美しき運命の傷痕の作品情報・感想・評価

「美しき運命の傷痕」に投稿された感想・評価

tak

takの感想・評価

3.8
「トリコロール」三部作が素晴らしかったキェシロフスキが遺したシナリオ案を、名作「ノー・マンズ・ランド」のダニス・タノビッチ監督が映画化した作品。

かつての悲劇的な事件を引きずる三姉妹とその母。それぞれが向かい合う様々な愛憎劇。

長女エマニュエル・べアールのパートでは、幾度も登場するらせん階段や壁の色彩が不安な彼女の心情を表現して見事。恋愛に臆病な次女カリン・ヴィアールのおどおどした演技が、この映画のユーモラスな部分を担当。愛にまっすぐな三女マリー・ジランは大学教授と不倫関係。

彼女たちの愛のかたちが繊細に描かれて、「細雪」を観ているような気持ちにさせる。

母キャロル・ブーケは、事件の後で言葉を失っているだけに、目力だけで説得力ある貫禄の演技。特にラストシーンで彼女が記す衝撃のひと言。そこには娘たちを守ってきた母親としての強い思いがあるのだろう。

ジャン・ロシュフォール、ジャック・ペランなど脇役も名優が配置されている。「007/リビング・デイライツ」のボンドガール、マリアム・ダボが旦那の浮気相手で登場。
akrutm

akrutmの感想・評価

4.0
夫に不倫されている長女、大学教授と不倫をしている三女、少年との不倫?をしている3姉妹の父親、というように、3姉妹とその両親に関する不倫愛がテーマになっています。長女や三女が取る過激な行動が一つの見どころです。さらに、次女によってもたらされる父親に関する真相と、それに対する母親の最後の言葉も凄いです。夫への復讐のために実の子供を殺してしまう王女メディアの話が途中で出てきますが、これがまさに母親の本心とつながるように思います。

本作はトリコロール3部作で有名なキェシロフスキ監督の遺稿を映画化しているので、キェシロフスキ色が強く出ている映像になっています。3姉妹の表現にも、長女は赤、次女は青、三女は白というように、トリコロールの3色が使い分けられている点も注目です。
鳥とか色々暗喩的だけど私の理解力じゃ‥残念ながらよく理解できず。
解説見なくちゃ。

しかし、シュールな終わり方‥。
お母さんの目ヂカラがすごすぎて魂抜けそう。
yahhotaka

yahhotakaの感想・評価

3.5
カッコウ、観葉植物、ねむの木、らせん階段、カレイドスコープ、天井、
運命と偶然の愛憎、悲劇のイメージ。
愛憎の偶然?運命?に翻弄された三姉妹の生き様。
長女、愛憎のイメージの赤、次女の愛に冷めた感じのブルー、三女の出口の無い闇イメージの黒、それぞれに象徴的な色が使われ、表現されていた。

それにしても、ラストシーンの母の言葉(筆談)全てが明らかになっても、「それでも私は何も後悔していない」の一言はとても怖い一言だった。
運命だったと捉えていたのか・・・・
難解だけれど、(映像が)美しい映画だと思った。
不遇な恋愛関係の家族内再生産のお話はどこか心理学の本でも読んだ記憶があるけれど、こうして映像化されると、本当に悲劇的。

それが、鳥の巣や植物といったモチーフと共に、象徴的な撮り方をされていて、もう、怖い、美しい、怖い、なんだったの…という感想しか出てこない私だった。
『えーうわーなにこれっ!わかんない!』が直後の感想(笑) つまんない訳じゃないし、難解な訳じゃなくて、自分の力不足で 見せたいことを100%受け取れない感じ?ひとつひとつに意味があるんだろうけど、わっかんない~。解説探して読まなきゃ…。原題は 地獄か…。癖になるー
Risa

Risaの感想・評価

3.0
おお、怖い。

3姉妹と母親の話です。
長女(アベール)は夫の浮気。
次女は世間からの孤立。
無垢な三女は不倫。

アベールには やっぱり魅了されますね。
観葉植物の葉っぱをむしり取って裸にされた枝の絵も頭から離れません…
嫉妬と、愛を求める姿 。夫の浮気、それでいて抱いて貰えないという 。
アベールの不倫相手と、旦那との頬っぺたピットリは恐ろしいです (笑)

父親の罪は巣から落ちてしまった かっこうの雛鳥を巣に戻して助けてしまったこと。
そのかっこうの雛は 他の卵を落として割り始めます…

母親の最後の台詞、この利己的な台詞こそ かっこうの生き方。
自分以外の卵を捨てて育った事を後悔していないと。

母親に会いに行った時に、
『来てくれてありがとう。愛されてる証拠だね』
それを聞いて3姉妹の苦い顔。
ここもなかなかの地獄…
皮肉です。

母親の最後の台詞も普通では無いです。
だって 夫の自殺で 声が出なくなってしまうほどのショックを受けていますし。
総ては 嫉妬の塊。恐ろしや恐ろしや…
noriko

norikoの感想・評価

3.2
エマニュエル・ベアール見たさに手を取った一作。
相変わらず人を魅了するお姿で。

さて、本作ですが、トラウマを引きずり人生に支障をきたしている姉妹の話です。
長女ソフィは夫の浮気を疑い、調査。ここまでは、一般的なので理解できます。
怖いのはそのあとです。
情事をおえ夫が浮気相手の家を出ます。
その後、女の部屋に行き、自らの顔を相手の肌にこすりつけるのです。
匂いを感じているのか・・・ホラー映画並みの怖さです。

次女セリーヌは、完全なオールドミス。
母に対する父の暴力を見てしまったからでしょう、男性不信です。
そんなセリーヌのあとをつける男性がいるのですが、正体は・・・。
真相を知るまで完全なストーカーだと思っていました。
そして真相を知ったら、悲しくなりました。
意を決して脱いだのに・・・。

三女アンヌは、父親ほどの大学教授と不倫をしていましたが、振られます。
振られたあとの執着が異常です。
不倫相手の家庭に乗り込んで、本人を目の前にして恋愛相談するのですから。
父親不在で育ったからこそ、父親以上の歳の男性に溺れるのでしょう。

何といっても母親が強烈です。
父親の自殺の原因は、実は誤解だったことがわかってもなお、後悔していないとは。
個人的に、誤解であったことを知っていたと思います。
知っていても火のように燃えたぎる残酷性が、理性を完全に封じ込めてしまったのでしょう。

この猟奇性は、しっかり遺伝で姉妹に伝染しています。
トラウマを引きずっているのではないです。
母親の猟奇的な性質が引き継がれていることが問題です。(特に長女と三女)

総じて、あらすじは面白いものの、上手に演出できていないです。
ちなみにケースには愛と再生と書いてありますが、最後の母の一言で再生の可能性をぶった切っていると思います。
2013.12.1
暗い映画ですが、好きですよ。全然美しくなくてドロドロしてますが笑
d

dの感想・評価

1.0

このレビューはネタバレを含みます

三姉妹それぞれの恋愛や結婚生活。ハッピーな話はなく、別れがメイン。自殺した父は可哀想。ちゃんと伝われば良かったのに。
>|