コントラ KONTORAの作品情報・感想・評価

コントラ KONTORA2019年製作の映画)

上映日:2021年03月20日

製作国:

3.9

あらすじ

「コントラ KONTORA」に投稿された感想・評価

EDDIE

EDDIEの感想・評価

4.4
逆走する男、祖父の椅子、手帳と遺産…継承と親子の絆を描くヒューマンドラマ。
父娘の関係に陰りが見え鬱屈とした日々を過ごす少女が過去を遡って見つめ直す。
家族に光をもたらす摩訶不思議な後ろ向きの男。ラストは印象深く記憶に刻まれた。

公開当時、それこそ後ろ向きに歩く謎の男役の間瀬英正さんがめちゃくちゃ頑張ってプロモーション活動されていたので気になっていた作品でした。
なかなか近くの映画館では縁がなく見逃してしまったんですが、なんとAmazonプライムにて見放題配信に!

144分の尺にたじろぎましたが、観賞を始めると一気にのめり込みました。全然長さを感じません。
全編モノクロの映像は全く古さを感じさせることなく、ただ田舎町の田園風景など撮影の美しさに目を奪われるばかり。
これは主人公の祖父が特攻隊員として従軍した戦争時代に遡るというテーマ性とその時代の写真や資料が白黒でしか残っていないから、モノクロで映像化したのは監督の当初からの狙い通りだったようですね。

主人公のソラ役を演じた円井わんは『うみべの女の子』や『タイトル拒絶』にも出演した実力派の若手女優。
目にこもった力強さや思春期のむず痒さ、気難しさ、怒りなど複雑な感情を上手く表現していました。見事な主演演技だったと言えるでしょう。

後ろ向きに歩いたり走ったりする珍妙な男を演じた間瀬英正は、具体的な言葉でセリフを放つシーンがなく、基本は叫び声や歌、そして一つ一つの表情の変化で魅せていました。
本作において特異なキャラクター性もあって最も印象深い人物です。

この作品は田舎町に突如現れた謎の男の正体を探っていく面白さもあるんですが、根本的には家族再生の物語だと感じました。
早くに母を亡くし、多感な少女には父親との関係性があまり良くない。彼女にとって良き理解者であり、話し相手でもある祖父が突然亡くなってしまう。
父と2人きりになったソラは否が応でもそれぞれの気まずさが浮き彫りになります。
父を避けたい年頃の娘。
娘とわかり合いたい父親。

だけど、それぞれが向いている方向が違うからすれ違いは必然的に起こるわけです。

そこで彼らの関係性に強く作用するのが後ろ向きの男です。
自分の保身ばかり考える父親が少しずつ娘と距離を近づける。そこには共通点を持った他人が入り込むことが必要だったんですね。
どのように男が彼らの関係性に作用したのかは見てからのお楽しみということで。

それにしてもラストシーンが素晴らしかった…2021年に公開された新作映画の中でも群を抜いて記憶に残る素晴らしいラストカットでした。
数少ないミニシアターでしか上映されていなかった作品なので、知らない方も多いかと思いますが、多くの方に観ていただきたい良作です。

※2021年新作映画178本目
※2021年自宅鑑賞235本目
雅治

雅治の感想・評価

4.1
本年度上半期ベスト10の傑作。少し長い気もするけど、ラストカットが印象的。
panc

pancの感想・評価

3.5
予告編が強烈だった。この映画の全ては、「車の事故で家族を亡くしたある男性が、過去に戻ろうと後ろ向きに歩き出した」という記事からはじまったという監督の言葉を知り興味MAXで観始めた。

まずモノクロで見る田舎の風景に吸い込まれてしまう。画面の吸引力がハンパない。

反面、終始イライラ、普通に対話することを拒絶するような登場人物たちにザワザワ。観る側の感情移入をカンタンには許さない。

目を見て話してくれたおじいちゃんとはわかりあえていたのに、目を合わせてもくれないお父さんとはわかりあえない。
という女子高生の台詞はありきたりだけど深く印象に残った。
Tommy

Tommyの感想・評価

4.5
後ろ向きに歩く男。田舎町の閉塞感と孤独に共鳴する第2次大戦の記憶。抜群の映像センスと想像力が無限に広がる自由な表現と余白に懐の深さと力が宿る。"語り継ぐ"映画の存在意義。そして今年1のラストカット。怒り,警告,希望,鎮魂…。全てを切裂く強烈な余韻に心が騒つき涙が溢れた。傑作
TagTak

