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「ゲルニカ」に投稿された感想・評価

sexmachine

sexmachineの感想・評価

4.5

このレビューはネタバレを含みます

自分からみるに、悪と悪の戦いだった。
検閲官の彼が最後に自分を撃ち抜いたことには頭が上がらない。

あんな惨劇を自ら生み出したフランコの独裁がなぜ戦後も続いたのか、もっと知りたいと思った
じゅ

じゅの感想・評価

3.8

このレビューはネタバレを含みます

絵画でしか知らん世界だったんだよな。正直いつ誰がってところは全く知らんかった。

1936年7月から1939年3月、人民戦線政府とフランシスコ・フランコ将軍率いる軍部の間で繰り広げられたスペイン内戦。英仏が不干渉政策をとる中、ソ連が政府軍を、独伊が反乱軍をそれぞれ支援し、もはや内戦というより国際的な戦争の様相を呈していく。内戦は独伊の支援を受けた反乱軍が勝利を収め、1975年にフランコが死ぬまで独裁が続いた。
以後1999年、ドイツ政府が責任を認めるも、スペイン政府は未だ市や市民への公式な謝罪を出していないとのこと。
本作はスペイン内戦の最中の1937年4月26日、リヒトホーフェン率いる独コンドル軍により行われたゲルニカへの無差別爆撃と、内戦の実情を世に発信しようとした記者たちの奮闘を描いたもの。

なお、第二次世界大戦で使われた戦略の中にはこのスペイン内戦を利用して有用性を検証されたものもあるそう。作中でゲルニカを焼いたドイツの"電撃戦"はその後第二次世界大戦で多用され、スターリングラードやワルシャワを破壊したと作中最後に述べられていた。なんと狡猾なことよ。


本作の冒頭で語られていた内容では、情報は貴重な武器であったため政府軍と反乱軍の両陣営の報道には検閲が設けられたとのことだったか。
スペインの政府軍側の報道局へ特派員として派遣された記者のヘンリー・ハウエル、マルタ・フォーニル、マルコ・ナヴァスらの記事も検閲対象として例外ではなく、政府軍の劣勢においても実情を世界に伝えることは許されなかった。報道局の検閲担当のテレサ・アスコティアは従順に職務を全うするも、次第にヘンリーらが真実を世界に伝えてくれることを望むようになる。

テレサの上司のワシル・ミキアヴィッチは、ヘンリーを信用していなかった。そんなヘンリーはワシルが想いを寄せるテレサと互いに惹かれあっていく。同時に、シベリアに弟のニコライが囚われており、危険分子を見つければニコライを解放するよう交渉すると領事から持ちかけられていた。
ワシルはヘンリーが検閲済みを示す判子を盗んだ事件を捏造して領事に差し出そうとするが、咄嗟にテレサが身代わりとなって連行される。テレサは拷問を受けるが、その最中に実行されたゲルニカの空襲による未曾有の混乱に乗じてヘンリーらに救出される。町からの脱出を試みるが、テレサは独軍の戦闘機の機銃の掃射を受け、ヘンリーに望みを託し絶命する。ゲルニカを離れ報道局に戻ったヘンリーがアメリカにいる同僚へ事態を伝え、ゲルニカの件は世界の知るところとなる。
政府軍は、共和派、社会党、共産党から構成されていたとのこと。共産党は、ソ連やコミンテルン(1919年から1943年まで活動した国際共産主義運動の指導組織)と意志を共有しており、ソ連の政府軍への支援は共産党の影響力をスペイン政府内で強めることになったんだとか。すると政府軍は共和派+共産党+社会党右派と、社会派左派+トロツキー派+アナーキストの2陣営にさらに分かれたそう。これを"内戦の中の内戦"と呼ぶそう。
ヘンリーがバスツアーに向かう際、彼を信頼するしないで少し揉めていたテレサとワシルに、ヘンリーは「共産主義者は時間厳守なんだろ」と声をかけていた。すなわちワシルの報道局および領事は共産党の息のかかった人たちということになるか。ワシルの弟のニコライはトロツキー派であるとのことだったので、ニコライの件の背景には内戦の中の内戦というものが絡んでいたことがわかる。
mh

