ニッポン国 vs 泉南石綿村の作品情報・感想・評価(ネタバレなし)

「ニッポン国 vs 泉南石綿村」に投稿された感想・評価

K

Kの感想・評価

-
論理でも感情でも人は動かない
原告に感情移入するのは簡単だが、原が伝えたかったことは果してそうなんだろうか、もしく『i』の森のように観察者であることを放棄してしまったのか
富井

富井の感想・評価

-
役所・政府の腐りきった構造には怒りと悲しみを感じる
8年半という長すぎる戦い
多くの無視されてきた犠牲者達
人対人の対話がいかに重要か!
原告らのまともな発言や優しさから、怒りを求める原一男がみじめに思えるシーンもあった(それも分かったうえでの演出だと思うけど)
ip

ipの感想・評価

4.0
関空ができる前は最も面積の小さい都道府県だった同じ大阪に生まれ育つも、泉南にはほとんど縁がなく、この問題も知らなかった。アスベスト問題が社会で騒がれていても、全国的な話かなという程度の関心で、同郷の人たちがここまで苦しんでいるとも知らず。

社会の役に立つものを自分たちが作っていると思って働いていた時の使命感は相当なものだったことでしょう。それが命を蝕むものだったとわかったときの人生を否定されたかのような絶望感も。

今(判決当時)の大臣がやっていたときのことではありませんからと言える遺族の方の器の大きさが立派だったな。

それにひきかえ柚岡とかいうおっさんは本当に老害。被害者感情、遺族感情をあおり、役人にも省庁にも挑発的で喧嘩腰。しかも弁護士に相談したらいい顔しないとかわかっててやっている。
人間味のある自然な感情の出し方と言いたいのならそれは愚かだ。善悪のコントロールすらできないだけ。被害者たちのイメージと尊厳も損なうし、柚岡は来るなと言われるのも当然。
監督のコメンタリーと一緒に見れなかった(どう頑張っても上手くバランス取れず…)
お誕生日おめでとうございました。
このニュースはリアルタイムで見てたから覚えてる。中学高校位だったかな。
自分の身内等にはいなかったように記憶しているが、このご時世に水俣病のような公害があるのかと当時とても驚いたことを記憶している。
最初に慰霊碑の設置(最後)から始まり、クボタショックから泉南の訴訟に密着したドキュメンタリー
監督が話していたように登場人物が次から次へと亡くなっていく。
鼻からチューブを通さないと酸素が届かない住民
最期は皆寝たきりで裁判の様子を気に掛ける事も出来ない状況だったというのも
旦那さんも石綿絡みの病気で亡くした代表の奥さんの話が印象的だった。
お前に苦労かけたか。金に不自由もなかっただろうと死に際に話されたと
お金じゃない、けど現に起きた事に対して出来る事は謝罪と賠償金しかない。
死者は戻ってこないし、疾患のある人も治る事はない。
こういった公害等の問題って期間や労働条件等で区切られて、対象から漏れてしまう人が必ずいる。
金目的で声を上げてる人もいるかもしれないし、国としても精査しなければならないというのも分かる。
それにしても国というものはこんなにも淡泊なのかとがっかりした。
日本は他国に比べ自ら声を上げるという事に抵抗のある国だという認識がある。
国民が変わらなければ腐った国も変えられない。
コロナ禍で色んなものが炙り出されたこの国でどう生きるのが賢明なのか、考えさせられた。
官僚って何してるん?
この国は誰が動かしてるん?
国は国民のことどうでもいいんかな?
国って何のためにあんの?
原一夫監督。大阪泉南地区におけるアスベスト健康被害。石綿工場の元労働者やその家族を中心とした原告団が、国を相手におこした訴訟を追った3時間半のドキュメンタリー、ようやく観れた!

