殺し屋ハリー/華麗なる挑戦の作品情報・感想・評価

「殺し屋ハリー/華麗なる挑戦」に投稿された感想・評価

このレビューはネタバレを含みます

「影なき狙撃者」の熱狂的なファンからするとこんなフランケンハイマーもあるんだなとびっくり。足をコンクリで固められて海に沈められていくのにヘンリー・マンシーニの軽妙な曲「Hangin Out」 が流れて悲壮感ゼロ。製作された74年といえば「ゴッドファーザーPart2」や「チャイナタウン」などシリアスな犯罪ものに傑作が多いが、これもいいな。ブラッドフォード・ディルマンの実に嫌らしい笑い方がいい。悪役は何と言ってもチャック・コナーズ。義手を様々なものに付け替える場面の楽しさはもちろんのこと、最後には義手をリチャード・ハリスと戦っている時に切り落とされてしまった時のあっけに取られた顔はなんだか可愛らしくさえ見えてしまう間抜けさだ。クリーニング工場(?)へバフィーを救出に行く様子がいい。ベルトコンベアーに腹ばいになって進んでいる様子なんて最高だね。
シュールな犯罪アクション。ギャングの抗争で雇われた名うての殺し屋の活躍を描く。当時の英国犯罪映画のテイストを意識した一種のパロディなのだろうが、表面だけなぞったようなヒョロヒョロした感じはなく、しっかりとした質感の暴力映画になってる。ハードなカーチェイスにヘンリー・マンシーニの音楽を合わせたシーンがかわいい。カギ爪の悪役のチャック・コナーズもかわいい。女がみんな同じような髪型の栗毛美人で見分けがつかないけど、メイクが70年代らしいおしゃれ感が出てるのがなんか意外だった。
2017.2.12 スターチャンネル(録画)(字幕)
骨太野郎ジョン・フランケンハイマーのキャリアの中でも異色で埋れがちなこの映画は、
ギャングの抗争で雇われたリチャード・ハリス演じるウディ・アレン似の殺し屋ハリーの言うほど華麗ではないけど抜群に楽しく、お洒落な活劇、ガンアクション、ハードボイルド、コメディー、サスペンスが混然一体となり独特の浮遊感をもった良い感じに変な作品。

まず原題とアメリカンポップアートのオープニングクレジットが超クール。
そしてそのあと続くギャング同士の抗争や死体の足をコンクリで固め海に沈めるシーン。
やってることはかなり生々しく残酷なのに場違いで軽々しいナレーションとヘンリー・マンシーニによるさらに軽快な音楽が被さってくるもんだから、もう何か色々おかしい。
完全に心掴まれた。

ハリーをはじめキャラもみんな濃ゆくて、中でもハリーの命を狙う敵側の殺し屋として登場してくる
「鉄の爪」と呼ばれる左手に鋼鉄の義手をはめたチャック・コナーズ演じるマーヴィンが最高。
義手がある時はコルク抜きになったり、でっかいハサミになったり、鞭になったり、お花咲いたり、マシンガンになったりするフック船長の進化版みたいなやつで、それを女の子に見せびらかしてはニタニタと不気味な笑みを浮かべる様はちょっと可愛い。
物語を盛り上げ絶対最後は呆気なく死んでくれるんだろうなと一発で確信させてくれる愛すべき憎まれ役。

本当所々、息抜くタイミング間違えたみたいにやたらコミカル。
でも魅せるところは魅せ、
緊迫するところはしっかりと手に汗握る程に緊迫させてくれるから流石フランケンハイマー。

並のギャング、アクションもの、娯楽活劇とは一線を画す不思議な魅力溢れる珍品。埋れちゃダメ。