ナショナル・シアター・ライヴ 2015「二十日鼠と人間」の作品情報・感想・評価

ナショナル・シアター・ライヴ 2015「二十日鼠と人間」2014年製作の映画)

上映日:2015年05月15日

製作国:

上映時間:150分

4.4

「ナショナル・シアター・ライヴ 2015「二十日鼠と人間」」に投稿された感想・評価

このレビューはネタバレを含みます

役者や演出、舞台装置まで全てが凄い。

ジョージとレニーの関係性。共依存なんて冷めた言葉を使いたくないほど。語られてもいたがレニーはジョージの心そのもの。求めているわけではないからこその関係性。ただこの時代に純粋過ぎたからこその悲劇。
戯曲版と小説版では嫁いできた女性の性格なんかが違うらしい。この舞台は戯曲版。
だからこその悲しみが増え、連鎖が増えたからこその深み。
六

六の感想・評価

4.5
愛情でいっぱいの悲劇に弱いので最後の方ずっと泣いてた。
すべての登場人物が抱える孤独に胸を締め付けられ、レニーの無垢さに救われて、二人の愛情に胸がいっぱい。

劇中で「話し相手は誰でもいい」ってあるように、他の人たちは話し相手や夢を叶える仲間は誰でもいいんだけど、ジョージとレニーが夢を叶えるためには互いが必要不可欠で。
レニーの世界はふわふわのものとジョージで構成されてるから、ジョージと一緒にウサギを飼うことに意味があるんだと思うとほんとにつらい。
レニーを探すあたりからジョージの目に涙が貯まっていて、いつからその決断をしたんだろう…
Katsuya

Katsuyaの感想・評価

4.2
海外の舞台はこの作品意外に「ウォーホース」しか観てなかった。
そしてこの作品を観て思ったことは
「海外は映画も舞台も最高」ということ!!
素晴らしい舞台セットに演出、そして素晴らしいキャスト!NTライブを初めて観て、初めて面白さを痛感した。
実際に火をおこすし、川をつくってしまうし、海外の舞台はヤバい!!と心の中で叫んだ!

レニーは発達障害のため知能が子供の大男。そんなレニーと旅をしながら働き周るジョージ。レニーは子供同然のためジョージがいなくてはどうしようもないが、1番はジョージはレニーがいなくてはどうしようもないんだと思う。
二人で夢を叶えようと嫌々レニーと旅しているように見えるが実際のところ愛してやまない大切な家族。ジョージは夢を叶えたいんじゃなく、夢の話をして喜ぶレニーを見て、夢を叶えてやりたいというのが彼の夢なんだろうなと観ていて思った。
レニーがいなければジョージは生き甲斐が持てなくなる、つまりレニーと同じくらい、ジョージにとってレニーはかけがえのない相棒なんだと、温かい気持ちで観ていた。
だからこそ!ラストに実際に見せることはできなかったが、思い描いた夢を見せてやりたいと思うジョージの優しさに涙が止まらなかった。

障害者?系は本当に弱いな、観る前から涙腺が緩んでしまう。

これを生で観たかった!!
でぃあ

でぃあの感想・評価

3.7
一人の男の夢にみんなが、魅せられる。
希望と絶望のお話。


私はラストシーン、一緒にいくと思ったんだけどなぁ。
意外でした。
moviefrog

moviefrogの感想・評価

5.0
観たことのあるナショナルシアターライブの中で、この作品が自分にとっては今のところベスト。

今年の夏に起こってしまった障害者施設での酷い事件のことを考えていて、ふとこの作品のことを思い出しました。

とても悲しく、生きることの意味を深く考えさせる脚本。それを丁寧に正攻法で演出している。舞台美術も素晴らしく、特に時代性を正確に表すセットと衣装デザインが良かった。

ラストのレニーの表情、スーッと流れたジョージの涙が今でも忘れられません。素晴らしい作品。リバイバル上映をしてほしいと切に願います。
S

Sの感想・評価

4.5
素晴らしかった。スタインベックは恥ずかしながら不勉強のため初めてだったのだけど、本当に良かった。誰も責められなくて、どうしようもなくて。ジョージとレニーは勿論、ハンディのある老いた労働者、黒人労働者がとても好きだった。瞳を見れば、すべて伝わる目をしていた。

こんな言い方変だけど、映画を観ているようだった。舞台演技とか、映像演技とか、そんなのなんの話なのって思っちゃうよね、こういうの見ると。レニーが登場してすぐ好きになっちゃう。キャラクターがすぐわかる。すごいなあ。すごいなあ。一挙手一投足、まなざしにやられた

5/24観賞
TOT

TOTの感想・評価

3.7
5月に鑑賞。初NTLiveだった作品。
オダウドが名演。
フランコがタフなセクシーさ。
破滅を予感させるから幸せな時間が甘美なのか。
避けられなかった結末が重く乗しかかり、その後に彼、彼らが生きる世界を考えて更に悲しくなる。
ずっと一緒に生きたかった、ただそれだけなのにね。
Ayaka