TagTakの感想・評価

3.0
戦争の記憶を“逆向きに歩く男”という超現実的設定で描く心意気は良いんだけど、演技のつけ方が画一的(怒りを表現するのが怒鳴り声だけみたいな)で、140分の長尺で見れられるのは少し辛かった。
Jaya

Jayaの感想・評価

2.5

このレビューはネタバレを含みます

何だか情緒不安定な女子高生ソラがじいちゃんの宝探しするお話。チェーンくらいさっと直せよ。
宝は日本刀と三八式歩兵銃。まあ「鉄腕」というからそらそうでしょう。こんな感じでパクられたあの監督のオマージュでしょうか。

何で世田谷ナンバーなんだ?
まずロケーションが中途半端で、加えてそれだけで寓話的世界が成り立つと思ってる節が透けて苛立たしい。
田舎だったら少女が早朝小銃担いでても見つからないと?銃声バンバン聞こえてもスルーだと?宅地に向けて撃つなボケナス。そもそも画角や演出が酷いから日常の延長としてしか見えない。
手帳の中身にしても考証という概念ないのか?あと親父の道徳観と遵法精神どうなってんの?父娘の関係性の材料にするなよ。あとツルハシとバールがシャベルって何よ。

後ろ向きの男も完全に珍獣拾ってきた扱い。心通わせるとお礼に絵を描いてくれるらしい。もう犬っころかなんか轢かせといた方が良かったんじゃない?

カメラワークだけはキレイで、演技もソラだけは結構よくて、冒頭から期待させられましたが、どんどん話のスケールが小さくなって、興醒めしっ放しでした。ソラちゃん、あんたそんなこっ恥ずかしいことでカリカリきてたの?

とりあえず寓意に意義があれば何でもいいという、ありがちなクリエイターの驕りが嫌というほど伝わってきた作品でした。
ついでに字幕もちょいちょいおかしかったです。

このレビューはネタバレを含みます

予告の方が良かった。
中弛み、後半につれて撮影のマンネリ化がみられた。フィックス長回ししときゃ良い感が、、

田舎だからあえてなのか、現代と過去をつなぐ話なのに、現代にヒステリックな昭和男しか出てこない。父親嫌すぎ。にしてもお母さんのことしか考えてないということが、全部そらの台詞で説明されて萎えた。いやずっとそらそらうるさかっただろこの人となった。

そらにこういう格好とビジュアルさせたかったんだろうな、が先行してしまった。

最後の後ろ歩き男のフェードアウト、チープでダサい。
あと横歩きはありなんかい。

世田谷ナンバーはなぜなのか、、、
なほ

なほの感想・評価

-

新文芸坐で一日だけ上映していて
上映後に監督・出演者の方のトークがあったので、この時期に上映した意味を知って感慨深かった。
予告だけでは、どんなストーリーなのか全く想像できないと思うのだけど、実際観ていてもどんな展開になるのかが予測できなかった。上映後の解説では、インド出身の監督だからこそ、日本映画お決まりの法則というものがなく、独特のリズムがあると言っていたけれども、その予測できない展開に反して
田舎ならではの閉塞感がとてもリアルで、何故こんなにも分かるんだろうかと不思議に思う。景色がまた壮大で、懐かしく美しくもあり怖くもあった。

個人的には、亡くなった祖父していた戦争の話をもっと真面目に聞けばよかったと思った。生で知り、リアルな熱量で語ってくれる人はもう少ないのだと実感した。

間瀬さんの絵が本当に素敵。
鉛筆1本でここまでの世界を見せれるのだと驚いた。

ここの地域の人達は、自転車を停める文化がないのだろうかと、最後のほうはもはや停めないことを期待してクスッと笑ってしまった。
bags

bagsの感想・評価

4.0
インド出身監督による日本を題材にした作

戦争に関わる作品とも、その限りではないとも思える
そして日本人の感覚と似たようなものを感じ取れたり、だから戦争が無くならなのかなとも思ったり

もしかしたら「宝物」が意図することは少し違うのかもしれない

彼らが残したこの国というもの
いまどう見えているのかな?と思うことがある
ラストのイラストのような空気感であると嬉しいかな
まずはロケーションが最高であった。続いて構図の美しさ。白黒な分よけい構図の美しさがめだつ。前を向きながら後ろに歩いているのか、後ろを向きながら前に歩いているのか、どちらも可能な解釈か。個人個人の戦後によって、そこは変わってくるのだろう。
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