グリード ファストファッション帝国の真実の作品情報・感想・評価(ネタバレなし)

「グリード ファストファッション帝国の真実」に投稿された感想・評価

JinRock

JinRockの感想・評価

2.5
2021年71本目

権力とはこんなもんで、下のヤツらの事なんか考えもしないって事なんじゃろ。
キレイごと言ってもしょうがない。
俺らの生活のどこかでも、コレで成り立っちょる。
ライオンに喰われんでもえぇじゃん…。
ちょっと期待外れ。
テーマは世の中的に時宜を得てなかなかだったが…。
自ら立ち上げたブランドで富を築いたファストファッション創業者マクリディを描いてそこは面白い。
マクリディの成り上がりぶりがやや忙しく描かれそのビジネスが社会的に問われ強気のビジネスが社会問題にもなっていいるがマクリディは強気だ。
またブランド価値をあげることで現金がなくても金融操作で財を成すところもそこそこ暴露的に教えてくれる。
だがそれを支える生産者の苦悩は掘り下げがなく表面的で、一矢報いたくてもせいぜい個人的恨みをはらすのが限界だ。
勿論個人でできることはほとんどないから無理もない。
現状はそうだろうが、そこをもっと工夫して見せてほしいところ。
というのもエンドロールで現実の業界での格差を告発気味に数字を見せていかにも警鐘を鳴らすかのような問題提起的なのがなんだかしらける。ここだけ社会派?
そこが本質なら、マクリディの俗物ぶりばかり見せないでマクリディのビジネスのリスクに切り込むとかしてほしいものだ。
エンドロールで訴える格差は、彼の下請けを買い叩く悪者ぶりに帰着するような印象だ。
現実の世界は、紳士的に商売をして地球環境に貢献していると宣伝して認知されている世界のファストファッションブランドも生産者はみなこんな境遇ではないかと思う。
正当な利益以上にありあまる富が築かれても底辺に還元されてないことは社会の病理でもある。
その闇にもっと光をあててほしいと思ったがコミカルな幕引きでモヤモヤが残った。
コメディならOKだが本質を語るなら中途半端感は否めない。
「あなたにとって成功とは何か、そしてなぜ成功したいのか」

イギリス発祥のファストファッションブランドTOPSHOPなどを擁するアルカディアグループの創業者フィリップ・グリーンの人物史をモチーフにした興亡譚

その成功によりイギリス政府からナイトの爵位(Sirの称号)まで贈られた後に、その闇深さから爵位剥奪をされるという劇烈な人生の浮き沈みは作品として仕立てるには絶好の題材であったろう

現実のフィリップ・グリーンはコロナウィルス感染症の大流行による影響でアルカディアグループ破産という結末に終わるが、劇中の『リチャード・マクリディ』はさらに劇的な最期を遂げる

この作品を観た直後は、社会風刺的な意味合いや映画作品としての因果応報的なパッケージにしか感想が向かなかったが、『ライオン 25年目のただいま』のような作品を観た後だと、世界の対比がよく見える

人はあまりに貧しいと周囲に対してあまり優しさや愛を表現し得ない
曰く、貧すれば鈍す
人に優しく、そして愛を持った行動をし得るには、ある程度の生活のゆとりや安定性があるに越したことはないのだろう
一方で、生活のゆとりを目標とし、商業的あるいは社会的な成功を追い求めると、そのためには人を欺き、踏みつけのし上がる狡猾さや豪胆さが必要となる場面がでてくる
『君主論』の世界だ

貧しくても地獄だし、苛烈に成功を追い求める人の心の中にもある種の地獄がある
その中庸に優しさはあるような気がするがしかし、画期的なイノベーションは後者によって産みだされる

いずれにせよ、『強欲』に駆動され、大きなイノベーションも無く、弱者から搾取するだけのビジネスはこの世には要らないと心より思う


P.S.
風刺性、ブラックユーモア、貧富の差に対する問題提起は大いに感じ入るが、オチに至る伏線と回収も含めストーリーラインは大仰なだけで上手くない
ウィンターボトムのドライかつ迷いのない手捌きで、神話的にすら描く強欲(グリード)と格差の悪循環。

