三本指の男の作品情報・感想・評価

「三本指の男」に投稿された感想・評価

3104

3104の感想・評価

3.0
観た後に横溝ファンの方が憤慨されていたので、原作にあたる『本陣殺人事件』を読んでみた。なるほど憤るのも無理からぬ。今風の言葉を使うと“改悪”というやつだこれは。映像化にあたり原典にアレンジを加えるのはよくあることだが、それにより肝やエッセンス、何より情緒を台無しにしてしまってはいけない。

それでも序盤~途中までは原作に近い形で進む。しかしタイトルにもある「三本指の男」の扱いと、何よりミステリィの根幹に関わる「動機」「密室殺人のトリック」の描写が酷い。

ノックスの十戒にもある通り、秘密の***はさすがにいただけない。後だしジャンケン甚だし。しかもその秘密の***の発見も論理的な推理・考証によるものではなくただの思いつきに助けられたような感じなのだから余計にタチが悪い。

かのように作品の構造に難あれど、他に見どころはいくつか。
片岡千恵蔵の金田一は悪くはない。例えば石坂浩二や古谷一行のように金田一耕助といえば和装というかくたびれた書生風でボサボサの髪のイメージが強いが、ここでは髪をキッチリまとめてスーツ姿を決め込んでいる。飄々とした感じで決して吃ることもなく、言ってみれば「戦前のスター」然とした佇まいなのだがこれはこれで作品にマッチしているともいえる。
原作ではさして活躍しない白木静子役に原節子。丸眼鏡姿が凛々しくそして素敵だ。外せば「きっと美人」(作中のセリフより)なのだが、話や事件の展開とは別に、彼女の貴重な眼鏡姿をもっと観ていたい気分にさせる。
他に妙に老け役設定の杉村春子や磯川警部役に宮口精二などが出演。

珍品を観た、という解釈で(作品のトンデモぶりを)納得するのがベターか。
chiyo

chiyoの感想・評価

3.0
横溝正史「本陣殺人事件」の映画化で、片岡千恵蔵による金田一耕助シリーズの第1弾。原作未読、市川崑「悪魔の手毬唄(1977年)」しかシリーズ映画を観ていないのが功を奏したのか、スーツ姿の金田一耕助に違和感を抱くことなく、その世界にすんなり入っていけた。ただ、タイトルにも冠された三本指の男のいかにもな風貌、思っていた以上に大掛かりなトリックに軽く唖然。それでも、その全てをB級映画のそれと捉えれば、意外になかなか楽しめる。そして、白木静子演じる原節子。序盤の勘違い尾行事件、金田一との掛け合いがコミカルで可愛い!特に後者は、金田一の無茶ぶりを驚きながらも受け止めるのが面白い。それにしても、さほど出番は多くないのに、一柳糸子演じる杉村春子の存在感はさすが。でも、難しい表情しか見られなかったのがちょっぴり残念。とりあえず、映画とはまるで違うらしい原作を読んでみたい。
金田一耕助の謎解きモノ、助手に原節子。丸眼鏡姿で立っているだけで100点…。ブレードランナーのレイチェルそっくりのヘアースタイルですが素敵です。ミステリ作品のザ・基本みたいな作りで楽しめます。