道草の作品情報・感想・評価

道草2018年製作の映画)

上映日:2019年02月23日

製作国:

上映時間:95分

3.9

「道草」に投稿された感想・評価

mmm

mmmの感想・評価

4.0
自閉症と重度の知的障害があって、自傷・他害をしてしまう方々の生活を追ったドキュメンタリー。
意味のない言葉を発してたり、自分や誰かをつい傷つけてしまったり、
治まらなくて入院したり。
気持ちを伝えたいのに、もどかしくて伝えられなくて物や人に当たっているところを見て、
少なくとも「何かを伝えたがっている」という合図を出してる。
彼らにとっての当たり前の合図は、一歩外に出ると驚かれて受け入れ難かったりするのだけど、
そんなところもユーモラスに描かれていました。
映画の中で介護者の一人が、
「(こういう障害の人たちが存在するのは)意味がある。」
と話していたのが印象的でした。
介護者の方は、障害のある人と向き合っているというよりは、
その人自体と向き合っていて、家族のようでホッコリしました。
映画のHPのストーリーの所に書いてあった文。
「叫び、振り下ろされる拳に伝え難い思いがにじむ。関わることはしんどい。けど、関わらなくなることで私たちは縮む。
だから人はまた、人に近づいていく。」
感情を本気でぶつけて来て、受けとめることのしんどさは、障害の有無に関わらず共通しているところ。
理解するのは難しくても、ありのままを受け入れることで、相手との信頼関係を作れるという事をこの映画を通して学びました。
是非色んな人に見て欲しいです。
natsu

natsuの感想・評価

4.0
4人の障がい者。

最初に登場するリョウスケくん。絵がすごい!
チラシの絵も文字も彼の作品。このほわっとした絵だけでなく、本編に出てくる絵の数々。彼の眼に映る風景や日常の切り取り方がまあ、素晴らしい!!
障がい者に目が向けられるようになって、アールブリュット的なもの、アートがもてはやされている時代。わたしも沢山の彼等のつくるアートを見てきたけれど、リョウくんの絵は、障がい者という視点抜きにしても突出しているように思える。
彼の身につける物(カラフルなんだ〜)とか、好きなもの(ポップなぬいぐるみと一緒だ)とか、電車の交差する風景と音への執着とか、見ていると素敵なものを生み出す素地やこだわりのようなものをたくさん持っているように感じた。
一輪車もボードも上手い。十数年来の付き合いの介助者さんが楽しい、と最後につぶやくところに納得する。


と、素敵な部分を書いてみたけれど、やはり、この病気や仕事の大変さは一筋縄ではいかない。わたしも福祉に関わっていた1人としてすごくわかる。この4人ともヘルパーさんは男性。もちろん、同性介助のルールに基づいたものでもあるのだろうけれど、重度の障がい者には、男性でないと務まらない体力や暴力的問題(他害による怖さとか)もつきまとう。


そういった他害の大変さも大きく提示していた。次に登場した父と住む引きこもりの彼。家は傷だらけになり、罵声が飛び。重度ゆえに、ほんとにほんとに家族がしんどい。でも自分をコントロールできない本人が一番しんどい。そんな中始まった、介助者と一緒の小さな外出が彼の楽しみで安心で。よかったな、と思える散歩の様子。でもその状態は長くは続かず、結局精神科への入退院を繰り返す。前の施設で職員に暴力を振るわれて退所した話もあったが、その職員にだってどうにもできないしんどさがあったのではないかと想像すらできる。

ここまで書いたら、しんどくなってきた。。
とにかく、この事業を続けているヘルパー事業所の方たちに頭が下がる。どうしていけばいいのかを試行錯誤しながら、そして地域の理解を得ながら(コンビニのガラス破っちゃうのびっくり。それでも、利用していくはず。そんな関係づくりもあるのだと思う)わかってもらいながら、ここまでやってきて。これからもやっていく。

彼らたちも介助者たちも歳をとっていく。10年以上の付き合いと話す介助者も複数いたが、長い人生変化することもあるだろう。
長く関わっていてほしい。安心できる関係を続けてほしい。みんな笑っていてほしい。そう思わずにはいられない。

世の中が変化していて、以前よりは障がいのある人への理解はすすんだかなとは思う。
それに、最近はさかんにSDGsとか言い始めているから、自分と違う人たちを認めていく風潮は、加速していくように思う。
これからだ。もっと知られるべき。
テレビをつけたら、こんな映画やドキュメンタリーが普通に流れてくれたらいいのにな。Eテレだけじゃなくてね。
知的障がいや精神障がい、自閉症、を伝えるものとして、これはとてもとっかかりやすい映画だと思う。ぜひ。
ミミ