mhの感想・評価

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人類初となる無差別空襲(スペイン・バスク地方・ゲルニカ空襲 1937年4月26日)と、その第一報を行ったジャーナリストを題材にしたエンタメ戦争もの。
フランコ政権が成立する前のスペインは、スペイン人民戦線(ソ連の傀儡政権)がスペイン共和国を支配していて内戦状態に置かれている。(フランコは反乱軍側)
作中、ジャーナリストを検閲しているのは政府サイド。本国ソ連で大粛正やってるスターリンに影響されてか力でねじ伏せている。悪名高き異端審問をやってた国なので、苛烈な支配に傾いてしまうのは想像に難くない。
ファシストと蔑まされているのは台頭していたフランコ主義者たち。
フランコはドイツ軍に依頼して、共和党軍の要衝のバスク地方ゲルニカを空襲させる。(共産主義者への弾圧が激しいナチスドイツにとってこれは願ってもないことかもしれない)
市民に拷問とかするスペイン共和国はひどすぎだけど、自国を空襲させるフランコもそうとうひどいという、説明されてもすぐにはわからんような複雑な状況。
いいものVS悪ものの二元論ではなく、悪ものその1と悪ものその2という構造。そのあたりをこの映画はかなりうまく説明していると思う。個人的にはこのくらい難解なほうが、ググり甲斐あって楽しい。
情熱を失っている有名ジャーナリストと、仕事で検閲しているが本心は違うヒロインという人物配置。
登場する悪そうなドイツ軍パイロットは赤い悪魔ことリヒトフォーフェンのいとこ(まぎわらしい!)だったり、キャパやピカソの話題が出たりと賑やかでいいね!
パーティーシーンで地味に長回ししてるのも効果的だった。
テルミット焼夷弾が初めて落とされた空襲とのことだったが、映像では爆弾ばかりで、それらしきものが降ってこなかったのが唯一残念だった。
スペインが舞台の戦争映画って、ほんと少ないんだよね。そういった意味でもありがたい。
すげー面白かった!
ぶん

ぶんの感想・評価

3.7
スペインののどかな町ゲルニカで、他国のドイツとソ連が非道な行いを起こし暴れまくり、殆ど市民はとばっちり。そして消えない火玉の爆撃の惨劇に。

史実が基ですがかなりロマンス色が濃くドラマチックに出来てます。
私的にはもう少し歴史的真実を掘り込んでため息を出したい気持ちでした。
パブロ・ピカソも「ゲルニカ」の絵も話の流れに出て来るのを期待して観てしまいましたし‥

あと、英語だけ吹き替えで作って欲しかったです😅
yuichi

yuichiの感想・評価

5.0
ピカソのゲルニカが好きで、
「ゲルニカ」と名がつくものは自然と
触れることにしている。

元々、依頼されていた草案を破棄してまで
ピカソが描きたかったゲルニカとは何だったのか?気になって鑑賞。

戦争モノなのだけど、
ラブロマンス寄り、この頃の人達の生活や
想いも映画越しに知れて良かった

嫉妬って何にも産み出さないんだな
ただ醜くこびりついてるだけで

歴史の芸術が皮肉に彩る
ピカソの絵画『ゲルニカ』で有名な、1937年に起きたゲルニカ爆撃を背景とした映画。

スペイン内戦は『ミツバチのささやき』『蝶の舌』『エル・スール』『誰が為に鐘は鳴る』が有名ですが、
本作は、わりと情勢の中心的なところが描かれています。

アメリカ人記者、ロシア領事館職員、報道記事を検閲する係の女性。
メインの3人以外にも、登場人物は多い。
スペイン共和国派と反乱軍の構造に、ロシア、ドイツなどが加わり、第二次世界大戦の前哨戦となっていく構図が見えていきます。



爆撃された街の類似作品『ドレスデン、運命の日』。


『ゲルニカ』は日本未上映で、映画としては地味なタイプです(半分ラブロマンス)。
ピカソのゲルニカが放つ、残虐性と批判メッセージの裏に、こういう歴史があったのだと鑑賞してみると良いかもしれません。
rumrum

rumrumの感想・評価

3.3
日本では劇場未公開。
スペインのゲルニカ襲撃の話。
戦争の中での勇気ある女性が辿る髭は国が変わっても同じだな。
75年まで独裁政権が続いたのかな?
政府が謝ってないらしい。
ピカソが絵に描いているみたいだけど日本ではあまり知らなかった話でした。
ピカソの描いた作品のゲルニカ
バスク地方の小さな街。