Ayakaの感想・評価

4.0
素敵だった。
2人が本当にレニーとジョージだった。舞台を映画館で見るってどういうことだろう?と友人に連れてかれましたが、素敵でした。

舞台が転換するところもスムーズにくるくると変わっていき、ワクワクしたなあ。
最後の銃声はなるとわかっていたのに、ビクッとしてしまった。

今、あの2人が生きていたらどんな生き方をしてたのかな?と考えても考えたりない。
せりな

せりなの感想・評価

4.0
主演の2人の演技が素晴らしかった!あっという間にお芝居の中の世界に引き込まれてました。
ストーリー自体はとても切なくて、やるせなくなりました…
ゆず

ゆずの感想・評価

5.0

このレビューはネタバレを含みます

自分の土地を買い、小さな家と農場を持ち、誰からも蔑まれる事なく暮らす。ささやかな幸せがあればいい。そんな夢を抱く労働者は数多く居たが、実際に金を貯めて自分の土地を持つ事に成功した者など居なかった時代。それなりに頭は切れるが小柄なジョージ、頭の弱い大男レニー。対照的な二人は農場を渡り歩き、共に旅をしていた。

仕草、目線、表情。すごい。二人ともこんなに演技上手かったのか…。台詞がない間もずっと演技は続くので、画面外で何してるかがものすごく気になる。生で見てみたいなぁ。

前半はコミカルで笑いが絶えない。けれど、夢を見ることすら諦めた労働者階級の男達の哀愁と孤独もつきまとう。ジョージを含め、レニーを通して次第に夢を思い出す男達。雰囲気は明るいのに、夢を語る姿に胸が詰まる。
インタビューでも言っていたけれど、孤独で誰かと関わり合いたいのに、皮肉にもその気持ちがきっかけで悲劇が起こるという展開がひどく残酷で切ない。でも「なぜこの結末にしたんだ」という気持ちは湧かなかった。これしかなかったんだろうなぁ、と。差別や身分、孤独、過酷な現実。夢や絆が引き裂かれる悲劇なのに、二人の絆の美しさと、人間の奥底の脆さや温かさばかりが印象に残っている。不思議だ。

どんどん前半のエピソードと重なっていく終盤の展開、苦しいけど面白かった…。馬屋での悲劇はウィードの騒動と。その後の展開は老犬のシークエンスと。スリムに「閉じ込めておけば…」と言うのも、「明日にしよう」と言いながら止めてくれる人を待っていたキャンディに重なる。小説ではキャンディがジョージに自分でやればよかったと吐露するシーンがある。誰にもあいつに酷いことはさせないと言った時点で、ジョージは自分でやると決めていたんだよな。

小説も面白かった。仕草や視線、吐息、間、声のトーン。生の人間が演じる事で、舞台では笑える箇所が大分増えていたと思う。これから黙るよ、で笑いに包まれながら終わる第一幕(照明落としきらない場面転換が素敵だ)、レニーが話をせがんでカードを寄せる仕草や後の絶妙な間とか、文章じゃ伝わらない笑いだ。台詞かなり変更してるんだろうと思ってたけど、そうでもなかった事に驚いたし、逆にラスト直前のスリムの言動とか小説になくて驚いたり。スリム格好よかったな…。

何をして何が起きたかは覚えていないのに、ジョージの言葉は覚えてるレニー。それでも自分が言うと違うのだとジョージに語らせ、それを心底嬉しそうに聞く。二人の会話、いつまでも聞いていたかった。第一幕、黒板を見たのは覚えてるかと尋ねられ、女達とジョージの会話を持ち出そうとする。あれもジョージの言ったことだから覚えていたんじゃないかな…。因果関係は理解していなくても、飛び込めって言われたこと、覚えてるんじゃないだろうか。

休憩後のインタビュー、原作未読だったのでネタバレぶりに驚愕した。でも見られて良かった。
「この世で最も危険な生き物は二歳児」「自分の行動がもたらす結果が想像できない」「レニーは二歳児と一緒。でも彼の力は二歳児のそれじゃない」そう言ったのはクリスだったかな。無邪気さからくる残酷さみたいなものも多分に含まれた物語だったなと思う。協力しあえばすぐ実現できそうな夢なのに。夢を見ること自体が悪いわけではない。でも放浪者だし、裏切られたり夢破れた時に耐えられない。だから自己防衛で孤独に耐えて皆心を閉ざすのか。そんな中にあるからこそ二人の関係が余計に輝いて見える。ジェームズのラブストーリー発言には笑ってしまったけど、二人の愛情が本当に純粋で深い。

ジェームズがレニーについて、クリスがジョージについて軽く語った後、監督がレニーはジョージの心なのだと言った。涙が止まらなくなった。「あいつと見た夢だ」。彼なしでは夢も希望も抱けない。一方的な依存に見えて、その実同程度か或いはジョージの方が切実な理由があるのに。ラスト、暗転の間にもう一度銃声が響くことを強く望んでしまった。 だって、彼はこの先一体どうやって生きていくのだろう。

カーテンコールで舞台なのだと思いだして安堵した。登場人物がみんなリアルに感じられて入り込みすぎてしまった。胸が痛い。カーテコンコールのみんなの表情、最後の最後に登場したキャストにも泣かされた。本当に面白かったなぁ…。

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原題のOf Mice and Menはスコットランドの詩人ロバート・バーンズの詩「ハツカネズミに」の第七節が元なのだそうだ。以下、新潮文庫「ハツカネズミと人間」スタインベック/大浦暁生訳より

ハツカネズミと人間の このうえもなき企ても
 やがてのちには 狂いゆき
あとに残るはただ単に 悲しみそして苦しみで
 約束のよろこび 消えはてぬ

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主演二人に釣られて足を運んだけれど、こんなに面白い舞台が見られるとは…貴重な機会をありがとう、ナショナル・シアター・ライブ…。
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