結婚演出家のネタバレレビュー・内容・結末

結婚演出家2006年製作の映画)

Il regista di matrimoni/The Wedding Director

上映日:2018年06月23日

製作国:

上映時間:100分

3.5

あらすじ

「結婚演出家」に投稿されたネタバレ・内容・結末

うーん、もったいぶるのは苦手だけど、滑稽味は嫌いじゃないし、metoo時代のイタリア映画だと感じるつくりで、比較的見やすい。けど、男の哀愁たっぷりに撮るあたり、やっぱり腹立つかな。

でも成立してるのがすごいな…? 現代日本で、最近はコンプライアンスがキツくなって、などと言って嘆く男性監督の話を、男性が撮ったとして、ちゃんと現代の作品として、必要な批評性を備えながら表現できるかと言ったら、怪しいと思うので…どうだろうか。いまのところ、できそうなのってバカリズムくらいじゃないか。

イタリア映画における男性…芸術家像がずっと苦手だったんだけど、ようはプライドが肥大したコミュ障男性オタクの心性なのかと気付けたのは発見だったかも。

でもまあ、映画監督が結婚式の記録係をさせられてウエディングムービーを撮らされてプライドを傷つけられる日々を送っていて、metoo時代、いままでのような映画の撮り方ができなくなってフラストレーションが溜まっていて…憧れのフェリーニやヴィスコンティ他の影響下にある男の苦悩、男にプレッシャーをかけられる男の悲哀、知らんがな、まずは自分の罪悪に向き合え、悔い改めろ、という話でしかないのではとか。

時代が変わるにつれて自分の愛した表現が否定されていく辛さ悲しさはつきものだし、戦っていくしかなかろ、芸術で食えないなら、頭切り替えていろんな仕事引き受けるしかなかろ、気取るなよ、としか。

監督にフェラチオを申し出ろというプロデューサー、いますぐ逃げろって感じだな…理由が気持ち悪いよな、女とうまく関係を築けない監督だから手っ取り早くわかりやすい男女の関係になってしまえ、わかるだろ?って、すげえよな、くたばってくれ…自分に性的に奉仕する女しか、その存在を認められない芸術家、すげえ世界認識の男、でもこんな男はありふれてるんだろうな…とも思う、愚かだ…

海辺の撮影プラン、脱ぎ捨てられたウエディングドレスを見て娘が自殺したと勘違いする母、滑稽味、面白いな。淀川直治あたりが大喜びしそう(淀川長治さん、いくつか文章を読んでいるけど、無自覚な女嫌い、女への苛立ち嫉妬が垣間見えることがあって、愛すべき存在なんだけど、ちょっととっつきにくい、複雑な存在…ご存命だったらいまこの時代をどう思われたんだろうか…)

なんで脱ぐのが女だけなんだろ、この手の映画への不満が思い起こされて…結局、男目線で、罪悪感なく情事に雪崩込ませてくれる、誘う女が好きなんだな…と白けたりして。

花嫁は裸に抵抗があるだろうし依頼主の両親をどうやって説得するのか、と難色を示す演出家、そりゃそうだ、ウエディングムービーだぞ、芸術映画じゃねえんだ…カメラの前で安易に脱ぐのを嫌がる女優の話を連想させるあたり、強引というか、そうやって、昔は良かった、監督に力があって女優が従う時代だったのにと、嘆く仕草がだせえんだよ、と思ったりして。

芸術的なウエディングムービーを撮ってくれと依頼する男、娘の結婚式を葬式と表現する男、芸術家に幻想を抱く男、支配的な男、なんとも。いそう。やだな。

あの宗教、カトリックとはまた違う新興宗教なのか。

ありがちな、自分を全肯定してくれるミューズとの出会い、こういう展開、男性向けポルノでしかないだろと思ってたけど、実際、男性芸術家に心酔する女性ファン、我こそはあなたの真の理解者だと名乗りをあげる女はいるんだろうなと思うし、そういう女と出会いたいと渇望している男性芸術家はたくさんいるんだろうと思う、

