『淵に立つ』の深田晃司監督・脚本、筒井真理子主演による、日本/フランス合作映画。(PG12)
共演は市川実日子、池松壮亮、吹越満 他。
無実の加害者へと転落した女性のささやかな復讐を描く。
" よこがお " か、なるほど深い。
復讐にもいろいろある。
ゆっくりとしたテンポで、ひとつひとつのシーンがとても丁寧に、かつ繊細に描かれている。
考え抜かれた構図、光と影、鏡やガラスの反射を利用した画作り、自然音の使い方などから、力量のある監督さんだというのが理解出来る。
生活感や仕事内容、風景描写についても、当たり前の事が当たり前にきちんと描写されていて、不自然に感じるところが無く、この夢の世界に没入出来る。
ただ、シナリオが少し分かりにくいし(おそらく意図的に)、ぼかす必要のない表情まで暗くぼかしたり、自らの策に溺れているようにも感じた。
正直、面白いとは思えなかったけど、心の奥底がざわつくような、とても考えさせられる、良い意味で気持ちの悪い映画だった。
筒井真理子ファンとしては、彼女の圧巻の演技と優しい笑顔、当時59歳のフルヌードが拝めるだけで、ボクにとっては神作といえる😳