映画クレヨンしんちゃん 謎メキ！花の天カス学園の梅ちゃんのレビュー・感想・評価

新たな作品ごとに様々なパッケージングで、毎回大人にこそ響くメッセージを届けてくれる劇場版クレヨンしんちゃん。今回は学園ミステリーをモチーフに『友情』と『青春』を描く。

風間くんのたっての希望で、エリートを排出することで有名な『私立天下統一カスカベ学園』通称『天カス学園』に体験入学することになったカスカベ防衛隊。この学園はエリートポイントなる独自の基準で構成されるヒエラルキーが特徴。ここでは、成果偏重主義に対する皮肉がタップリと感じられる。学生時代に大切なことは、当然ながらそれだけじゃないんですよね。

青春と呼べる時期は人それぞれだと思う。間違えたって良い。後悔したって良い。その時に一生懸命に頑張った自分を愛することさえ出来れば、その先は素晴らしい人生となるでしょう。

相変わらずの怒涛のクライマックスに、本作でも大いに泣かされました。図らずも同じく青春の多様性をテーマとした感動作『Coda』と同日に鑑賞したため、その日は一日中センチメンタルな気分でしたよ。😳





以下、若干のネタバレ





終盤のマラソンスタート直後、風間くんのために頑張るカスカベ防衛隊を周囲が嘲笑混じりに見守るなか、
『みんなに笑われてるんですよ？いいんですか？』
と問われたひろしとみさえが世の親たちの想いを言葉にしてくれました。
『一生懸命友達のために頑張ってんのよ。誇らしいわ。何かに一生懸命な人間を笑う奴なんてハゲワシに頭むしられればいいのよ。』
『親としちゃ負けようが笑われようが、胸はって生きてくれりゃ、それで良しだ。』
そう！そういうことなんだってばよ！！

クライマックス、登場人物達がそれぞれ自分にとっての『青春』を言葉にする。『恋』『コンプレックス』『後悔』『孤独』と様々な定義が述べられるなか、私にとっては、ひろしの『今』が一番共感できました。これって改めて考えると幸せなことかも知れませんね。😏