はじまりへの旅のネタバレレビュー・内容・結末

はじまりへの旅2016年製作の映画)

Captain Fantastic

上映日:2017年04月01日

製作国:

上映時間:119分

4.0

あらすじ

普通ってなんですか?ベン・キャッシュ(ヴィゴ・モーテンセン)と6人の子供たちは、現代社会に触れることなくアメリカ北西部の森深くに暮らしていた。父仕込みの訓練と教育で子供たちの体力はアスリート並み。みな6ヶ国語を操り、18歳の長男は名立たる大学すべてに合格。しかしある日入院していた母・レスリーが亡くなり、一家は葬儀のため、そして母の最後のある“願い”を叶えるため旅に出る。葬儀の行われるニューメキシ…

普通ってなんですか?ベン・キャッシュ(ヴィゴ・モーテンセン)と6人の子供たちは、現代社会に触れることなくアメリカ北西部の森深くに暮らしていた。父仕込みの訓練と教育で子供たちの体力はアスリート並み。みな6ヶ国語を操り、18歳の長男は名立たる大学すべてに合格。しかしある日入院していた母・レスリーが亡くなり、一家は葬儀のため、そして母の最後のある“願い”を叶えるため旅に出る。葬儀の行われるニューメキシコまでは2400キロ。チョムスキー※は知っていても、コーラもホットドッグも知らない世間知らずの彼らは果たして、母の願いを叶えることが出来るのか…? (※ノーム・チョムスキー=アメリカの哲学者、言語哲学者、言語学者、社会哲学者、論理学者。)

「はじまりへの旅」に投稿されたネタバレ・内容・結末

何が幸せかは人が決めることじゃない
ラストは折衷案でハッピーエンド
お姉ちゃんが清原果耶に似てた
笑って泣いて、最後には清々しい気持ちになれる、素晴らしい映画だった。

大衆に溶け込むことが全てではない。
子供たちは自らの意思で学び、世界を見るために視野を広げる。
そんな子供たちに年齢関係なく、1人の人間として接するベン。
そこには親子という関係性は無い。
他人から見れば虐待に見られてしまうのかもしれない。
それでも、理不尽な世界でも立っていられるように、生き方を厳しく教えていくベンの教育方針は純粋に素晴らしいと思うし、尊敬した。
私はこの家族がとてもいとおしくてしょうがない。

ベンが祖父母に子供たちを預けるシーンの寂しさがとても辛かった。
初めてベンに反抗する子供たち。
彼らのことを考えて突き放すベン。
突き放された子供たちは取捨選択をし、そこで学び、また自らで考えて行動をする。
離れてみて初めて分かることもあるし、見えなかったことが見えてきたりもする。
そこが凄く良いな、と思った。

ラスト、ママのために遺体を掘り起こし、火葬をする家族の美しい姿、そしてそこからの空港のトイレでママの遺灰を流して「バイバイ、ママ!」の流れにはボロボロ泣いた。
彼らは生きていくために、少しだけ世界を受け入れながら、自分たちの生き方を曲げずに生きていく。
世界に足を踏み入れたことにより、また1つ学び、そこから彼らは始まるのだ。

良い映画だった!
映画を観る意味

何のために映画を観るのか。個人的な大きな理由のひとつは、様々な価値観を学ぶためだと思っている。
映画の中で「同じ事柄を対象としていても、こういう考え方もあるけど、一方でこういう考え方もある」とかやっているのを観て、自分とは異なる考え方があるということをまず知る。そういった事を少しずつ学んでいくことで、より豊かな感情や考え方で、より豊かに生きていけると思っている。
そういう価値観の多様性みたいなものを隠されたテーマとしている作品は数多いが、これはもうドストレートにぶつけてきた。対比・対立、価値観、色々な事柄の多様性のオンパレード。

生活が豊かになるにつれて、みんなが成功を求めて結局同じ様な人生を歩んでいこうと必死になっている現代に疑問を持ち、一切の事柄に縛られずに本当に我流で生きる術を学んでいくという考え方の一家。
それに対して、現代の社会で普通に生きている義理家族たちは、当然反発するし、子供たちが可哀そうだという。
そんな彼らの子供はというと、典型的なゲーム大好きな悪ガキ。一見野蛮な家族だが、分野に捕らわれずにあらゆることを学んでいて、それに対して自分で考察する力も養っている。はたして生き方を否定する権利はあるのか。
母親のことにしてもそう。遺言で望んていることは明示しているが、義理家族たちは勝手に「普通」という枠にはめようとする。それは亡くなった人の意思を無視することだし、荒らしに来た様に見られる自分たち家族は、ただ母親の望むようにしてあげたいだけ、救ってあげたいだけなんだという、至極真っ当な言い分。
でも、やはり行き過ぎるとダメになるのが物事で、これだけ偏った父親の元で育っても、その生き方に疑問を持つ子供も居るし、結局本だけでは学べないこともある、学校や社会に飛び込んでみたいという自分の考えを皮肉にもしっかり持ち始める子供も居る。母親を助けようとしても、法には勝てないし子供たちを置いてはいけない。
そんな中ある事件をきっかけに、全て間違いだったと、やり過ぎたと気付く父親。
これが子供たちのためなんだと、現代の社会に子供たちを授ける事を決心するが、子供たちは子供たちで、自分でちゃんと考えて、巣立っていったり、父親についていったり。父親もそんな子供たち一人ひとりの考えを尊重して、好きなようにさせてあげる。自分は自分を貫くだけ。