上告上告で、結局最高裁で判決が出るまで足掛け丸8年、、その間にもインタビューを受けていた方は次々と亡くなっていく。

悲しみ、怒り、もどかしさ、、、
見ていてこうした感情は溢れ出てくるんだけど、改めて知ったのは原告団の気持ちも必ずしも一様ではないという事、、、

怒りをあらわにする方、関わりたくないと拒絶する方、冷静な方、それらの間で逡巡する方。そこに司法のプロである弁護士団やら、勝たせる会やら、市民の会 柚岡さん(←注目)やら、意図的に焚きつけようとする原監督(←さじ加減が面白い)やら、其々の思いが入り乱れる^_^;集団訴訟の難しさなんだろうけど、流石は関西の皆さん、笑いも忘れないから気まずくならない^ ^

そんな絶妙の舵取りで、なんとか一つの方向に動き、勝ち取った最高裁での勝利!決して完全ではないし終わってないけど一歩前進した、声を上げる事で社会は変わるんだという一筋の光を見せてくれた気がする。

あくまで人間に焦点を当ててるから、裁判の焦点などは殆ど語られない。賠償の対象年度が限定された理由とか、その辺りの詳細も知りたかったけど、それやってたら5時間超えかな^_^;

これが平成民主主義の戦(いくさ)というものなのか。
文字通り息を詰めた3時間半。

原一男 『ニッポン国vs泉南石綿村』

本作が劇場公開された時、朝から体調不良で前半2時間ほど経た原監督自身が画面に登場したあたりで退出。
涙を呑みました。

昨年末に録画していたのを昨夜晴れて最後まで鑑賞出来ました。

皆が皆、そのドンキホーテの底力ぶりに圧倒されますが、特に強烈なのが支援する弁護士たちでさえ辟易するほどの柚岡一禎さんの暴走ぶり。
建白書を持って首相官邸前や厚労省前まで詰めよる。
対応する官僚職員や守衛さんに至るまで邪魔立てする者は容赦しないと言わんばかりの勢い。
当時既に老齢の域に達していた、彼がです。その姿はもはや別種の生き物のよう。
同監督『ゆきゆきて、神軍』の奥崎謙三と重なったのは私だけではないでしょう。

劇中で原告側の一人の男性が(怒りだけでは前に進めない)の言葉どおり
気体の温度を基準以下にしないと気体は決して液化しないし、
また基準よりも高い圧力のもとではどれだけ加熱しようとも液体は沸騰しない。

つまりお互い臨界点が定まらない限り(言葉が通じて話が通じない)という不毛のコミュニケーションが果てしなく続くさまはまさに民主主義の地獄を見ているようで背筋が凍ります。

問題がいつも先送りにされる中、被害者患者さんが鼻チューブを通して息も切れ切れに心情を語り終えるとテロップに死亡年月日と享年が流れます。見るたびに胸がつぶれました。

私の知る中で最も不作の年だった1989年、その年の日本映画の核として現れた『ゆきゆきて、神軍』に私は衝撃を覚えながらも称賛する声には加担したくない複雑な思いでした。

ですがそこから30年余、社名そのままの疾走ぶりに今は躊躇う事なく敬意を表したいと思うのです。

勝訴を勝ちとり最後の原告団総会の場面。
賠償金の分配に関して代表女性の一人の呼びかけには会場のどよめきに乗せられる前に笑えます。
大阪の女性にはこんな苛酷な時さえ(マ)が介入される。笑って良いものか、と訝りながらもやはり笑ってしまいます。
たまき

たまきの感想・評価

3.9
これみてから駅前でアスベスト問題の署名運動してる人に話しかけてみたりしたんだけど、怒り怒り怒りって感じで落ち着いて話せなかった😢
深緑

深緑の感想・評価

-
アスベスト被害者の3時間半に渡る闘争の記録。

嗚呼、労働と搾取。

結局、立場の弱い人・声の小さい人が矢面に立たされて一番嫌な思いをさせられるんだなぁ。

そういう意味で、アスベスト工場で働く事になった人達の事情と、原告団の前に出させられる厚労省の人達に共通するものを感じてしまった。

インタビュー中に映像が止まると、ドキドキします。
経済成長という大義名分の名のもとに国家が“使い捨て”にした庶民をなだめすかそうとする“お先棒”を担ぐような存在であってはならない裁判所。しかし実際のところはどうなんだと思わざるをえない泉州のアスベスト訴訟を長期間追い続けて我々には見えていなかった部分や生々しい現実を映像で切り取って見せてくれる原一男監督の最新作にして渾身の力作社会派ドキュメンタリーの傑作!
>|