『すばらしき世界』を観て感じたのは、
「人間ってこんなにも不器用で、
でもこんなにも真っ直ぐなんだ」
ということでした。
役所広司さん演じる三上は、
暴力的で短気なのに、
心の奥底では…
なまじ人懐っこくてお人好しなのもデカイ体をぎゅっと縮めて耐えてる姿も母親信仰も福岡生まれも「似てますね」って言わなきゃ普通に生きていけないのも全部つらい
西川監督の映画ゆれるしか観たこと無かったから…
無性に泣けてきた…。
特に、養護施設でのサッカーのシーンと、介護施設での障がいのある同僚とのやりとり…。主人公の言い様のない悲しみが伝わってきた。
ラストはあのまま(ハッピー)エンドでよかったのに…
自分が幸せにならないと他人にも寛容になることはできない。
最近このようなことを哲学の本で読み、頭の片隅に置いていたが、この映画ではその言葉を再考させられるものであった。
人間、他己的に行きる程自己…
©佐木隆三/2021「すばらしき世界」製作委員会