この価値観のぶつけあいの筋書きは、こういうことを考えたことあるなら予想できるが、とても自然だし、それを1つ1つ順番に丁寧に見せてくれて無理がない。
お互いの考え方を学んで、最終的には、お互いは自分の信じる様にやれば良いというのは当たり前。だが難しいことでもある。やり過ぎて相手を侵害してしまうのは良くないし、相手に自分のやり方を強要してしまうのも良くない。子供たちに対しても同じで、自分たちでどうしたいかを選ばせてあげる。こんな風に終わるべき物語だった。そして、まさにこんな風に終わってくれた。

何かに偏ってしまいながらも、それとは反するものとで価値観のぶつかり合いを繰り返しながら、人間はここまで発展してきたんだと、かなり壮大なことを思い浮かべてしまうが、あながち間違いではないと思う。
身体能力高くて知識豊富な子供達が本当にかわいくて面白くて楽しかった。みんなで楽器演奏したり歌ったりミッションをこなしていったりワクワクした。お母さんの遺言が叶っていく過程は素敵な映像ばかりだったなぁ。葬式にあの服装で参列する家族が最高だった。
時代に逆行し、森でサバイバル生活を営む一家が、母親の死をきっかけに街へ出て、一度解体し、再生してゆく物語。
父親の教育方針が極端で、まあこういう考え方も否定はしないし子どもは逞しく育つかもしれんが、社会と関わらずには生きていけないし、いずれ困るんじゃないの、これは父親の自己満足なんじゃないのと思ってしまい俺には合わなかった。
家族の愛や絆にはグッとくるものがあったが、冒頭からずっとその違和感は消えなかった。
最後は家族がまた一つになり、ちょっとずつ人間社会にも溶け込めるようになってきたということで、無難にまとまった感はある。
ロード・オブ・ザ・リングのアラゴルン役の人が父親役を務める家族ものロードムービー。
森の中で暮らす家族。精神病(双極性うつ)になってしまった母親がよくなることを期待し、ベンは森を買い、家族で暮らすことにした。


“今日を人生最後の日だと思え”


ベンの育て方は間違っていたのだろうか。
一般的な生活、教育設備の行き届いた環境での子育てを正しいこととする風潮が確かに大多数だ。
だけど、長男にしても、森での生活・街での勉強、両方経験したからこそ自分の進みたい道がはっきり見えたのではないだろうか。

特に考えもしないで、与えられた環境で、何を学びたいかも考えず目の前のやっていた方が無難であろうことをこなしてきた人(私です)より、森での生活を経験し、その上で学びたいことを選びとったボウの方が、“自分で選んでここにいる”気持ちの中で物事にあたれるだろう。

人生に正解なんてない。自分で選んでここにいる。
したいことをすること、そして自分以外の人の生き方を肯定し、歩み寄ることが人生を豊かにしていくヒケツなのかもしれない。

(部屋の掃除してたら、珍しくがっつり感想を書いてるメモがあったので書き写しました)
普通ってなんだろう。普通と思ってることは実は異常なのかもしれない。
社会に沿って生きることに疑問を持たないのも、自分が正しいと社会から外れすぎるのも良くないな〜と思った。アウトサイダーは大好きだけど、独りよがりになりすぎるのは嫌だ、とアウトサイダー願望にいい感じにブレーキがかかった。笑
映像が好みではなくて、観ていてきついもんがあった。
サウンドが良かった。
一番好きなシーンは最後にお母さんを皆んなで火葬するところ
お父さんに若干腹立つ
ロードオブザリングの監督だ〜?って正直期待してなかったけど、素直に良い映画だった。
自分が将来結婚して子どもを授かったらどういう選択肢を用意してあげられるのだろうかと思った。
子どもたちが可愛い。衣装もグッド。
こういう作品を観ると、アメリカ映画ははきちんとしているなと思う。ベンが子供たちに強いていることは、悪気はなかったとしても虐待だし、その事実に触れず”家族愛”に回収されてしまったら嫌だなと思っていたのだけれど、第三者からきちんと指摘が入り、ベンが過ちに気づくシーンがあって安心した。いくら自分の子供であっても、他人の人生を丸ごとコントロールするなんて絶対にできないし、許されないことだ。でもベンがあれほど頑なになっていたのは、きっと妻/レスリーを救えない無力さや、絶対的な親でなくてはという重責によるものだったのだろう。そう考えると、多少甘い気もするあのラストも、ベンに訪れた救いのように思える。

母親の死を知った子供たちは、初めのうちこそ取り乱すけれど、それでも母親の最後の願いを叶えることに意識が向くのも印象的だった。逃避でもあるだろうけれど、きっといつかこの日が来ると覚悟していたのではないかな。幼い子供たちの心境を思うとつらかった。それでも、彼らが母親にちゃんとお別れが言えて良かったと思う。良いシーンだった。
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