漠然とした"負け組"たちの話だったと思う。
街の隅っこの新聞販売店でくらす青年の哀愁や、タトゥーを途中までしか入れられなかった男、アマのキックボクシングで失神負けした男や、その他出てくる登場人物は…
昭和の純文学にはこういった若者が抱く湿った暗鬱とした作品が量産されてそれが芸術として受け入れられていた。私もこういう文学を読んで主人公と同化して暗鬱とした気分を昇華させていたが、この作品は映画として…
>>続きを読む閉塞感と鬱屈した日々が歯痒い。
決して経験したことはないけれど何故か彼の感じていることがわかる気もする。
何者にもなれず何者でもないと気付いたやりきれない気持ちが爆発してしまうけど、いつもと変わらず…
“どういう具合に生きていったらいいのか、わからないなァ”
19歳の新聞配達員の吉岡は自分の気に入らない配達先があると、独自の評価で✕をつけていく。✕が貯まるとイタズラ電話などで嫌がらせを繰り返し、…
今では絶対に再現不能なシーンが冒頭から爆発する。
70年代後半の東京北区王子、十条周辺の描写が素晴らしく、それ自体が当時を伝える貴重な資料となるのではないか。
川縁のバラック街、回転展望塔、ガスタン…