モラトリアム・カットアップの作品情報・感想・評価

モラトリアム・カットアップ2015年製作の映画)

上映日:2016年06月11日

製作国:

上映時間:38分

3.3

あらすじ

いつもの喫茶店に集い、意味の無いような時間を過ごす幼馴染みの四人組。主人公のフミヤはそんな時間がずっと続いていくのだろうと思っていたが、ふと気がつくと一人だけ取り残されてしまっていた。文章や音楽で用いられる「カットアップ」という手法からインスパイアされた、過去と現在、虚構と現実とが交錯する映像作品。

「モラトリアム・カットアップ」に投稿された感想・評価

このレビューはネタバレを含みます

映像の展開の手法の気持ち良さがナイス!な作品。
いや〜好きですね。

テーマも「アナログが良くてデジタルは邪道!」的なありがち文明批判に落ち着いておらず、
どちらにも批評的で、且つどちらにも暖かい視点での愛情がしっかり注がれている点が非常に好印象でした。


キャラクターの描き方はどちらかというとドラマ的というか、
「池袋ウエストゲートパーク」や、「秋葉原@DEEP」の様な系譜という印象を受けました。
喋りがうざいなぁ…と思ってしまう部分も無くはなかったけど、それ以上に会話の描き方がなかなかうまい。
隣の席の会話を盗み聴いてる様な感覚で楽しかったです。

しかもその「うざさ」「やかましさ」が、そのまま感情的な伏線として機能する上手さには舌を巻きました。
物語上の不恰好さを含めた全てが、物語として機能する。正直完璧な形だと思います。


エンタメムービー然とした映し方をしてるけど、場面転換の切り替え方とか、
現実と妄想が入り乱れる感じとか、
実は全体的に実験的な要素も多くて、
この人が商業に行ったら一体どうなっちまうんだ?という期待でワクワクしてます。

個人的に、肩がぶつかる複数人の高校生役が…なシーン、めっちゃ好きです。
あそこで説明的にカットバック挟まなかったのも最高。


なんかこう、昔聴いてた音楽・観ていた映像を見て、それを「感じていた」自分ごとまとめてフラッシュバックする様な感覚って誰にでもあると思うんです。
その瞬間を切ないな、取り戻したいな、と思うか、あの時「も」いい時間だったな〜と感じるか。

「ビデオカメラ」を「倒す」ことも、否定して一歩進んでしまった主人公が切ない。
その感覚だって、主人公の中に留めておいてほしかったな…。
これは物語として不出来だっていう話じゃなくて、主人公に対して「違うんだよ!」って言ってやりたい感覚というか。


エンドロール後のあの映像の残酷性というか、諸行無常感。
「そんなことを考えていたということさえ忘れてしまう」と言っていた主人公の言葉と同じく、忘れてしまった主人公の嬉しそうな表情が切なくて…。
mahrs

mahrsの感想・評価

3.2
主人公の独白で「いま」と「過去」と「頭の中」、切り替わるシーンのテンポが小気味良い。

「桐島、部活やめるってよ」で神木くん演ずる主人公も古いカメラ使っていたけどこの映画でもカメラが象徴的。映画を撮影する機材でもこだわりを感じる演出。

監督は機材から映画に触れていったそう。
時代とともに淘汰されるメディア、情報ツールへの愛があるけどあざとくない。

変われない自分と周りの人たちとのギャップ、頭の中と現実、コメディだけどなんとなく感傷的な風味がするのは団地と河川敷の夕焼けのシーンがとてもきれいだからかな…

監督の次作が楽しみ。
TAMA映画祭にて。
登場人物にも観客にもとてつもなく無慈悲で残酷な映画
m

mの感想・評価

4.0
ただ実験的なだけでなく、そこはかとない情緒 のようなものが観終わった後に残るのがこの監督の映画の美点。
yuko

yukoの感想・評価

3.0
2016/06/15 @テアトル新宿

あとで話をひっくり返されると、「じゃあ今まで観てたのは何だったの?」と思わなくもないけれど、何が本当で何が妄想なのか観ていて揺らぐ感じはとても好きでした。
NO

NOの感想・評価

2.6
実は回想でした、実は妄想でした、実はカメラで撮った映像でしたの繰り返し。これ、そんないい?
mico

micoの感想・評価

3.2
今まであまり観たことのない映画だった。

実像と虚像がスルスルと入れ替わっていて、いやもはや実像なんてどこにもないんじゃないかって気もして、編集方法がすごい。監督の脳内が純粋に気になった。

変わらないことと変わることとが入り混じったりぶつかりあったり最終的には存在すらあやふやになったり。
若者のこれからどうなるだろう話なので、そのこれからにとうに達してしまった私みたいなおじさんからしてみると青臭さしか感じられない作品でした。

目まぐるしいカメラワーク&カット割は大きなスクリーンでは身体的にもしんどく、テレビモニターを想定しているような画作りで好みじゃなかった。

ただ自主映画にありがちな青臭さ過ぎて観ている方が恥ずかしくなるようなことはあまりなかったので次に期待。

というか、同時上映の田舎からタレントを引き戻しにいくマネージャーの話(タイトル失念)の方が面白かった。同じく同時上映の新宿駅周辺を巡るワンカット映画(タイトル失念)は、似た画面の『ライブテープ』よりか好き。監督が出てきたりしなかったし。

将来を担う若い芽に対して偉そうなことを書いてごめんなさい。。。
籠

籠の感想・評価

2.8
「高台家の人びと」の翌日に観るというのは絶妙のタイミングであった。「婚前特急」以来の新鮮なムカつきを覚える。アナログ・アナクロと謳いながら自分の好みではない現時点では斬新な映画のフォーマットを会社帰りにわざわざ観るのはしんどいが田辺・弁慶映画祭のしがらみ学園にはまだまだ通いたい。
さきち

さきちの感想・評価

4.0
だんだん何が現実で何が現実じゃないのか不安になってきた。フ…って笑える感じが私好み。上映後の三木監督のトークショー目当てだったけど観に行ってよかった!
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