42丁目のワーニャの作品情報・感想・評価

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pika

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4.5
チェーホフの戯曲「ワーニャ叔父さん」を公演するためのリハーサルを、ドキュメンタリーチックに演出したルイ・マルの遺作。
演出家とスタッフがリハーサルを見ていたり、幕間にガヤガヤと出演者スタッフ入り乱れての休憩シーンが挿入されたりと独特な味わいで、リハーサルなので劇場も修復不可能なズタボロ具合でセットもなく小物も貧相な中、臨場感を煽る手持ちカメラで劇を演じる役者を捉えると言う二重構造が面白い。

原作は有名で世界中で何度も公演されているとのことで劇自体がめちゃくちゃ面白いのもあって、そんな特異な構成であるのにリハーサルの最中は劇中劇とはとても思えぬ迫力があり、人物のクローズアップと会話劇だけなのに終始引き込まれてしまう。

人が来て去るまでの間に起きた些細な鞘当てが、人生に於いては瞬間的な出来事であるのにキャラクター達にとっては表面上の変化はなくとも自身の中で鬱屈して抱え込んでいた内面が表層に吹き出してしまうキッカケとなり、端的に「世界中に生きる我々」という凡庸で退屈な普通の人間を鋭い視点で描写している。

舞台劇としての魅力を損なうことなく、演技は映画用の演技で且つカメラもドキュメンタリー風ではあっても意図が存分に発揮される演出であり、劇中劇という奇をてらったような二重構造であるという緩急が、自分の内面を覗き込まれているような生々しくも身近なテーマを演劇であるという意識によって距離を生み、俯瞰で人生を捉えることができるのかもしれない。

若い頃より洗練された秀才であったルイ・マルだからこその秀逸な傑作であり、今作が遺作であるのがまた相も変わらず優等生過ぎるカッコよさだなぁと。
ルイマルの遺作、ワーニャオジサン


ジュリアンムーアの本領ここに。

履歴みてビックリ。  

演劇の学士を取得されてる、才女であられたのですね。  

ニューヨークのある劇場の1日。 

俳優は集まり、リハーサルを行う。

ルイマルの遺作が、

なぜかくも演劇チックに去るのかいまだにかんがえているのだが、

らしからぬ遺作。 

ワーニャ叔父さんをめぐるあれやこれやの登場人物

その中にジュリアンムーアがいらっしゃいます。

ルイマルのヌーベルバーグ的位置

作品幅のでかさは、やはり素晴らしい。

自身お金持ちの出身ですが、これだけの作風の違い、

米進出を含め果敢なヌーベリストは、

他にいない。

リスペクトルイマル。

2008年11月23日レビュー