アメリカ人記者と検閲の女性のロマンス
戦争中でも服装も姿勢もピシッとしていて綺麗です。
ラストのゲルニカ爆撃シーン
石畳の路地を逃げまどう人達に無差別の容赦ない攻撃が恐ろしいです。
ジョージ・オーウェルのドキュメンタリー小説でスペイン内戦を扱った「カタロニア讃歌」を読了し、スペイン内戦について興味をもったので本作を視聴した。2016年のスペインーアメリカ映画で、スペインの北部バスク州のゲルニカが舞台であるが、主人公がアメリカ人であるので言語は主に英語で時に現地の人の会話はスペイン語となる。110分の映画で恋愛とゲルニカ爆撃のストーリーがうまく絡められており飽きさせない。
ゲルニカ爆撃はピカソの作品「ゲルニカ」で有名であるが、映画で描いたのは本作が初めてであるので、世界ではじめて行われた一般市民への無差別爆撃(後の東京や原爆につながる)を行ったナチの非難という点では重要。本作では、戦時下の情報統制の問題も描かれているが、これにソ連がどのように関係していたかは本作のみでは理解できないので、あらかじめ知識をもっておくと映画鑑賞の助けになる(参考書には「カタロニア讃歌」を勧めたい)。
スペイン内戦には、海外からナチとフランコに反対する外国人が多数参戦するが、オーウェルもそのひとりであった。本作のモデルはイギリス人ジャーナリストのジョージ・スティアであり、彼の速報が世界にゲルニカ爆撃を知らしめることになり、ピカソの「ゲルニカ」の制作を鼓舞した。映画では主人公はアメリカ人のジャーナリストで、実際にゲルニカの爆撃を体験することになっているが、スティアは爆撃の翌日にゲルニカに到着し爆撃の惨状を目にして、それから目撃者の取材を行っている。
本作のヒロインはマリア・バルベルデ(ウィノナ・ライダーに似る)が好演しているが、役柄は政府軍側の報道の検閲係。ジャック・ダヴェンポートが演じるソビエトから来た上司は、スターリンによる粛清を恐れており(弟が本国で抑留中)、スターリン主義に反するジャーナリストの監視をバルベルデをはじめとする部下に行わせている。スペイン内戦では、フランコ対政府軍という構図の他に、反フランコで一致すべき側の中で共産党、無政府主義、統一マルキスト労働党(POUM)が対立してしまい、それがフランコに有利に働いた。当時政府軍は、支援をしてくれる唯一の外国であるソ連に忖度していた。スターリン主義のソ連は、真に労働者側のために「革命」を成し遂げようとするPOUMを弾圧するという方針であり、諸外国の共産党系のメディアは、POUMがフランコに実は味方するファシストの反革命勢力であるという報道であったことは「カタロニア讃歌」に書かれている。私はスターリンが指揮するソ連はともかく、他の国の共産党も何故POUMを攻撃していたのか疑問であった。本映画に描かれることが事実であれば、スペインからは政府側の情報統制で諸外国の特派員が政府軍にプラスの情報しか伝えることができなかったことになり、当時の背景が理解できる。「カタロニア讃歌」ではPOUM所属のオーウェルがスターリン主義の共産党が徐々に支配を強めPOUMらを弾圧していった経緯が描かれているので、同書を読んだ上で、本映画を読めば何故ソ連から送られた人物が強い影響を及ぼしているのか理解できる。ところが、本映画の難点は、フランコ軍も政府軍もほとんど登場せず、政府軍側の内紛も描かれていないので、歴史的バックグランドなしには、映画の理解ができない点にある。市民を対象にした世界最初の爆撃をゲルニカにしたナチの批判は理解できるだろうが、政府側の唯一の悪役は本国から派遣されて情報統制をしているソ連ということになるのだが、統制の目的など理解は困難だろう。映画のラストのテロップでドイツはゲルニカの爆撃を謝罪したが、スペイン政府は国として謝罪をしていないという情報があるが、これでは政府側が何を謝罪しなくてはいけないのか、外国の視聴者にはわかりにくい(映画ではソ連だけが悪者に見える。もっともスペイン内戦の歴史を詳しく知るスペインの視聴者には自明なのだろうが)。
映画の中では、名前だけ登場するのが作家のアーネスト・ヘミングウェイと写真家のロバート・キャパで、キャパを有名にした写真「崩れ落ちる兵士」を思わせるシーンも登場(女性カメラマンが撃たれた瞬間の兵士を撮影。ちなみに実際「崩れ落ちる兵士」を撮影したのはキャパではなく同行した女性カメラマンとい説がある)。
orangeloop

orangeloopの感想・評価

2.5
スペイン内戦 フランコ政権の悪夢
歴史に刻まれているゲルニカ爆撃

ドイツ空軍のヴォルフラム・フォン・リヒトホーフェン中佐が
指揮するコンドル軍団によるゲルニカ爆撃は都市空爆の実験であった
1937年4月26日
リヒトホーフェン中佐が作戦参謀のコンドル軍団とイタリア軍
24機の爆撃機でスペインのゲルニカを爆撃
3日間かかる攻撃を3時間で機銃掃射された街は
殺戮の跡が生々しい
約200トンの爆弾を投下し焼き払った
バスク地方最古の町であるゲルニカ

リヒトホーフェンの人柄がもっと温厚な人だと思っていた
この後、ワルシャワやスターリングラードも空爆
スペインで取材をしていたジャーナリスト・ヘンリーは
この砲弾の中に身を晒していた

タイムズ紙に英国人フリージャーナリスト 
ジョージ・スティアの記事によって報道されて
世界中から空爆に対し避難された

共産党支持者のピカソはゲルニカ爆撃の報をパリで受け
1ヶ月後に無差別爆撃の惨事の絵を描いた
”大手町オアゾ”の前にレプリカがありますね

これはパブロ・ピカソの怒りの感情の発現に他ならない…
浮かばれない魂、死んでしまった人々への鎮魂
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