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「フェイス・ダウン」に投稿された感想・評価

しもむ

しもむの感想・評価

3.2
主役にはモデルがいるらしく、その人物の話を元に作られたストーリーで、主演を演じるのはメルヴィル・プポー。
メルヴィル・プポーがキャスティングされた理由として、非情になりきれない純粋さを持ち合わせた俳優だからとの理由だったが、確かに目に優しさが宿ってる。
というか、そもそもイケメンなのでスクリーンによく映える。

実際の話を元にしただけあって、話の展開はオードソックスなのだが、男が少女に感情移入した事によって歯車がどんどん狂ってく。
「これ、主人公どうするの?」なんて思いながら観てたらあのラスト。
終わらせ方格好良すぎて痺れた。
この終わらせ方めちゃ好き。

アイランドと同じくカメン・カレフ監督の作品だけど、これで完全にこの監督が好きになった。
Malgosia

Malgosiaの感想・評価

3.0
この映画は監督自身が、主役のモチーフとなった男性と会い、製作した実話映画らしい。

ブルガリアという、EU圏の1国で、このような問題が存在する事を知らなかった。

そして、被害に遭っている子供達自体、その環境から抜け出そうとしないことに驚いた。

また、監督自ら、人身売買のボスに書いてとして会いに行き、素人だとばれた後は、映画の製作予定の話をし、実情を聞いたらしい。

そして、映画には、素人も多く活用しているらしい。子供の売春婦を売買する女ボスを演じていた人は、「実社会ではブルガリアのスーパーで働いている人」ということや、素人オーディションの時、地元のギャングたち(実際に少女を売春婦として売買している人たち)も、オーディションに応募したという。

監督曰く、「地元のギャングたちは、テレビに出る事に凄く興味があるから、自分が本物の買い手ではないと知った後も、自分たちをPRしてきたという。
Marrikuri

Marrikuriの感想・評価

1.6
パスポート~砂浜~ラストの唖然、のせつなさはイイ。実在男性から打ち明けられたという実話のそこらへんをこそ描きたくて映画作りしたわけね? だったら、そういうラストから「逆算」してもっと全体に脚色力を発揮しなきゃダメだった。事実と演出と架空とを和(あ)えるのはもちろんカンタンなことじゃないだろうけど、みんなに社会の暗黒を真に訴えるためには広義における面白さがもっともっと必要だよ。それは卓越した演技力だけでもいいんだけど(なかった)。

展開がとにかく退屈。その上、主演男女の外見的インパクトもない。(サミー役メルヴィル・プポーの地味さが埋もれやすさでしかない。“悪人らしからぬ優しさ”を監督としては彼で出したかったというが、例えばライアン・ゴズリングぐらいに地味さがおいしさorセクシーさじゃなきゃね。全然美しくないエルカ役オスーヌ・シュトリ?は、ロマ感も足りない。前髪深くして太アイラインひいてる時だけ一瞬お人形になる程度だった。そんなの女性なら誰でもなれる)。
戦争が嫌いだから戦争シーンを撮るの自体が苦手だったというトリュフォーみたいな人が映画人として正しかったのかどうか私にはわからないが、組織的人身売買やロマ迫害をなくしたいと願った人にしては人身売買組織や暴力をまるで好きみたいに丹念に描いてみたカーレフ監督。
しかし、ピストル奪うプポーの演技は下手くそだった。いっそ、贋金グループのスキンヘッドのいかつい男優がサミー役やったりしてもよかったかも。
教会でみんなして吉幾三調の演歌(聖歌?)唄うところが不気味で面白かったけど、ほかは本当にひたすら退屈で、早く終わってくれないかなとばかり思って観てた。主役サミーがどうして刑務所入りを極度に嫌がるのか、そしてどうしてエルカを好きになったのかが、そもそもちっとも理解できなかった。疲れた。

そういえば、ずっと前に見たイラン映画『バダック』も同じく人身売買を題材にした超冗長な駄作(myオールタイムワースト級)だった。
eigajikou

eigajikouの感想・評価

4.0
『イースタン・プロミス』に出てきた様な若い娘の人身売買の実態をブルガリアのロマの人々が暮らす地域を主な舞台に
監督が実際会って話を聞いた人物をモデルに描くスリラー。
主人公サミー(メルヴィル・プポー)が助けようとするロマの少女エルカはじめ出演者は殆どが素人。1年かけてオーディションし120人を起用したそう。
これは直球で分かり易い描写のカメン・カレフ監督作品だった。
ブルガリアではテレビ放送もされ、60万人以上が見たそう。
スイスで行われた人身売買に反対する国際会議でも上映されたそうです。
メルヴィル・プポーが優しい人間性が滲み出てしまうヤサグレ男を好演。
悪に手を染めた男が、ふと感じてしまった良心の呵責。人を助けたいという気持ちだけが空回りして、厄介な出来事ばかりが増えるのに、それでもベクトルを逆にすることをやめない。

ブルガリアをはじめとした「バルカン・トレイユ」が映画に取り上げ始められて久しい。これもその1本。

結局文化の違いでもあるし、社会情勢の違いでもある。所詮サミーはフランス人でしかない。スラブ圏やロマの思考ではないところに、本作のポイントがある。異文化故に無駄になる善意は哀しい。そこにスポットをうまく当てていた。
劇中で使われる言語のどれかひとつでも理解できたら、おもしろかったと思う。
ラストでようやく、この映画が何を語ってきたのか理解できた。

このレビューはネタバレを含みます

ロマって存在を知らなかった。教育を受けることで、運命をぶち破る知恵だって、力だって湧き出るのだろう。未だに、教育を受けられない下級層があるのだそうだ。

物語は、生きていく術は身体を売ることしかなく抜け出せないエルカ。
サミーは必死に助けようと国外脱出の資金集めと奔走。いよいよ実行するが、、、。

映画の最後の方で、エスカレーターに男達が乗り込み、サミーがエルカを何気なく庇っているシーンが好きだ。

サミーの愛は届かず、エルカは家族を選ぶのが、何とも切ない。エルカには自分で切り開く術を知らないし、怖かったのだろうか。
そして、ラストを迎えた後の、サミーはどうなったのか。

愛だけでは語れない。いかに自分の可能性を信じるかどうかもあるのでは。

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