美しき運命の傷痕の作品情報・感想・評価

「美しき運命の傷痕」に投稿された感想・評価

yahhotaka

yahhotakaの感想・評価

3.5
カッコウ、観葉植物、ねむの木、らせん階段、カレイドスコープ、天井、
運命と偶然の愛憎、悲劇のイメージ。
愛憎の偶然?運命?に翻弄された三姉妹の生き様。
長女、愛憎のイメージの赤、次女の愛に冷めた感じのブルー、三女の出口の無い闇イメージの黒、それぞれに象徴的な色が使われ、表現されていた。

それにしても、ラストシーンの母の言葉(筆談)全てが明らかになっても、「それでも私は何も後悔していない」の一言はとても怖い一言だった。
運命だったと捉えていたのか・・・・
難解だけれど、(映像が)美しい映画だと思った。
不遇な恋愛関係の家族内再生産のお話はどこか心理学の本でも読んだ記憶があるけれど、こうして映像化されると、本当に悲劇的。

それが、鳥の巣や植物といったモチーフと共に、象徴的な撮り方をされていて、もう、怖い、美しい、怖い、なんだったの…という感想しか出てこない私だった。
『えーうわーなにこれっ!わかんない!』が直後の感想(笑) つまんない訳じゃないし、難解な訳じゃなくて、自分の力不足で 見せたいことを100%受け取れない感じ?ひとつひとつに意味があるんだろうけど、わっかんない~。解説探して読まなきゃ…。原題は 地獄か…。癖になるー
Risa

Risaの感想・評価

3.0
おお、怖い。

3姉妹と母親の話です。
長女(アベール)は夫の浮気。
次女は世間からの孤立。
無垢な三女は不倫。

アベールには やっぱり魅了されますね。
観葉植物の葉っぱをむしり取って裸にされた枝の絵も頭から離れません…
嫉妬と、愛を求める姿 。夫の浮気、それでいて抱いて貰えないという 。
アベールの不倫相手と、旦那との頬っぺたピットリは恐ろしいです (笑)

父親の罪は巣から落ちてしまった かっこうの雛鳥を巣に戻して助けてしまったこと。
そのかっこうの雛は 他の卵を落として割り始めます…

母親の最後の台詞、この利己的な台詞こそ かっこうの生き方。
自分以外の卵を捨てて育った事を後悔していないと。

母親に会いに行った時に、
『来てくれてありがとう。愛されてる証拠だね』
それを聞いて3姉妹の苦い顔。
ここもなかなかの地獄…
皮肉です。

母親の最後の台詞も普通では無いです。
だって 夫の自殺で 声が出なくなってしまうほどのショックを受けていますし。
総ては 嫉妬の塊。恐ろしや恐ろしや…
noriko

norikoの感想・評価

3.2
エマニュエル・ベアール見たさに手を取った一作。
相変わらず人を魅了するお姿で。

さて、本作ですが、トラウマを引きずり人生に支障をきたしている姉妹の話です。
長女ソフィは夫の浮気を疑い、調査。ここまでは、一般的なので理解できます。
怖いのはそのあとです。
情事をおえ夫が浮気相手の家を出ます。
その後、女の部屋に行き、自らの顔を相手の肌にこすりつけるのです。
匂いを感じているのか・・・ホラー映画並みの怖さです。

次女セリーヌは、完全なオールドミス。
母に対する父の暴力を見てしまったからでしょう、男性不信です。
そんなセリーヌのあとをつける男性がいるのですが、正体は・・・。
真相を知るまで完全なストーカーだと思っていました。
そして真相を知ったら、悲しくなりました。
意を決して脱いだのに・・・。

三女アンヌは、父親ほどの大学教授と不倫をしていましたが、振られます。
振られたあとの執着が異常です。
不倫相手の家庭に乗り込んで、本人を目の前にして恋愛相談するのですから。
父親不在で育ったからこそ、父親以上の歳の男性に溺れるのでしょう。

何といっても母親が強烈です。
父親の自殺の原因は、実は誤解だったことがわかってもなお、後悔していないとは。
個人的に、誤解であったことを知っていたと思います。
知っていても火のように燃えたぎる残酷性が、理性を完全に封じ込めてしまったのでしょう。

この猟奇性は、しっかり遺伝で姉妹に伝染しています。
トラウマを引きずっているのではないです。
母親の猟奇的な性質が引き継がれていることが問題です。(特に長女と三女)

