犬猿のネタバレレビュー・内容・結末

犬猿2017年製作の映画)

上映日:2018年02月10日

製作国:

上映時間:106分

あらすじ

印刷会社に勤める真面目な弟とは対照的に乱暴者でトラブルメーカーの兄。見た目は悪いけど頭がよく勤勉で家業の印刷所をテキパキ切り盛りするブスな姉と、要領は悪いがその容姿と人当りの良さで人気者の妹。この二組の兄弟・姉妹の関係に、あるとき変化が訪れる。それぞれの思いが交錯し、相性最悪なW犬猿ペアの抗争は次第にエスカレートしていく。

「犬猿」に投稿されたネタバレ・内容・結末

おもしろいです。
主演の4人が実によく噛み合ってて、吉田監督の持ち味である居心地の悪い言動が本当に痛く響く。
観てくうちに兄弟、姉妹の関係性のニュアンスが微妙に変わる感じがおもしろく、緊張感が途切れなかった。
マジで楽しいことはもう間違いない。

ただ後半、残念!

まず大けんかの後半の悲しい音楽演出、ださい!
そして救急車のくだりは喋りすぎ!

その後のラストの会話で「そんなうまくいかない」を見せるために和解を演出するのはわかるが、
あんなに丁寧に説明しなくていーだろ!
あんなにウェットにしなくていーだろ!
すんげー残念で、涙止まった。

しかも子ども時代の描写、雑!
前回の「麦茶2つ」の二番煎じ感もあり、なんでこんなんしちゃうかなぁと思いました。
共感しやすいテーマを誇張を混ぜてコミカルに描いてて見てて楽しい。
良い意味で重くなかった。

重くないけどちゃんとグッとくるところはグッとくる。
ぬか漬けのシーンとか好き。

これ見たら性善説の方が正しいのかなって思った。
いったい、どこに終着点を取るのだろうと、ドキドキしながら鑑賞🎥
ラスト、いやこのまま終わるのか!と思ったら
あー良かった、そうこなくっちゃ

兄弟も姉妹もいる身としては思い当たることが
誰よりも近くて親の愛を奪い合ってきた存在
自分に無いところが羨ましくて羨ましくて
カチンときたら相手の1番痛いところだってつける
相手の良いところも痛いところも分かっているから
ここまで殺伐とはしていなかったけれど、正直、私自身、家を出て距離を置いてからは楽になったと思う
親も意外と無頓着だったりして、言わなくてもいいのにー、ということも平気で言うからなぁ

炒飯のシーンが本当に好き😄
ニッチェ江上さんがすごかった

何か
・知的でしっかり者で家事能力が高い感じ
・顔の赤みとか毛量の多さ、エネルギー過多な感じ
・美人の妹がいそうな感じ(ご本人は美人キャラじゃないけど目鼻立ちがハッキリしてる)

が、もうハマり過ぎてて、“そういう人”にしか見えなかった…すごかった…

きょうだいに対する容赦のなさって、親子・夫婦・恋人・友人など、他の関係にはないものだと思うので、そのへんの表現めっちゃ忠実だと思った。

“好き期”“嫌い期”があったり、好きと嫌いがまだらに入り混じってたり、仲良くしようとした途端裏目ったり嫌になったり、色々ある。
「他の人に言われる筋合いのなさ」のセリフも絶妙だと思った。

チャーハンにベビースター?が乗って逆に美味しいみたいなシーンが変にインパクトあって、しばらく(何だったんだ今の…)と思ってたらちゃんと回収されて(意味あったんだ…)と思った

最後の救急車の独白は要らなかった気がする。言わなくても分かるから野暮に感じた。
吉田恵輔の描く不良は毎回怖いからあんまり心臓に良くない。

個人的には兄弟の嫉妬って実際はもっと奥底で根深いようは気もするけども、まあそこはお話ですし。

4人演技はとても良くて、これは演出の部分だとは思うけれど、「あー兄弟(姉妹)なんだなぁ」というさりげない仕草がいくつかあったのがよかったです。
(でも意外と直接的なセリフや演出が多かったのはあえてなのだろうか?)
ヒメアノ〜ルで炸裂した編集の面白さも随所に登場し満足。

比較することでは幸せになれない という現代において、おのおのの幸せの形や生き方の苦悩があぶり出される展開は良かった。




絵の好み 7
展開脚本の好み 7
音・音楽の好み 7
編集特殊効果の好み 8
演技演出の好み 8
適材適所としか言えない絶妙な4人の配役。
ニッチェ江上が特に良い味出していて最高。
全員悪いような悪くないようなやっぱり悪いような人間味が絶妙で、兄だけぶっ飛び過ぎじゃないかと最初は思うが徐々にバランスが取れてくる。全員同じくらい長所と短所があって、それゆえ波はあれどやっぱり犬猿。
笑えるし泣けるし、ちょうどよく説明してもらえるから見易さもある。
『リバーズエッジ』のルミ姉妹が説明不足と感じる人はこっちのほうが肌に合うと思う。
好青年役とキチガイ役を両方やらされる窪田正孝の味も活きるし、毎度顔でヤバイやつばかりやらされる新井浩文も生きるし、筧美和子のおっぱいもあるし、当て書きなのかしら。
「犬猿」をみる。

