エル・トポのキミシマユウキのレビュー・感想・評価

砂漠を一人息子と歩くさすらいのガンマンエルトポ。彼はある修道院を牛耳っていた男を退治すると慰み者にされていた女が連れて行って欲しいと懇願し、息子を捨てて旅に出るが･･･


監督×脚本×音楽×主演
アレハンドロホドルフスキー
による伝説的カルト映画。
俳優のデニスホッパー、音楽家のミックジャガー、ジョンレノン、オノヨーコなどの著名人から絶大な支持を得ていることでも有名な作品。

はじまりはある人のこんな一言だった

「裕君ってカルト映画とか好きじゃなさそう。」

そんなはずはない。そんなはずはないはずだ。そんなはずはないはずじゃないか。
自称映画好きとして色んな種類の映画を観てきたつもりだ。カルト映画の一つや二つ自分だって･･･
と思い調べてみると、”カルト映画”と呼ばれるジャンルとも言えない不思議なカテゴリの映画達を自分は全く観ていないことに気づいた。
かろうじてデヴィッドリンチ監督の『マルホラントドライブ』を高校生の頃に観て頭がおかしくなった程度の経験しかなかったのだ。これは社会人になる前に洗礼を受けておくべきだ。
とりあえずこのアプリでも有名なホドルフスキー監督に手を出してみた。

初めてのホドルフスキーは･･････
ほろ苦い味だった･･･

とりあえずこの映画に点数を付けるという権利を自分は放棄することにした。逃げた。考えずに感じた。
一回で理解できた人はきっとクレイジー。見終わって少し調べてからやっと理解出来るような前衛的すぎる内容だ。
初見で高評価を付けている人たちはきっとアーティスティックに生きてきた芸術家くらいのものだろう。
とりあえず初見で思った感想を熟々と書く。
前半と後半で若干印象の異なる映画だった。
前半はまさに哲学的で芸術的で、神秘的で暴力的な、、惨い描写なのにどこか画面に惹き付けられてしまう不思議な映像の連続だった。西部劇っぽい体でお送りしてる者の中身は全く異なったものなので要注意。
動物の死骸は実際のものを使っているらしく、その血なまぐささは4DXじゃなくても伝わってくる。
キリスト教やタロットカード、そして哲学に明るい方々が観ればこのわかりやすい比喩も理解出来るのであろうが、自分は無知故に抽象的にしかわからなかった。
そして後半、個人的にはこちらの方がメッセージがあからさまに感じた。
完全にアメリカ社会、いや資本主義に対する批判に見えた。
奴隷をいたぶる様子、醜く肥えて着飾ったセレブ達、そしてこれでもかと主張してくる”フリーメーソン”の目のマーク。。。
前半よりはわかりやすかったがどちらにせよ難解。

とにかくこの監督の頭の中を覗いたような不思議な映画。
衝撃的で何度も驚かされるけどどこか退屈。
きっと何度も観たり、歳を重ねることで好きになるのかもしれない。
初見の自分にはほろ苦い体験であった。
この映画の良さが心の底からわかったときに
点数を改めてコッソリ付け直そうと思う。
あと実の息子を全裸で登場させるあたりこの監督が神聖（真性）の変態だと言うことは断言できる。


とりあえず今はおっぱいが出てくる映画がみたいです。


カルト映画好き、ホドルフスキー監督好き、そしてわかる人だけわかる映画を観て「わかるｗｗｗ」と言いたい人にはオススメの作品。

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