総じて、あらすじは面白いものの、上手に演出できていないです。
ちなみにケースには愛と再生と書いてありますが、最後の母の一言で再生の可能性をぶった切っていると思います。
2013.12.1
暗い映画ですが、好きですよ。全然美しくなくてドロドロしてますが笑
d

dの感想・評価

1.0

このレビューはネタバレを含みます

三姉妹それぞれの恋愛や結婚生活。ハッピーな話はなく、別れがメイン。自殺した父は可哀想。ちゃんと伝われば良かったのに。
前半かなり意味不明で、少しずつ明らかになっていくストーリーの全体像が見え始めるまでは、何が起こってるのか非常に分かりにくい。夫の浮気に探りを入れるソフィ、既婚者のおっさんと不倫関係にあるアンヌ、病気の母の見舞いに通い続けるセリーヌ、この3人の姉妹が織りなす哀しみのラブストーリーと、過去に起こった父の不祥事のミステリーが絡み合う、何ともヘヴィな作品なんだけど、途中までは面白くなんのこれ?って思ってたんやけど、光と陰のどぎついコントラストで、見えにくいような美しいような何とも言えない映像世界とミステリアスな音楽の醸し出す耽美的なムードにのみこまれて、何とか見続けていると、真ん中くらいから、そーゆーことか!ってなってだんだん面白くなっていく。挫折せず見てよかった。で、後半は全てのラヴが悲劇のうちに瓦解していくんだけど、それぞれのエピソードのオチがなかなか面白くて、まぁそこそこ満足が得られたからよかったわと思って、見終わったあと、軽くもう一回見始めてんけど…え…1回目と全く違って見える…。後半への伏線だらけの前半に驚き、てか1回目より全然面白いねんけど! マジかよ! 最初からそうだと言っといてくれよ! てかせめて、2回目見たくなるようにもっと面白そうに作っといてくれよ!と思った笑 というわけで、この映画、2回見るべし。ほんまに、あれ?ってくらい違って見える! ちなみに、ポーランドのテレビドラマのデカローグの第2話目を髣髴させる演出(葉っぱむしりむしりとコップの中の虫)が出てきて、おや?と思ってたら、最後にデカローグの監督のキェシロフスキに捧ぐって出てきて、しかも原案がキェシロフスキなのでした。てか、邦題のセンスなすぎて笑ったw ぜんぜん美しくねぇよ! ふと疑問なのは女の人はこの人物たちに共感できるのかな?てこと。男視線からしたら、恐怖でしかない笑 あーこわ。あと電車のおっさん、最後残念やったね。
みそ

みその感想・評価

3.3
暗い。暗いな。嫌いじゃないけど。
主人公3人って感じでそれぞれの女性が恋や人生に悩む。
恋っていうきらきらしたものじゃなくて、もっとこうドロッとした感じの。
だんだん3人の共通点が、と思ったら兄弟だったというオチ。
最初のシーンにつながる。

お母さん、苦労人だね。。
なぜ喋れなくなったのか、車椅子なのかはやっぱりあの事件のせい?バカな父親に呆れる。

エマニュエルはいつもなぜ脱がなければいけないのやら。笑
美しいのだが、もう少し出し惜しみしても良いと思う。

全体的な映像はとても綺麗。影と光がいい感じの印象。
個性的な女優3人が、浮気される妻、孤独な女、不倫に走る女というバラバラでありながら、元を辿れば「ある出来事」に集約される傷を負った三姉妹を演じている。そして、理屈では、または「偶然」という概念では説明できない「運命」というものを軸に、3人の物語がグルグルと回り始める。

あらすじをざっと説明した感じだと、「運命は自分で切り開く」とばかりに成長を遂げるだけのありがちな映画と思ってしまうのではないか。自分も途中までそう思っていたし、物語も確実にその方向に進んでいた。
しかし、物語は「鶴の一声」を炸裂させて急速に幕を閉じる。そして、劇中何度も登場した螺旋のようにカメラは回転し、その遠心力でこれまでのストーリーを吹き飛ばしてしまった。

そして思うに至る。「運命から簡単に逃れられると思うなよ」と。あなおそろしや、運命至上主義。
彼女たちの選択は一見力強そうに見える一方で、運命の大いなる力に支配されているだけと捉えざるを得ないのだ。この映画の狙いは、運命という神の力を知らしめるという宗教的な部分にあって、他のフェミニンなおフランス映画とは一線を画している。近いものを探すとなると、「北斗の拳」になりかねない(笑)。
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