アンチェインの作品情報・感想・評価

「アンチェイン」に投稿された感想・評価

小林

小林の感想・評価

3.7
演出が過ぎるところは確かにあるけど、それぞれの人物へのギリギリの距離感のバランスがうまくて、アンチェイン梶という人間を周りの人たちとの関係性の中で描いていく構成がよかった
そして何よりキャラクターがいい
やんちゃに見えて、友人たちは心底真面目な人たちなんだろうと

ただ、西林との再会シーンは、チラ見する豊田監督のせいで泣けなかった
BruceWayne

BruceWayneの感想・評価

4.5

演出の妙なのか、濃すぎる。

西林「(ボクサーはね、)まず夢が出来るんですよ。その後に可能性がでてきて、現実がくる。」

これはボクサー以外にも言える。
そしてその現実が幸か不幸なのか。

ガルーダ「人間なんてコンプレックスの塊でしょ。10年やって鳴かず飛ばずの人も沢山いるわけですよ。でも僕は抜けたんですよ。」

ガルーダにとって現実とは幸せなものなのだろう。

「魂とは、合言葉みたいなもんですねえ。」と呟く梶はガルーダや西林からしたら、救われなかった人間だろう。

退院してきて、公園の遊具で遊ぶ梶は児童の様だった。西林の話を聞く梶は、優しい表情をしていた。ガルーダが上がるリングを上から見下ろす梶は、羨ましそうな表情をしていた。

「夢は諦めなければ必ず叶う」という言葉は、成功者が結果論から生み出した言葉だということを改めて感ずる。

そして人生とは、勝ち負け、光と影、二者択一で決められるものなのか、という永遠の難題を突きつけられた気がする。自分が幸せならそれでいいじゃないかと言われてしまえばそれまでなんだが。


ああ、梶さん、最後の一言、すごい大根だった………
紫色部

紫色部の感想・評価

2.5
2017.10.26 U-NEXT

監督の過剰過多な演出がドキュメンタリーにおける生身の熱量を度々阻害するが、そういった空回りを補って余るほどにアツい男たちの闘魂に思わず目頭が熱くなる。あいりん地区、障害者手帳、鉄板焼き、ツテンカーク…
作り手が凄いとは別に全然思わないが大分好き。憂歌団の世界である。
一瞬映り込む梶さんの一級の障害者手帳が頭にこべり付く。診断や症状はロクに説明されないし、単なるエキセントリックなおっちゃんってニュアンスで見てた分余計に。一体どうしたんだ。
あと、序盤に披露されるガルーダ・テツの飛田東映勤務時代のエピソードが強烈だったりする。
最後の一言の意味がわからないのがちょっと悔しい。梶の行動は、周りとしては迷惑だと思う。だけど追い詰められていっている様子を見ているのが辛かったし、焦ってしまう気持ちもわかる気がする。
アーリー90's 大阪ヤンチャ感が堪らん。
この時代の男は写真撮る時やたらケツ出す。
登場人物は梶を含め皆、個性的でそれぞれのエピソードにも事欠かないが、あくまで試合シーンで作品を引っ張っているのがいい。
感傷から逃れるような最後の締め方も、らしい。
ダサく弱く勝てないのが男だが、
勝とうとしなけりゃ男じゃない。のだな。
かっこいいい
ボクシング、男4人、大阪
これだけでかっこいww
お洒落ぜろ!

中心の梶とは絶対かかわりたくないけど、まわりの人が良い。。。
一定の距離を保てる人が梶の周りに残れてるような?
バカだって見放さなくて、近づきすぎてもう無理にもならず、キチ梶の良いところに目がいってて素敵だなと。
梶のキャラ設定がキレすぎてるw
ドキュメンタリー嘘だろ?って感じです。
良い思想を持ちすぎてぎちぎちにからまってるなとおもた。

もっとこういうの見たいです。
月のじじいかわいそwww
Torichock

Torichockの感想・評価

3.7
「アンチェイン」

豊田利晃祭、開催中


誰一人、勝ち続けることのできる人間などいやしない。
7戦0勝6敗1分のボクサー、不器用で泥臭くどうしようもない、無垢で粗暴な男のドキュメンタリー。
登場人物は、このアンチェイン梶という男。

