海を駆けるの作品情報・感想・評価

「海を駆ける」に投稿された感想・評価

HORI

HORIの感想・評価

4.2
物語の起伏がほとんどないのに、何気ない会話や雰囲気から滲み出るものが、妙に劇的で、見終わった後不思議な余韻を与えてくれる。
Takano

Takanoの感想・評価

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わたし達、地球に住む者にとって海は必要不可欠な存在である。恵みだけでなく災いをもたらすものでもあるが。この『海を駆ける』はバンダ・アチェというインドネシアの港町が舞台で、謎の男が突然打ち上げられたことから物語が始まる。インドネシア語で「海」を表すラウと名付けられた男は、不思議な能力を使って周辺の人々を巻き込んでいく。



本作の監督である深田晃司監督の『ほとりの朔子』や『淵に立つ』で印象的だった赤色の魅せ方が象徴的だったのに対して、『海を駆ける』は青の表現が美しい。静かで雄大でありながらときに脅威となる海原がスクリーンいっぱいに広がって、それを見るだけでも「映画」を観た気になれる。


『ほとりの朔子』 の違う世界線のような作品でもあるといえる。津波で甚大な被害を受けたバンダ・アチェと東日本大震災からの被災者が描かれていた『ほとりの朔子』。モラトリアムを過ごす女子大生も登場し、不思議な浮遊感も持っている。名前も「さくこ」と「さちこ」だ。



謎の男・ラウを演じるのはディーン・フジオカ。このディーンさんが醸し出す神秘性や無国籍性が、どこから来たかわからないラウのキャラクターにぴったりとあてはまる。それにしてもディーンはシンプルな服が似合うよなあ。さらっと着こなすあたり無国籍なかっこよさを感じてしまう。作中のラウは、他の登場人物の味方にも敵にもなることなく、淡々と謎の男であり、このラウを利用するものも現れる。ラウが行う神話的行動は果たして奇跡と呼んでいいのだろうか。ラウという男は一体どういう存在なのか考えながら見るだけでこの静かな物語はさらに深みを増すのだ。
ゲル

ゲルの感想・評価

3.0
海が大きなテーマとなっていて、邦画でありながら東南アジアのゆるっとした空気を味わえる作品。
あまり起伏がないので途中で寝てしまった。
なんとなく予想はつくものの、ラウが何者なのかとか、最後までよくわからなかった。
mu

muの感想・評価

2.3
軽い気持ちで見たんだけど、見終わったあとぽかーんとしちゃいました。

難しいな〜と思ったけど津波がどうのこうのって言ってたなとか考えてたらだんだん腑に落ちてきた気がする。

ディーンは津波説を念頭に見るとちょっと分かるかも…?
とりあえず海が綺麗〜!
藍沢悟

藍沢悟の感想・評価

4.0

このレビューはネタバレを含みます

淡々と映し出されるインドネシアの人々の生活と、海からやってきた異質な男、ラウの対比が凄く好きだった。
日常生活に溶け込む異質な存在。

ラウの正体なんて結局分からない。
「なんで?どうして?」の疑問に、この映画は一切の答えを出さない。
画面に映し出される全てのことに答えを出してしまう邦画が沢山ある中で、こういう邦画を作ってくれるのは、とても嬉しいと個人的には思う。

ラストシーンで、ラウに続く形で海を駆けるタカシとサチコ、クリス、イルマ。
そしてラウは海へと消えてゆく。
その一瞬のシーンの歪さと美しさはとんでもない変化をもたらした。
彼らの人生の中で、ラウと過ごした一瞬の出来事は、きっと何物にも代えられないのだろうな。

ラストシーンの意味を延々と考えている。
いつか答えが出たら良い。
青い海と浜辺を上空から捉えたファーストショットはドローンによるものか。ディーン・フジオカの裸体も取り入れてて、印象に残る。ラストでも似たショットが出てくる。それもカメラは海よりで。ストーリーに合わせてるのか。
このディーン・フジオカ演じるラウは、不思議なキャラ。セリフもわずかで登場シーンも少ない。本作の進行の中心は、インドネシアに移住した日本人女性とその息子、この地を訪れる姪、そして息子の友人のインドネシア人たちである。この若者4人組の恋愛模様が初々しくていい。「月がきれいですね」って、名言(迷言?)もあって。
スマトラ沖地震、アチェの独立紛争を絡めて、自然の脅威や民族・宗教などのインドネシアが抱える問題をそれとなく表現。ラウはこれらを解決するための救世主とも思ったがそうでもない。いったい何者って、謎が謎を呼んで、結局は深田監督のよくあるパターンに落ち着いたって感じ。
役者では、太賀と阿部純子がいい。太賀は、深田監督作は3作目。いつのまにか上手くなっちゃてる。本作もインドネシア育ちって感じが何の違和感もなくて。ところでこの二人、「ポンチョに夜明けの風はらませて」で共演している。絡みはそれほど無かったと記憶してるけど、ハチャメチャな若者の群像劇で、結構愉快。阿部純子は、ピンク色の看護師コスチュームで登場、これが結構お似合い。「孤狼の血」の薬剤師役や「あぜ道のダンディ」の娘役あたりもこなしていて、マルチさは十二分。これからも注目しなくては。
おっと、あと一人。太賀演じるタカシのインドネシア人の女友達、イルマ役のセカール・サリ。スゴく魅力的に映った。演技力が増せば、将来、大物かも。
作中、登場人物たちはよく「何?何で?」というセリフを多用していて、なかなか意思疎通が図れずにいてこちらももどかしくなってくる。でもそれが最後にはぜんぶ昇華されて、言葉ではない繋がりになっていくのが心地よい。
それから太賀の違和感のなさがすごい。
junkoFeb4

junkoFeb4の感想・評価

3.4
美しいインドネシアの自然の中、日本人とインドネシア人と海から現れた記憶喪失の1人の男性が織りなす少し不思議な話
インドネシアで流れるゆったりとしたリズムが伝わってくる感じです
内容は少し難解で、人それぞれ受け止め方は違うと思うけど、
ラウという不思議な存在
人かどうかもわからない、まるで自然そのもののような存在
その周りで生き生きと過ごすインドネシアと日本の若者たち
不意に命を落とす人々
綺麗な映像の中
自然のもたらす恵みと脅威をじわ〜と感じる不思議な映画
半分、阿部純子さん目当てでしたが、ディーン・フジオカさんを海の擬人化として出現させたのかな?と考えれば悪くない映画だと思います。インドネシアで繰り広げられる青春群像模様も良かったですし。太賀さん、成りきり過ぎて暫く彼だと気づきませんでした(笑) 鶴田真由さんがどうなったのか気になります・・・
とてもシンプルなストーリー。
ラウという中心人物、ディーン藤岡さんがあまり話さないということでうまく表現ができていたと思う。水の玉を生み出すシーンのCGとても綺麗でした。
インドネシアでの撮影。どうしても日本人がインドネシアに行っただけの話になってしまうことが勿体無い。
深田監督の〝外界からの侵略者〟をもっとうまく活かせれば。ラウという人物が侵略者=異物ならば、ラストシーンでの爽快感しかないかも。もっと町の人々(内界)との関係性を描ければ良かったのかも。
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