笑えるが背筋も凍る、辛辣な社会派映画。見応え大いにあり。
まるこ

まるこの感想・評価

3.0
久しぶりにウィンターボトム作品みた
相変わらず社会風刺を込めるやり方、変わってないなー
シャーリーヘンダーソンも昔と変わってないのが怖い
モルB

モルBの感想・評価

4.3
・ファッション版、ファーストフード・ネイション。
・風刺の効いたブラック・コメディー。そこ拾う?って言うくらいのリアルな視点や深読みできる部分も多い大好物なタイプの作品。
・貧困や格差についての描写にショックに加えて、1人のクズ野郎を巡るコメディーとしても面白かった。
イギリス仕込みのキツーい風刺が効いたブラックコメディといった趣の作品。一方で難民問題や格差問題など、現代の社会で起きている問題がしっかりと視野に収められており、笑いながらも最後はその笑顔が引きつってしまうような感覚を抱かせる作品でした。
茉

茉の感想・評価

3.3
元々あらすじから読み取れる様に社会派な内容ではありますが、映画作品というよりは、『富、名声、美などの裏側を暴くドキュメンタリー映像』という感想です。
kei188

kei188の感想・評価

1.4
重たいテーマ、エンドロールでも紹介されていましたが、世界の富豪の19人が持つ資産と39億人の貧困層が持つお金が同額。

ファストファッションで失敗と成功を繰り返して、なりあがってきたリチャード・マクリディのお話。実在の人物ですが、ストーリーはフィクションだと思われます。彼の少年時代から、晩年までのドダバタ偉人伝。苦労して成功をつかんだのは、ハイエナのような強奪ビジネス。会社を買収しては、つぶしてしまう。その繰り返し。資金調達は違法行為スレスレ。司法当局からもマークされ、裁判?事情聴取?も受ける。
起業家との一面と、縫製の委託先を買いたたく。日給が3ドルや4ポンドしかないスリランカなどの国々での労働搾取。搾取される側の今日を生きるのも精一杯の貧困の悲哀、搾取する側の強欲さと保身のための詭弁、その対比をブラックコメディで見せてくれます。

コメディであっても、まともに作れば面白く、感動する話にもなるんでしょうが、そうでもない。なぜなら、コメディの本質からずれていると思います。イギリスの映画です。イギリスらしい、シニカルなジョークがちりばめられています。でも、ちりばめすぎ。シニカルになっておらず、ストーリーからずれたコネタの嵐。

人物へのフォーカスの当て方がふらつきすぎ。リチャードの強欲さと弱い面、そこまではいいんですが、家族のバカさ加減も適当に突っ込んでいる感が満載。そして、搾取される側のエピソードもストーリーとはつながりますが、なんか弱い。

リチャードのそばで働くスリランカ人の女の子の絡みも、カタルシスにもなっていません。
もう少し練ってストーリーを作ってほしかった。

さらに虎の威を借るようなネタでドン引き。グラディエーターのパロディもそうです。そして、実名でちょっと出てくるセレブたち、キーラ・ナイトレイ、コリン・ファース、コールドプレイのボーカルのクリス・マーティンなどなど11名が本人役で数秒でてきます。U2のボノの出演はありませんが、新聞記事の写真で登場します。セレブのバカさ加減も演出でしょうが、あまりにばかばかしくて。

同時に劇中劇で進んでいく映画の撮影。ぼさーっと見ていましたが、本人の自伝映画なのでしょう。それもこのストーリーを散漫に見せます。

難民問題、社会主義から変化した東欧の国の労働事情、ギリシャ財政問題までてんこ盛り。格差を多く見せればいいってもんじゃない。

ライオンは共食いで終わるようで、終わらない。虎の威を借る、じゃなくライオンの威を借りるものではなく、威は脈々と引き継がれていく。弱者は弱者のまま、それだけ。根の深い社会問題を浮き彫りにしようという目論見は、映画として面白くなく、失敗だと思います。個人の感想。

2021年劇場ー58本目
扱うテーマ自体は好みだったけど
ストーリー展開が陳腐というか、全く入り込めなかった
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