共にしないと反発。当時カトリック教徒の離婚は王ともいえ認められず、王はクロムウェル(清教徒革命のクロムウェルとは違います)の奸計を取り入れ教会と決別しイングランド正教会を作リ絶対的な権力を握る。その間、ローマ教皇との折衝に失敗したウルジー枢機卿や法案成立に反対したトーマス・モアらの近臣を切り捨てる。しかし多大な犠牲を払って手に入れたアンが産んだのは女児エリザベスと死産の男児。王は次の妃の為にアンも断頭台に送る。死期迫るアンはこの不幸な出会いから6年を振り返り、結婚してからの1000日で王との愛をお互い感じあえたのは1日だけだったとの回想する。中世宮廷の衣装の荘厳さとバートン演じる王とビジョルド姫の互いに譲らぬ狂信ぶりが見応えあり。トーマス・モアの信念描いたジンネマン1966年作『わが命つきるとも』、アンの遺児エリザベス女王を描いたカプール1998年作『エリザベス』と繋げて観ればこの時代の王室史だいたい頭に入る。
やみこ

やみこの感想・評価

3.5

TSUTAYA発掘良品\(◡̈)/ さすが発掘良品という名だけあって良作!

エリザベス一世の母アン・ブーリンとヘンリー八世の恋〜からの別れに至るまで

あまりにも気が強すぎて見ていてたまにイラつくけどアン・ブーリン役の女性が美しい上に半端ない演技力!衣装もかなりゴージャスで毎シーン目の保養になる。

そしてヘンリー八世は少しオーバーな演技が舞台役者っぽかったけどアン・ブーリン役をよく引き立てていた。
ラストの幼いエリザベス一世のシーンは秀逸

#名台詞たくさん
BEtrSI

BEtrSIの感想・評価

4.3
いくら王妃に就いたって、王の前では無力そのもの。

まえにキャサリンにしたような仕打ちを受けたとき、すごい惨めだっただろうなあ
smile

smileの感想・評価

3.4
何も内容を調べずに鑑賞。

後から、歴史物であったと知った。

ひどい。苦しい。
こういう時代があったのだなと思った。

子供が息子でないだけで、
愛が消えてしまうなんて、、、
今はありえない話ですが。

もっと海外の歴史も知りたくなってる。
cowboy

cowboyの感想・評価

3.4
職権濫用!!
どの映画より一番酷いヘンリー8世では。でもリアル。欲望に囚われると怖い。
ヘンリ8世はカトリック信者は離婚できないという障害を乗り越え如何にしてアン・ブーリンと結婚に至ったのか、そして死罪に至ったのかがよく分かる。

王が1人の女性を愛したことからカトリック教会との対立、国王至上法、そしてイギリス国教会の創設まで後のイギリスの運命を大きく変えることになる。
ストーリーには1人目の王妃キャサリンの甥神聖ローマ皇帝カール5世(スペイン王カルロス1世)の反対やトマス・モアの処刑、エリザベス1世の誕生、キャサリンの娘メアリ・スチュアート、3番目の妻ジェーン・シーモアなどが登場する。

アン・ブーリンが自分の命と引き換えに守った娘エリザベスが後にイギリスを世界一の強国に導いていく事を思うと感慨深い。
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