バード★シットの作品情報・感想・評価

「バード★シット」に投稿された感想・評価

ninjiro

ninjiroの感想・評価

4.6
凄い。何が凄いって頭から尻尾までもうずーっとふざけまくり。一本の映画でこれだけ徹底してふざけることが出来るものなのか。普通の映画ならこの混沌をコメディとして成立させる為に一本の作品としての質を大いに犠牲にする必要があるだろう。しかしアルトマンはそんなことは意にも介さず手際鮮やかにバンバン捌いて彼の他の作品の中にも類を見ない程の「緻密なカオス」を紡ぎ出す。
前作「M★A★S★H」で一発デカく当てた実績を盾に、製作側の指図は一切受け付けないという条件の下、アルトマンのこれでもかのやりたい放題がメジャースタジオで炸裂する。それだけでも痛快というものだ。
本邦での公開の折、「Brewster McCloud」という原題に「BARD★SHIT」なる邦題を付け、「★」の部分に仄かに「M★A★S★H」を匂わせて何とか売ろうとした当時の配給の苦労も偲ばれるが、確かにこれには相当頭を抱えたであろうことは想像に難くない。
冒頭に書いたように、この作品は意図的にカオスを描くことに主眼が置かれており、「M★A★S★H」のような一般的な笑いの誘発を目的とするコメディとしては成立していない。何しろ登場する人物全員がものの見事に全員おかしいのだ。しかも彼らは普通のコメディ映画にありがちなあからさまな変人という訳ではなく、皆が皆もっともらしい顔して如何にも真っ当なことを言っていそうで、そのくせ安心してちょっと気を抜くとその背後からバカがダバダバ漏れ出してて、え?と思えど誰かが突っ込みを入れてくれる訳でもなく何となく観ているこちらばかりが気まずくなってしまうといった感じ。
また劇中、本格サスペンスが動き出すかと思いきや二、三歩目で早々に蹴つまずき、手に汗握るカーチェイスが始まるかと思いきやただ延々と車が走るだけ。始まりそうで何も始まらない。数多のボケにも数多の伏線らしい何かにも誰も突っ込まず誰も回収しようとしない、何かしようとすれば直ぐにそれらは全て混沌の中に取り込まれてしまう。所謂「映画的な映画」に慣らされていればいるほどに、この不条理な混沌が支配する作中世界はユーモラスというよりも私達の現実により近く、あたかも広大な泥沼のように映るだろう。
類型を無視し続け、左にハンドルを切ったから当然左に曲がるだろうという無意識レベルの感覚を悉く丁寧に裏切りまくり、何の担保も無いままに信じ続けられる映画的常識、延いては社会通念という名の只のお約束の危うさをおちょくり、無意味な意味に火をつけ燃やし、人の尊厳と星条旗をきっちり鳥の糞に塗れさせる。それに翻弄されて唖然とする私達を、アルトマンは嘲笑う訳でもなく、ただ冷めた視線で見つめ続ける。

兎にも角にも、これは普通の映画ではない。
鑑賞後、もしこの映画の結末に胸のざわつきを感じたならば、これはきっとあなたにとって「怖い」映画になるだろう。

このレビューはネタバレを含みます

ロバートアルトマンのブルースターマクロード。鳥になれば!



1970年MGM作品。
脚本ドーランウィリアムキャノン(ドーラン自身が監督したいと言うが叶わず)
監督ロバートアルトマン。



オンデマンド商品が紀伊國屋書店でも扱い可能になり真っ先に注文発注ゲットした。

お気に入り監督のロバートアルトマン。ここで見てきたアルトマン作品おさらい。

戦争外科医から見た戦地キャンプは意外に楽しそうな宴地獄。カンヌ受賞の「マッシュ」

結婚式から壮大幾層もなる人間模様をレアゲストを配して作り上げた「ウェディング」

ファッションショーから見えるそれぞれの事情「プレタポルテ」

映画会社を取り巻く右往左往とハリウッド雑言とスタッフ関係「プレイヤー」

ラジオ歌謡ショーから最後の素晴らしいアルトマニズム遺作「今宵、フィッツラルド劇場で」

などなどしこしこ見てきました。

初期作品。雑誌で度々見ていて単純に気になった。

ていうか題名「バードシット」って

「鳥の糞」

って気になるでしょ!いやあお下品って気になる。 

写真みるとアメリカンニューシネマの秘蔵っ子バットコートが吊り下げられたのような1人鳥人間コンテスト状態。

まあオカシイ映画に違いないと思っていた。商品到着後なかなか見れず、2018年ようやく見れた。ワーナー受注生産DVD鑑賞しました。



2018年自宅鑑賞ベストでましたねえ!こりゃ~すんごくね。変で妙な映画。だけど、

ラスト素晴らしかったなあ(涙)

ろくでなしっ子
世に羽ばたいて
落下する
映画だ!終了(ピー)

