彼方からの手紙の作品情報・感想・評価

「彼方からの手紙」に投稿された感想・評価

touch

touchの感想・評価

3.7
"本当に真っ暗な夜なんてあるのかな"
* * *
サンクスシアターにて。
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未来と過去のランデブー。
受け入れ難きを受け入れ、変え難きを変えようと踠く。
白昼夢のように街を徘徊する二人、最終的に行き着くサイケな展開に驚く。
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後の「ジオラマボーイ・パノラマガール」にも通ずる鉄橋や港湾のモチーフ、ロケーションの用い方は好み。
むむむ

むむむの感想・評価

4.0
ショットが巧みで惹きつけられた。特に吉永が河原から土手に登っていくシーンと、飛行機が飛んでくるシーンのカメラがダイナミックでお気に入り。

終盤に出てくる部屋の造形もポップなのに不気味で面白い。窓の外を1.5mくらいのメダカが泳ぐ部屋なんて思いつかない。

サンクスシアターにて視聴
趣味の悪いオレンジの壁紙の部屋でダンスを踊るサイケなシーンがあっておもしろかったです
サンクスシアターにて鑑賞。
2008年の制作。“東京藝術大学 大学院映像研究科映画専攻 修了作品”とのこと。

数あるサンクスシアターの作品の中から今作をチョイスした理由のひとつに 朝倉あきが出てるってのがあるんだけど。撮影時はまだ高校生だったようで。
今もおキレイですが、ここではとても初々しい印象。

しかしまぁ映画としては、主人公に感情移入ができなくって。
この吉永という男の言うこともやることも…イヤじゃなくて“?”な感じで。結果 あまり関わりたくないなと。
んでこれがキャラクターのせいなのか、演技力のせいなのか、その辺りも測りかねるというのがなんとも。

そんな吉永と朝倉あき演じる由紀が、とある部屋を目指す小さな旅に出ます。
やがて辿り着いた部屋の中で、吉永は一本のビデオを見ることになるのですが。

この辺りの演出は映画というよりも舞台のそれのようで。
まず部屋の内装デザインの斬新さが目を惹くし、ビデオに映し出される映像から「あぁそういうことなの…」という確信めいたものを感じるし。

それまでの吉永由来の不信感が すっと晴れていくように感じられたのですが…ですが…

そこで一気に着地すればいいものを、ここからまだズルズルと転がしていくので。結果締まらないという印象で。
なんかキレの良さとか、抜けの良さって大切と思っちゃいました。

それ以外でも伏線と回収みたいなものだったり、周囲との関係性の妙とか、そうしたのも乏しいし。
いろいろもったいない感じはありつつ。

でもそんな中でも あの部屋のシーンは印象に残ったし。
JK時代の朝倉あきを残しているという点もね。
意義のある作品じゃないでしょうか。
うーん、
朝倉あきはかわいいし、不思議な部屋なんて最高にカッコいいのだが、主人公が意味不明すぎて置いてけぼり。要らないと思ったシーンの意味を考えてみてもやはり要らないとしか思えん。
S

Sの感想・評価

-
前半は少しのんびりとした感じだったけど後半の展開おもしろかった。少し演劇的演出だとも言える。これも藝大大学院1期なの??月川翔監督「心」も1期だし豊作年だったんだなあ。
打ちのめされる。
なるほど『PARKS』はこの語り直しか。矛盾するものを内包し人生すら感じさせる85分。朝倉あきがかわいい。

出会いの瞬間のみが描かれ、別れの瞬間は省略される。車に乗ったら夕方になっている不安定な時間の描い方が良い。過去と現在は溶け合い、物語の核心は描かれない。よくよく考えればかなり悲しい話だ。朝倉あきの明るさが反射にも思える。

空想を描きつつも常に現実が頭の隅にあるような脚本だったり、ゴダール的なロードムービーに舵をとりつつも東京ではロードムービーは成立しないと言わんばかりの展開だったり、矛盾の内包具合が良い。
8637

8637の感想・評価

3.1
同監督の「5windows」と迷ってこちら。うぅん...選択をミスったみたい。

瀬田なつき監督が13年も前からあんなにヌーヴェルバーグなモノローグ×ショットを撮り続けていたことには驚いた。スカイツリーではなくタワーをTOKYOの象徴にしていた時代。そんな頃にも、そこに暗い夜なんて無かった。

映す自然は良いが、映る主人公がノイズ。吉永は、倫理観の欠如に自分でいつまでも気付かないタイプの人(大事を引き起こしておいてハンバーグを食べに行く事を選ぶ、手紙を食べる)。特に脈絡もなく惨事に"巻き込まれにいってる"のは演技が下手なだけなのかな(歯磨き中に何故か咳き込む、バスまで走って追いついたのになぜか乗らない)。鼻血のシーンは、監督ってこんな事をするのかと冷めた。もしかすると監督自身が男性を描くことに慣れていなかったのかもしれない。
反対に、由紀を上手く描く為に敢えてそうしたのかもしれない。存在こそミステリアスだが、監督の作品にいる女性はいつもあんな感じ。ただ、吉永を陥れようとして(?)連れてった"あの部屋"での彼女の思いは汲み取れなすぎて。
ここまで登場人物の感情が読めない映画もなかなかないな。

でも正直"あの部屋"の発想は天才だった。いや、もしかしたらあれはただのダンスシーンなのか?あれを撮影したのはさすがにセットなのか、知りたくなった。
問題点は、そのシーンまでが長すぎる事。

瀬田なつき監督だからという前提のポテンシャルと朝倉あきでこの点数は成り立ってる。これだったら「5windows」を選ぶべきだったかも。
サンクスシアターあと1本。さて、どうしようか。
サンクスシアターで鑑賞。
自主映画の拙さと、自由な作風が久々な感じで楽しかった。

でも、ちょっと主人公ダメすぎだろというのが若干気になってノイズになったかなー。

総合的には見て良かったけど。
『とどまるか、なくなるか』を初めて見たときショットと編集能力の高さに心から驚かされてしまったせいで(大袈裟かもしれないがアケルマンを彷彿とさせる才能がある日本人がいるとしたら、この頃の瀬田なつき以外にありえないと思う)、その後のどの作品も、特に近年の作品になればなるほどダラついてしまっていることに物足りなさばかり感じていた。『彼方からの手紙』を久しぶりに見返したらやはりショットと編集のセンスに関しては間違いなく芸大同期の濱口を凌ぐ才能があると確信する。時間も場所も全く違う場所での撮影を編集でクロスカッティングさせてしまう。こんな大嘘だらけのハッタリをかませる大胆さは今やどこへ……。

本当に瀬田なつきはヤンとゴダールが好きなんだな。

頼むからこの頃のキレを更新して、再び驚かせてくれ、、!
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