でもその女が変節したからって悪女扱いしたりハニートラップだとほのめかしたりするのは違うだろって話を、女性目線で描いた映画が見たいんだよな。。まあいいや。

娘を強姦したな、と悪魔のように糾弾する男、父親の所有物としての娘、イタリアっぽい家父長制を感じさせるけど、ゴッドファーザーの国として迫力ある描写、

でもやっぱり、なんだかな、父親という男に支配された女が、別の男の元へ嫁がされる、それを、奪われたかのように感じている男、やっぱりちょっと認知が歪んでいるぞと感じるな…?

死んだはずの映画監督、花火、どういうこと、

結末、え、どういうことなの、駆け落ちは夢? 新郎を撃つ新婦の父は、夢? 時計はどういう…

わからねえー、でも男も女もそれぞれ逃げることができた、晴れ晴れした表情には好感。
予告を観て、そんなに古くないのに粒子の荒い映像、興味惹かれるエキセントリックなシーン(燃える十字架のモニュメント、袋に入ってジャンプする群衆、浜辺で裸の女性)、小気味良い音楽・曲から面白そうな気配がして鑑賞した。

実際に観た感想としては上記した内容は面白かった。粒子の荒いフィルム映像?、ホームビデオ、暗視カメラ映像が実験的に使われる。所々挟まれるモチーフも印象深い。ただ話は追いきれなかった。。。
久しぶりにうわーわからないわぁって作品。

単純な映画ばかり観てきたからきっと高尚すぎてわからないんだろうな、ってイタリア映画観てると多々感じる。
ほんとに誰かに解説してもらいたい。

娘の結婚式のシーンだけ現実で、シチリアに行ったところからは全てエリカの作品の世界だったのか?次の作品は「いいなづけ」って題名だったし。
現実でなく作り物の世界だったらあんなにごちゃごちゃしてるのも納得。

娘の結婚式の時に父親に声かけられて娘が返事しなかったのが謎。祈り?かなんかを捧げてる時間だから?なら返事しなかったことに父親も怒らないよね?

面接をしてる時にいきなり演技を始めた受験者もわからん。何でそのタイミング?その前にエリカのことを見てたあの視線は何?いわゆる枕営業的なことをやらないといけないってのを知ってて、それに対してどうしようか迷っていたけど、面接が終わりそうな空気を感じ取って心を決めたってこと?

公爵令嬢がいきなり訪ねてきたのも謎。何できた?そして誰に追われてた?好きでもない人と結婚させられるのが嫌で、家から逃げてきたの?

2人目の受験者で訴えてやるって言った人がいたけど、あの人が訴えたから警察がきたの?本当に枕営業的なことを強要してたの?

そっからいきなりシチリアに舞台が飛んだのもわからん。警察沙汰のは解決したのか?

時々映る白黒の映像はポケットに隠しカメラが仕掛けられてたの?自分で仕掛けたの?それともジャケットを貸してくれた家族と新婦側の父親の陰謀?

公爵令嬢の話を聞いて屋敷に忍び込んだのも何故だろうか。哀れだと思って気になった?

ミサで出会った2人だけど、地下で何が起きたのか不明。女の方が事務所を訪ねてきた時に聞いた内容を、実際に行動に移したのか。女が途中で逃げたのはなぜ?エリカが受け入れなかったから?

父親がエリカが娘に何かしたというのを知っているのはなぜ?所々隠しカメラっぽい映像があったけど、あれは監視カメラ?

