みつあみの神様の作品情報・感想・評価

みつあみの神様2015年製作の映画)

製作国:

上映時間:28分

3.8

「みつあみの神様」に投稿された感想・評価

創

創の感想・評価

4.5

このレビューはネタバレを含みます

みつあみの女の子は知らない。
隔離された小さな家で、たまに訪ねてくるのは調査団と呼ばれる防護服の集団だけ。

たったひとりで暮らすこの子は知らない。

女の子が誰かとお喋りすることができないその世界と同じ世界で
家の中の物たちが騒がしくお喋りしながら女の子を見守っていることを。

原作漫画の持つ
可愛らしいのにどこか怖い
細く弱々しくすら見える線なのにどこかけたたましい
絶妙なバランスで成り立つ違和感がそのまま映画になっていた。

家の中のいろんなものがお喋りするのよ。
洗濯バサミ、歯ブラシ、歯磨き粉、傘にクッション、ぬいぐるみ…。

でも声優さんは3人しかいないんだね。

けたたましくて、騒々しくて、なのに3人なんだ。すごいな。

物たちのお喋りは聞こえるけど、人間が喋っているのは聞こえない。
だから、女の子に何が起きたのか、どうしてひとりぼっちなのか、
この男の子はどうしてここで暮らしていて、この男の子に何が起きたのか、
本当は何が起きているのか、どうしてそうなのかは
物たちのお喋りの中からヒントを拾って想像するしかない。
物たちと同じように真実は分からない。

可愛らしい絵、のんびりとした風景、
その中で起こる洗濯バサミ大戦。の、その違和感。

口のない物たちの声が聞こえるのに、
口の動いている女の子と男の子の声は聞こえない。の、その違和感。

機会があったらもう一度観たいなぁ。
undo

undoの感想・評価

4.0
神様が帰る世界。

今年最後のレビューです。
今年1年、お世話になりました。
皆さんと映画談義ができて楽しい1年でした。
よろしければ来年もまたよろしくお願い致しますm(_ _)m

短編映画祭のレビューは結局年内に全部書けなかったのですが、なかなか印象に残ったこの作品のことを書いておきたい。

札幌国際短編映画祭にて鑑賞。
アニメーション作品。
原作は今日マチ子の同名マンガ。

作品紹介(公式HPより)
海辺にポツンと佇む1軒の小さな家。
そこには“あの日”以来ひとりぼっちになった、みつあみの少女が暮らしている。
みつあみの少女は知らない。
洗濯バサミや石鹸、枕や目覚まし時計、ゴム手袋にぬいぐるみといった
「モノ」たちがガヤガヤとこの世界について
話し合い、嘆き、励まし合って生きていることを。
「モノ」を通して語られる命の在り様。


作品の背景は、作中では語られない。
わかることは、何か大きな災害か戦争かが起きて、1人で海辺に住む少女と、完全防護服をまとった人びとが壁の向こうから定期的にやってくること。二分された世界。

絵のタッチは柔らかい。アニメにあまり詳しくないので、何に似てるということがうまく説明できないのだけど、限られた知識の中であえて例えると、ディズニーよりはジブリっぽいかな、とだけ言っておく(笑)

テーマの深さに驚き。
話を膨らませていけば、長編でも間違いなく通用するだろう。
とても深く考えさせられる。賛否両論あるのかもしれないが、考え続けることに意味があるテーマだと思う。

命は尊い。
生かせる命は生かすべきだろう。
問題は、人の身でどこまでそれが許されるのか。
どこまでが神様の領域なのだろうか。



最後までお読みくださり、ありがとうございました(^o^)