ミミの感想・評価

5.0
とても素敵な映画。世界の見え方がじわじわ優しく変わっていく。
出てくる人達にそれぞれの魅力があって惹き込まれる。
リョウスケさんの絵に心をもってかれた。
もっともっと、色んな人達が見える社会になってほしいという気持ちが強まった。
私には自閉症オトナの息子がいる。
育児は途轍もなく大変だったけれど容姿はそれはそれは天使のようで。(中1まで)
親にとってはまだまだかわいいし、黙ってて身なりを整えればカッコよくも見えるのだけども、大きなカラダで言動は5歳児並みの、声の大きな、対応間違えるとたまに暴れるオトナの男性がはたして地域に溶け込んで暮らしていけるのか?
(暮していくつもりだったけど、つい最近までは)
そういう想いを抱えて鑑賞したので、身につまされすぎて、しんどくて、七転八倒状態で鑑賞して、感想なんてとても書けない、
登場するご本人たちは肯定的に描かれてるし、自閉症者を見慣れた私から見ると微笑ましく見えるけれど一般はどうなんだろう?
という状態で今日まで来たのだけど、恐る恐る検索して、一般の方らしきレビューを観ると、意外にほんわかした世界観のほうを受け取ってくれていて、目からウロコでありました。
waverrr

waverrrの感想・評価

4.1
障害を美化しない。

笑いも哀しみも怒りも正面から描こうとする姿勢に好感が持てる。
その真摯さによってこの映画の試みは見事に成功しただろう。
私と彼ら彼女らに隔たりはなく等しく苦悩しながら今を生きる同朋だ。
なつ

なつの感想・評価

3.7
登場人物(当事者も支援者も)がみんな人間らしくて素敵。素直に生きるって大事だなぁ生きづらい世の中だけどこんな世界も悪くないかもと思える作品だった。
勉強になった。諦めないこと、行動には理由があること。ヘルパーさんとお出かけしたいって時は泣いた。
過去記録〜〜
インスタ転用↓


道草
観終わったあと、
いいタイトルだなって。
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作品は、
障がい者の自立生活を描いたドキュメンタリー映画です。
2014年に重度訪問介護制度の対象が拡大され、
「重度」の知的・精神の人たちも
介護者付きでひとり暮らしが出来る
そんな可能性が大きく広がりました。
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登場人物は
ヘルパーさんと一緒に一人暮らしをしている
リョースケさん、ヒロムさん、ユウイチローさん。
それから、自立生活を考えているカズヤさん。
それぞれの日常。
暮らしを支えるヘルパーさんとの関係。
親の思い。
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心の安らぎを感じる時もあるし、
激しい衝動を抑えられない時もある。
自分らしく生きるって
簡単なことじゃない。
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作品の中では、
津久井やまゆり園の事件についても触れられていました。
人の存在を考える時、避けては通れない事件。
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人が生きていることの意味って。
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仕事の関連で出会う人たちから
作品のことを教えてもらったのですが、
身近な地域での出来事が描かれていたり、
見かけたことのあるヘルパーさんが出ていたり、
とても「近さ」を感じる作品でした。
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上映後にリョースケさんのご両親の登壇があり、
当事者の生の声を聴けたのは
とても良かった。
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宍戸監督のドキュメンタリーはいつも素晴らしいです。
あるがまま。
日常のまま。
障がい者に対する価値観や
良し悪しを押し付けないし、
大変なことからも目を背けない。
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呼吸器をつけながら地域生活をする人を描いた
『風は生きよという』という作品も素晴らしいです。
同じ監督とは知らず!
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障がい者のことを考えていくのって
全然生易しくないし
キレイゴトとか1ミリもいらないんだけど、
でも社会の中に一緒にいる存在のことだから。
何かしなくちゃ!って思わなくていいんだけど、
知ってほしいなとは思います。
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観に行くのは3回目だが、いつもどこかで眠ってしまう。今回初めて観るシーンが多く驚く。ふと、別世界のリアリティに浸っているのに気づき、あれ、今日の昼間は何してたかな、と仕事して来たことを思い出す。一日のうちに随分遠くまで来た、そんな感慨のある不思議な感じがした。
今回特に、障害の当事者たちと介助者たちが同じ比重で描かれているなあ、ということに気づかされたことは大きかった。(つづく)
上映会の運営側になったため、計3回観ました。

視覚支援も何もない、フラットな人と人との関わり。
だからこそ起きる困難も沢山見られるのだけど、
これはこれでひとつの支援の形だと思います。
どうしても気になる支援はありますが、それをもって作品を語るのは無粋なので割愛します。

このような環境の中では、自閉スペクトラム症を持つ人は
社会のルールと自分の特性の「差」に対して、
支援者の「支援観」を通して社会との「折り合い」をつけていくことで生活が回っていると思いました。
「そんなに食べ過ぎてはいけない」とか「奇声を発してはいけない」とか「人のポテトは人のものとか、
そういう小さなことに折り合いをつけながら生きていく。
対して視覚支援は社会のルールを、
「彼らが理解できる形で説明する」ものだと思いました。

どちらが正解というわけでもなく、
きっとそれぞれの先にそれぞれの幸せがあるんでしょう。

支援が入ることで、生活の質が上がり、
笑顔になる。
支援する側からすれば、
嘘のないその映像を通して
支援することの大変さややりがいを
あらためて感じることができると思います。

余談ですが、作品中で津久井やまゆり園の事件が取り上げられていて、
この凄惨な事件を風化させてはいけないなと思うと同時に
映画という作品にこの事件のことを記録しておくことはすごく意義のあることだなと思いました。
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