バットコートが完全になりきってるよなあ。歪んだ少年でねえ。バットコートって完全にこの子役時代が凄すぎて、大人になって芽がでにくくなるタイプだよなあ。ほかマコーレカルキン、ハーレイジョエルオスマントとか、コリーハイム(「アドレナリン2」に出てたんだ?!)、コリーフェルドマンのWコリーとか最近復活してきたエドワードファーロングとかね。子役で旨みを知って成人して悪さに走る流れだす。

 このバットコートの良さは、変な役つまり根暗な男の子が上手いいやなりきってるのよね。本作では、信念強く、屁理屈と理不尽な役に挟まれた役柄だ。

最初から凄く意図的に変なの。
「台詞忘れたなあー」(笑)とか、
クレジットが出るまでのカメラワークをもう1回やり直したり。

いちおMGMの文字が出る大手映画会社の作品なのにこんなに自由過ぎるのが許されている事実。今じゃ無理でしょ。

ロバートアルトマン「マッシュ」で一儲けした後だから出来たのかもしれない。資料読むとアルトマンも「一切口出しさせない」という契約を結んだみたいだ。
もう自由すぎ。なんせ「鳥の糞」だからね。

本作は現実的なお話ではない。「飛翔」やら「高く跳べ」なんて幾多の小説やら時代的文句になったテーマではある。が、そもそも鳥になりたいなんて、いやいやなれないがリアルな話。
それを映画でやりましょう、見てみればそれは寓話性に富むという流れ。
だから訳わかんないし、きっとヒットもしないし、2018年に日本ではオンデマンド商品だ。

いきなり先生が解説する。なんか変な動きをしている。鳥の解説となんかの講釈をしている。
その声はいつのまに画面にかぶさるようになり、バットコートの生態を追っているかのよう。バットコートいや「ブルースターマクロード」がさながらバードシットになりたいがごとく。このノイズが画面にラジオのようにかぶるのも「マッシュ」で生かされた手法。無造作無意味に見えて観客に何かを放送するかのようなボイスイン。

本作の面白さは、とても娯楽とはほど遠い。根暗な人達の惑わしあい、すれ違いのよう。鳥のように自由過ぎる困った人間たちが、すれ違う物語だが、物語も物語。まあまあ変わったお話。

だからこそ引きつけられた。娯楽性ばかりの映画ばかり見ていると理路整然、感情鈍化しそうな娯楽ジェットコースターに鞭をうつ1970年ロバートアルトマン作品だ。だから好きなんすよ!70年代アメリカ映画。

物語は、とあるとこに勤めるバットコート。まあこの導入の所も滅茶苦茶おもれえんだが。目標は鳥になること。お金を貯めつつ、スタジアムに秘密の部屋に住んでいるよう。そこに出入りする女性2人。1人はサリーケラーマン。ロングコートに身を包み、怪しい微笑みでけむに巻く。このサリーもオカシイからねえ。けどね見終えてから考えさせるのよねこの娘ね。バットコートに近づく娘。

もう1人は、ミスズ「シャイニング」、本作デビュー作のシェリーデュヴァルだ。
もーポーっとしていて、
サバサバしていて、
仕事しているけど
変わってるシェリー。
シェリーデュヴァルは、ロバートアルトマンのミューズとなっていく。その最初がこの役必見。お2方名演技披露とかない迷演技だ。困った女性を見るつもりでご注意ください。

私が心を撃たれたのはまぎれもないラスト。
幾つか指摘あるのだが、やはりフェリーニを思い起こす、あのグィド監督のあの作品。だが、ロバートアルトマンは、あの映画よりも大らかでかつ冷たい。
あの展開からの落ちに涙が伝う。

人生しがないパーティーだよ
行進だよ
飛んだのか?
飛んでないのか?
ク○なのか鳥なのか人なんか?

ブルースターマクロードの端っこを見つめた悪さと一途と不器用さに何がしらの自分がシンクロする。
ラストの素晴らしい落ちにこの映画の○ソ素晴らしい昔話のような趣さえ垣間見る。アメリカ映画に見えないヘンテコな屁理屈と実行するブルースター。

まさしくアメリカンニューシネマだからこその技。
アルトマンの思いは、以後作、本作の語り口のバリエーション作品にも見える。
アルトマニズムの最初のストーリーテーリングに見えた。本作アルトマンの最高傑作に見えてきた。ここまでいい加減で、オフビートしまくりで、

THE皮肉の○ソ

のような作品を作り上げた事に驚愕する。

こんな作品やはり撮れないよなあ、2018年断トツ1番な作品だった。

ひれ伏した。
参った
またまたバットコートにやられた。オールタイムに食い込むハルアシュビー「ハロルドとモード」の時と同じくやられたのだ。バットコートのクリクリお目に。



さて
ロバートアルトマンのブルースターマクロード、鳥になれば!

アルトマンファンの方は絶対おすすめです!!!

