山羊はいつも横に切れた瞳で世界を別のかたちで見ていた
ぼくらにとっての垂直があいつにとっての水平なら
舞うように身をひるがえす燕をあいつはどう見るんだろう
山羊はまるで賢明な老人のように見えたけど
…
『まんが島』とはまた違う形で画面とせめぎ合うことになった。
緊張と弛緩と。あの周辺を穏やかにイメージさせる。風はそよぎ鳥の鳴き声と遠くで軽トラのエンジンをかける音が交差し。ヒタヒタと足音が通りすぎて…
最小限の視点と視界の中でたくさんのことが起きているし起こされている。
見ること聞くことと見られること塞がれること、または見せられる、聞かされること。見てはいけないものを見つめてしまっているという感覚…
休館前の最終上映にて観賞。
点数を付けるのが難しいですが、これは映画の中に入るような体験が、スクリーンの中の柳英里紗さんや、音響を通して味わえます。
ハンモックで寝る英里紗さんの周りで起こる事を観て…
アンビエント的に鳥声・虫音・水琴を降りそそいでくれつづける、質の高い環境映像。“女性の太モモ映画” としても(一部の人たちにとっては)めっちゃ重要?
構図完璧。セリフもドラマもなく96分間ノーカット…
ゆっくりと流れて行く時間の中で映し出されて行く物語は特に何か起こる訳ではないのだけれど、とても心地良くて豊かに映し出している物語をしっかりと楽しむ事が出来た。
このご時世だけど、こうやって公開されて…