試し撮りのシーンのとき、乗り込んだエリカの手にはカメラはなかった。ポケットにあるカメラだけだった。なぜ試し撮りだと嘘をついたのか(フィルムが入ってないのにカメラを回してるふりをして枕営業的なのを強要していたって話がここで活かされた感じなのか?)。ここでポケットのはもしかしてエリカのカメラなのかなぁってちょっと思ったけど、その映像の様子を他の人(父親とか新郎側の親戚とか)が見てたから更に迷子。やっぱり父親が隠しカメラとしてエリカのジャケットに隠したのか?
そのシーンの時に何回も同じ道を走らせて花嫁に暗示?かけてるのもわからない。

修道院?か何かに花嫁が篭ることになってそこを訪ねてきたエリカを男2人組が追い返した。そこでサングラスを胸ポケットにしまおうとして何かに気づいたような感じがあった。あれはポケットのカメラに気づいたの?てことはあれはやっぱり父親側に仕掛けられたものだったということ?

その後2人組の追っ手を撒くために、列車で出会った黒人の男性と洋服を取り替える(このシーンの少し前にいきなり列車のシーンが挟まれて黒人の人と話して腕輪をもらってて意味不明だったけど、ここに繋げるためのシーンだったのかと納得)。
無事に撒けて修道院?の方に行ったけどその途中で同業者の賞をもらった監督をまた見つける。この人もちょっと気が狂ってて怖かった。結局自殺したのか?よくわからないシーンだった。
この監督はこのシーンの前にも出てきてて、そこの部分は唯一違和感なく観れて何となく伝えたいことがわかるシーンだった。交通事故で死んだと思われてた監督(エリカはニュースでこの事実を知る)が実は生きてたとわかったシーン。このままだと自分の作品は賞がもらえないから、賞をもらうために死んだことにするって話。そういうことあるよなぁって思う。死んだ途端に担ぎ上げる感じね。



その後、花嫁のもとに駆けつけ、2人で逃げる。列車に乗ったように見えてホームになぜかエリカだけいる(この前をちょっと見逃したのでわからないだけかも)。
その後も結婚式のシーンがあって、「あれ?結局逃げてない?」ってなったり、父親がピストルで新郎を撃ったり。
かと思えばエリカが列車の中で目を覚ますシーンに切り替わって、ピストルのところは夢オチのように見せたり。
でも目が覚めた時にエリカの前に座っていたはずの花嫁がいなくて、「え?何?結局結婚式は行われて、これはエリカ帰り道なの?」ってなったけど、その後花嫁が1人で列車の中で座ってるシーンになって、「あれ、乗ってる」ってなったり。

とにかく訳がわからない映画だった。迷子になる。モヤっとする。解説がほしい。自分に知識がないから理解できないだけなのか、そもそもそのモヤっとを楽しむ作りの映画なのか、本当にわからない。
すっごく長くなったし、自分の文章が下手くそすぎて残念な気持ちになった笑 自分で理解できなかったことを文字にするのって難しいな。

でもやっぱりこれはエリカの作品の世界っていう説が正しいんだろうな。
窓越しの海、窓越しの家族
望遠レンズの使い方、遠景の人物配置が巧みに過ぎる
唐突な花火、燃え盛る十字架
教会、修道士、蝋燭
劇中劇と、虚実入り混じる構造は、魔術的感覚を覚えさせる
修道院の廊下、両脇に並ぶ個室の扉
列車内、眠れる美女と変わらず、窓を中央に引きで捉える、良い
随所に挟まれる、人物を追った移動撮影が効く
車、部屋の密室
死者が制する、劇中の監督の叫びの悲痛な事
ドイツ語で犬に話し掛ける奇行を始め、エリカの所作も良い
階段と台詞の反復は、夜よ、こんにちは、を思い出した
時折流れるピアノは、ハートリーを想起
断裂した場面、それとなく加速する混沌。海辺も相俟って、ズラウスキーのコスモスが頭を過ぎる

そうだ、そして会話は窓辺なのだ
女心は複雑
思いの外、コミカルな場面が多かったのも印象深い

ベロッキオ踏破しなくてはなるまい