追伸
まさかシェリーデュバルが出てるDVD2枚も所持するとは。「シャイニング」と本作。あとね「愛しのロクサーヌ」をオンデマンドで欲しいと思って3枚目計画中。

本日Yahoo!ブログ投稿、少し加筆。
Jeffrey

Jeffreyの感想・評価

4.0
‪「バード★シット」‬
‪先程紹介したハロルド…の主演を務めたB.コートに惹かれ、前々から気になっていた世界三大映画祭制覇したR.アルトマンのシュールでカルトチックの名作と呼ばれた本作を初鑑賞したが最高!まず物語がぶっ飛んでるんで調子がおかしくなる。それにラストは彼の様々な作風に見られる‬喧騒で破茶滅茶で奇想天外な演出は安定だ。主演を務めたB.コートの病的な雰囲気は相変わらず。いちご白書に出演した時の容姿と変らず不思議な魅力を出す。物語は鳥の様に飛ぶ事を夢見る青年が自力飛行装置の研究をしつつ体力作りもするとこんな感じに単純。兎に角登場人物が個性を発揮し最高に面白い!‬
Shoty

Shotyの感想・評価

4.0
映画は監督が終わらせれば終わっちゃうんだね笑
いろんなキャラ使って遊んで どうなるのかなって要素残しておきながら この終わり方‼︎

ただメインである飛ぶことに憧れる男 ブルースターマクラウドの物語が集結すれば 他の事はもうなんだっていいのか!
2010年に新宿武蔵野館で観て一目惚れした映画。ずっとずっともう一回観たくて観たくてやっとソフト化きた…観れたーー

ロバートアルトマンの作る人びと大好きすぎる。
こんな細かに笑えて細かに魅力てきな画ばかりなのどういうこっちゃ!
群像劇だけじゃなく断片的に鳥の博士の講義はさんできたり刻まれたシーンの中でさえ脱線がすごいのに、まとまっちゃうのはなんなんだろう。

じいさん道路滑走シーンめちゃ好きだな 画だけだとみるからピンチなのに大丈夫そうなBGM流すのほんとおもろい。音楽の大事さ。
墓の前で葬式も雨降ってきたらいきなりみんなカラフルな傘とかカッパとか着出したり、全編通して普通をバカにしてる感じがたまらない。

ルイーズの鳥の妖精みたいな振る舞い
ラストの飛行シーン
また観よう。。
この歴史的なマスターピースが廃盤だなんて! 冒頭、 MGM のロゴが現れると共に「最初のセリフを忘れちゃったんだけど」というぼやきをわたしたちは聞くだろう。ロバート・アルトマンの手によってむりやりに縫合されるフェリーニや『オズの魔法使』の装飾たち。狂ってる。徹頭徹尾クレイジーだ。でもこの『ブルースター・マククラウド』は狂騒と奇想の宴であるだけではない。これは人生についての映画でもある。人間のエゴとその犠牲や代償についての映画なのだ。ああ、なんたる馬鹿馬鹿しさ、その空虚。「意味」なんてものはないんだ。

アルトマン…アルトマン…
どの作品を選ぼう…
やっぱりコレか?
コレしかないだろ!

アメンリカン・ニューシネマ(以後ANC)のキング・オブ・シュールであり、【人と鳥】【夢と幻想と現実】の果てしなく完全に近いコラボレーションをポップなコメディに封じ込めた傑作。

大好きなのは『ロング・グッドバイ』で譲れないが、私の中でのアルトマン最高傑作と言ったらやはり本作品。

またANCが苦手な方でも映像でとことん楽しめますよ♪

カラスの殺人見たくありませんか?
鉄路のカーチェイス見たくありませんか?
車椅子に乗ったお爺さんが車道を滑走するのを見たくありませんか?
…etc

葬式の最中に雨を降らせ、色とりどりの傘とレインコート…のような色使いがそこら中に散らかってます。

ヤバっ!11月20日が終わる!!!

アルトマン最高!(≧∀≦)
アルトマンよ永遠に☆彡
マ

マの感想・評価

4.8
終始謎の教授のナレーションによって鳥の生理的行動と人間を意地悪に照らし合わせていくなか、そこに登場するのはなんとも救いの無い人々。でもそれまでが意地悪であればあるほど、ほんの一瞬だけ少年が夢を叶えるラストがロマンチックになるという...。泣いた。音楽が完璧なんだよ...。DVD買って良かった。
423

423の感想・評価

4.2
断片的な映像が頭にこびりついて忘れられません
シャイニングの奥さんが若くて可愛いです
ラストのサーカスのシーンでなんて性格の悪い映画なんだろう、と思った。けど、最高。1番好きな映画を聞かれたら、この作品と答えるようにしてる。渋谷系的な要素がたくさん詰まった映画だと思うのだけど。ていうか、日本版のDVDが出てたのいま知った。買いまーす。
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