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昔のはじまり
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目次

『昔のはじまり』に投稿された感想・評価

Omizu
3.7
【第67回ロカルノ映画祭 金豹賞】
フィリピンの鬼才ラヴ・ディアス監督作品。ロカルノ映画祭では最高賞である金豹賞を含む5冠に輝いた。

5時間40分の大長編、と言いたいところだがディアス監督作に10時間のがあったりするからまぁ標準的な上映時間。

最近のディアスは調子を落としているように感じられ好きではないが、この頃はやっぱりいい。定点長回しでじっくりと撮っていく白黒スタイル、それがしっかり機能している。

本格的に話が動き出すまでにかなりの時間を要するが、それも全て計算済み。人間の苦しみとフィリピン社会の抱える闇がじっくりと炙り出されていく。

5時間40分かけて語られる物語、及び背景にあるマルコス政権の闇というテーマが重みを持って展開される。まさにラヴ・ディアスの真骨頂だ。

ただやはりラストが残念。終わり方が少しいきなりすぎるのでは。言いたいことは分かるものの、直接的なあの場面よりもいい終わり方があったように思う。

惜しいところはあるものの、流石ラヴ・ディアスというしかない秀作であった。明確なカタルシスはないけれどドスンと心にくるものがある映画だ。こんな映画はディアスにしかつくれないだろう。ディアスの唯一無二の感性を感じることが出来る作品。
3.5
【ラストが惜しい】
フィリピンの怪物監督ラヴ・ディアスの5時間半の大作。MUBIにて400円でレンタルされていたので観てみた。

本作は1970年代、フェルディナンド・マルコスの行き過ぎた独裁政治で戒厳令が発令されたあの時代をバックに描く叙事詩である。

なんだけれども、歴史的背景の説明描写は然程されず暗号になっている。観客はラヴ・ディアスという映像写真家の展覧会を歩き、インスピレーションの塊から何かを感じ取る必要がある。

今回は前半1時間にとてつもなく素晴らしいシーンがあった。草原の果てに人々が集まる。そして、段々と観客の方に歩いてくる。どうやら病気の人を運んでいるらしい。そして、儀式の間で、大自然の男と民族音楽がビートを刻む。これが、ブンブンの心をがっつりと掴んだ。

戒厳令で、民兵が村を支配する3時間20分過ぎまで動きは少ない。人が倒れたり、火事になったりするが、その正体が分からない。1970年代のじっとり段々と押し寄せる闇の不気味さを《時間》でもって演出し、民兵の支配は一度始まったらあっと言う間に恐ろしい形となって襲いかかってくる。ラヴ・ディアスにしかできない手法で、当時の恐怖を観客に刺してくる。

ただ、本作は終盤詰めが甘い部分が目立った。特に筏を燃やす下りは、別に上映時間伸びても良いのでカットを割らない方がよかったと思った。
サタンタンゴ並みに長い映画は2度と観ないと決めたのに…。
序盤は映像人類学的な構成で人々の土着文化が克明に切り取られるが、後半から一気に民兵の侵攻が始まり、その安寧が崩される事でドラマ性を帯びてくる。
前半との対比が凄まじく、知的障害を持った娘と母の入水は耐えがたい苦痛に襲われる…。(フィリピンの歴史背景をもっと勉強してから観た方が良かった)

コンポジションの作り方が抜群に好みなので終始退屈はしなかったが、やはり鑑賞後の疲労感が途轍もなく長尺の映画は平日に観てはいけないと個人的戒めになった作品。

この虐殺の発端となる戒厳連を出した独裁者マルコスの長男が今年フィリピンの大統領に就任した、この悪夢が繰り返されない事を願うばかり。

『昔のはじまり』に似ている作品

立ち去った女

上映日:

2017年10月14日

製作国:

上映時間:

228分
3.8

あらすじ

殺人の罪で、30年もの間投獄された無実の女ホラシア(チャロ・サントス・コンシオ)。真の黒幕は、彼女のかつての恋人ロドリゴ(マイケル・デ・メサ)だった。出所したホラシアは、自分を陥れた男を追…

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