最もものすごくうるさくて、ありえないほど近い存在というのは兄弟姉妹ということに気づく。
兄姉は周りから弟妹と比べられ、逆もしかり。一番自分と比較できる「他人」なのかもしれない。親以上に年齢も近いからズカズカと図々しい。恋人以上に昔から一緒にしている時間が長いからそれぞれにしか分からないものがある。一番簡単に憎むこともできるし、愛することもできる存在は兄弟姉妹以上にいないのではないか。

映画はとても面白かった。
フラストレーションが溜まっていき、最後に爆発する様相は群像劇として楽しめるし、しっかりオチまでついてよいつくり。
強いて言うなら兄が本当に騙されていた、という背景も描かれていると兄の苦悩が伝わったのではないかと思う。が、本当にどうしようもないやつ、とも見れるのでそれはそれで新井浩文の悪い感じを活かしてるとも言えるか。
オープニングで「あれ?まだ予告か…」。ここでもう監督の悪意が生かされてる(笑) 流行りの胸キュン映画に対するアンチテーゼ?あのわざとらしさが最高に意地悪w

暴力的でトラブルメーカーな兄に振り回される真面目な弟。…の構図で始まったはずなのに弟の言動に何とも言えない不穏さ、違和感を覚えてザワザワしてくる。抑えこんではいるけれどジワジワと滲み出てきてしまう悪意。それを窪田くんがど真ん中のお芝居で見せてくるから引き込まれ感がハンパなかった。目線の動かし方や話し方、声のトーン。腹黒さや狡猾さが所々で見え隠れする。じっくり見てれいれば何かがおかしい…って気付くし、いつも近くにいた兄はそんな弟の本質を全部わかってたんだろなってところが物凄くリアル。でも兄は分かってても飲み込むんだよなー。そこがホントお兄ちゃん。根っこは優しいんだよ。

一方、姉妹の方はとても分かりやすい。相手が傷付くこと嫌がることを誰よりも知ってて、そこをピンポイントでつついてくる感じがもうエグくてエグくて。でもそれぞれが持つコンプレックスや嫉妬心が分かりすぎてしまうのでツライな痛いなという共感に。

自分のきょうだいと重なる部分はあまりなかったけれど断片的に「分かる!」が散りばめられているからあっちこっちに感情移入してしまう。誰か1人にではなく その時々で「分かる!」を繰り返すので結構消耗します。でも感情をグラグラ揺さぶられるの大好き。

積年のいろんな思いをぶちまける爆発力からの空虚感。この緩急にめちゃくちゃ泣けた。言いたいことを全部ぶちまけてもスッキリするどころか即座に後悔と自己嫌悪に襲われる。相手を傷付けてしまった事に自分も傷付いてしまう。ああなった時の苦しさ、分かりすぎてしんどかった。

身内だから許せること。許せないこと。今回は大きな喧嘩と大きな事件がそれぞれの関係をぶち壊して立て直してく。スクラップ&ビルドだなぁって気持ち良くなってたんだけど、そう簡単には行くまいってラストが最高すぎた。

ただの良いお話にしてしまわない吉田監督の世界観。すごく好きだなぁとしみじみ。笑いもあってほのぼのとしてそうでグサッと刺してくる毒気があって。容赦なさそうに思えて ふとした優しさがあって。一筋縄では決していかない。拗れて捻れて綺麗ごとばかりじゃない人間の本質をグイグイ抉ってくるのホントに凄かった。

あと演者の表情をあえて捉えないカメラワーク。そういうので観る側の想像を駆り立てる手法は観客を信頼してのものかなと。とにかくキャスト含め大好き要素が詰まった作品でした。良作です。
その先が観たかった、そこで終わるなよ。物足りなさが残る。しかし前半の兄のキャバ嬢ビーチク弄りや姉の遊園地デートブタ鼻&嘔吐は面白い。しかし展開があまりにおとなしい。兄はそんなに早くイイ人っぷりを見せなくてもいいし彼らがもっと狂気に走る物語を観たかった。次回作に期待。
[ 吉田恵輔監督 ]

①この監督にダメ人間たちの可笑しさと悲哀を撮らせたら右に出るものなし!

「 ? 」なオープニングで吉田恵輔ワールドに引きずり込まれ、その後は兄弟姉妹の妬み嫉みネタで笑う。

②毎回キャスティングが抜群!
&魅力を引き出すのがお上手

ニッチェ江上と筧美和子が違和感なく上手く見えてしまう…かな。

それよりも女優さんをいつも艶っぽく撮ってくれるから期待通り筧ちゃんがエロい!
いるいる、おバカで軽いこんなオヤジキラー!

③シニカルな笑いの後に胸にグッ!と迫る場面がある。

4人が感情を爆発させる場面。
ここから今までの雰囲気が一気に変わり、“愛”に胸が熱くなる。

…だけど単純には終わりませんでしたww