このレビューはネタバレを含みます
「泣く子はいねぇが」に続いてだらしなさ2連発で。
人々を不幸にする悪魔として村を追い出された父親広志とその息子進一、二人の運命を描く。
「いつくしみふかき」言葉が重く響くテーマとなる、凄いという表現が正しいのか、不思議なインディーズ作品をTSUTAYA新作から。
父親広志役の渡辺いっけい、妻の実家に強盗に入ってしまう悪事から、その後もどうしようもないだらしなさを見せる。
助けてもらった神父さんを裏切る心境は理解できなかった、ラーメン食べて謝るシーンも印象的、全編で凄い演技だ。
広志の息子進一役は遠山雄、父広志のせいで悪魔の子供として扱われてからはヤル気を持たない男、作品の原案としての思い入れも、役には合ってた。
親子の再会から二人が見せる愛憎劇は見る者の予想をはるかに越えて描かれてて。
登場人物はアウトレイジみたいな悪人、そして心を病んでる人ばかりだった。
ネタバレ。
非道を尽くした報いが広志に。
親子の血のつながりを、それでも許せるのかとも考えた。
ラストはこれぞ「いつくしみふかき」それでもあるがままを受け入れる希望なのか。
難解な結末も、バスを降り自分の足で歩き出す進一が答え。
深いなあ、高得点で。
読ませてもらって、ちょっと西口彰事件がよぎりました。
なるほど、殺人はしなかったけど、通じる所あるのかもですね。