そして、そのアンチェイン梶と関わり合いを持つ、キックボクサーのガルーダ・テツ、永石磨、西林誠一郎。

この男たちの、友情と呼ぶには突き放され過ぎてる、けれどしっかりとつながり合っている物語を軸に進む。
関西弁丸出しで進む上に、呂律が回ってない人間多数のため、何度も聞き直さないと分かりづらいという欠点はあるものの、彼らが口にする言葉や、彼らの付き合い方を観ていくうちに、彼らが向かっていく方向や、なぜ彼らが繋がっているのかが、ほんの少しずつ伝わってくる。
そして、最後の闘い続けるガルーダの姿を眺める半助(アンチェイン梶)の姿が目に焼きつく。

相手を倒し、のし上がっていく世界。
その中で、この映画に出てくる男たちは、どこか頼りなくか弱ささえ感じてしまう。
リングの上に立てば、彼らは相手に牙を抜きながら闘うオオカミなのに、どうしてだろう?彼は、揃いも揃って脆い。

プロのリングで一度も勝つことのできなかったアンチェイン梶。一級の障害者手帳を持つこの男は、タクシーの運転手を片っ端からぶん殴ったり、"なんでも屋"といういかにもな商売を始めたかと思えば、組織への着信元に、黄色いペンキを頭からかぶり仲間を集めて殴り込みをしたり、よく知らないおっさんに"一緒に月を見よう"と声をかけたり、それそれは簡単に片付けてしまえば、基地の外の人には間違えない人。

だけど、そこに線引きをして、簡単に区別していいのだろうか?
社会からはみ出てしまった人間が流れ着いた場所で、それでも暴力の中で純粋に生きている人間をどうして指差せるのだろうか?

アホやな

と言いつつ、それでも付き合いが続いていく彼らの友情は、週刊少年ジャンプの友情なんかよりもずっと、サッパリしててベタベタしてなくて、お互いの話も通じてるのか通じてないのか分からないのに、ちゃんと繋がってるように見える。
まるで、豊田利晃自身と豊田利晃作品の登場人物との距離のように。

アンチェイン梶が服役(精神病院)に入所している間に、勢いのあった、強かった仲間・ファイターが、少しずつ負け始め、それぞれがそれぞれの道を選んで歩き始める。
家庭を持つもの、安定した仕事につくもの、そして、それでもリングに立ち続けるもの。

プロのリングで一度も勝てなかった男が、彼らに与えたものはなんだったのだろう?
ボロボロになりながらも、それでも立ち続けるガルーダの姿を見たアンチェイン梶の目には、何が映っていたのだろう?

格闘家としての光と影
人間としての光と影

でも、人生は光と影の二分だけじゃないだろう?

夢の終わりとか、社会への適合とか、やりたいこととか、自由とか、そういうものを全て、いつから自分に折り合いをつけていくのだろうか。
いつまでも、心の思うままに解放された人生を送ることは出来ない。いつかは、制御して、コントロールして、ブレーキを踏んで生きなければならない。
でも、それが出来ない人、ブレーキが壊れてしまった人がいでもいい気がする。

アホやな

と思いながら、でも、壊れたブレーキのまま突っ走るスピードの純粋さに、心を打たれたって構わないじゃないか。

誰にだって、ブレーキが壊れるくらい、踏み込みたい瞬間はあるから。僕はその時、ちゃんと踏み切る人間になりたいよ。

観終わって数日経つが、やはりこれもまたドキュメンタリーでありながら、完全に豊田利晃映画だった。
なお

なおの感想・評価

3.0
勝った事の無いボクサーのドキュメンタリー。そこに焦点を当てる事自体が面白い。
AB

ABの感想・評価

3.8
4人のボクサーのドキュメンタリー。
0勝6敗一分けで引退したアンチェイン梶。
自分を轢いた運転手を探すタクシー狩り、ペンキをかぶってあいりんセンター殴り込みやセコンドで大暴れ等 まさにアンチェイン…
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